【完結】オメガの円が秘密にしていること

若目

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欲の赴くまま※

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「ねえ、知成くん。ボク、いま発情期なんだよ。抱いてくれる?」
円は大木の首に腕を回した。
円は回した腕に力を入れて、大木にしがみつくようにして抱きついた。

「円さんっ!いま首輪してないでしょ!俺、フェロモンにあてられて噛んじゃうかもしれないから!せめて首輪してください!!」
大木は円の肩に手を置いて腕を突っ張り、なんとか引き離そうとする。
「別にいいよ」
円は口をすぼめて、暗にキスを求めたが、大木はそれに応じようとはしない。
「よくないでしょ!」
「ココ、こんなになってるのに?」
円が大木の股に手を置くと、そこはもう雄としての兆しを見せていた。
円の体からフェロモンが出始めていて、それが効いているのだろう。
必死に理性を働かせても、肉体の反応は正直そのものだ。
「なってるけど…ダメです!あっ、ちょっと…そんな、触らないで……」
円の体がじくじく熱くなっていくのと同時に、大木の抵抗が弱まっていく。
「ねえ、お願い…抱いて?」
赤く染まった大木の耳元で囁くと、大木が円の体を押し倒してきた。
脳が完全にフェロモンに支配されてしまって、理性も崩壊してしまったのだろう。
円を見おろす大木の瞳は、これから獲物を捕食する猛獣みたいにギラギラ光っている。

大木の顔が近づいてきたかと思うと、大きな口が円の唇を捕らえた。
口内に大木の舌が侵入してきて、乱暴な舌使いで歯列をなぞってきたり、口蓋を撫でまわす。
口を塞がれているせいで、上手く呼吸ができない。
ろくに酸素が取り込めず、頭がクラクラしてくる。
このままだと気絶してしまうかもしれない、と考えた頃合いに、やっと唇が開放された。
ようやく自由になった口から、円はすうっと息を思いきり吸い込んで、肺に空気を入れた。

そのすきに、大木は円が着ているシャツを捲りあげると、白くて真っ平らな胸に舌を這わせてきた。
這っていた舌先で乳首を突かれて、ちゅうちゅうと吸い付かれると、円は体が芯から熱くなるのを感じた。
「あっ…んっ…ともなりくんっ!」
舌で転がすように乳首をいじくりまわされて、円は身をよじった。
大木にこんなことをされるのはこれが初めてではないが、何度経験しても、この快感には抗えない。
大きな手で胸や脇腹を好き放題に弄られると、腰の奥の疼きはどんどん強くなってくる。

大木は円が履いていたズボンを抜き取って床に放り、大木自身も服を全て脱ぎ捨てた。
露わになった男根はすでに完全にいきり勃っていて、涎まで垂らしている。
大木はもう我慢ならないようで、早急な動作で円の足首を掴んで広げさせ、男根を胎内に押し挿れてきた。
本能にまかせて、たくましい体を前後に揺さぶり、勢いよく円の最奥を突いてくる。
「あっ…ああっ、ともなりくんっ…すごいっ、もっと…もっと!」
男根が肉襞を掻き分けていく感触が、ただただ心地良い。
円が何をしようと決して逃さないとばかりに、指先が食い込むほどに強く腰を掴んで、胎内を穿つ。
そのたびに、ずちゅっ、ずちゅっ、と生々しい音が円の耳に届いた。
男根が胎内で膨張したのを感じ取ったと同時に、快感がいっそう強くなる。

そのとき、首筋をガブリと噛みつかれて、激しい痛みが走ったと同時に、感じたことのない快感を得た。

──番になるって、こんなカンジなんだ

円はうっとりと目を閉じた。
思ったより、悪くない。
今までずっと、番はおろか恋人を持つことすら躊躇い続けていた。
番になったアルファにいいようにされ、捨てられるオメガの話を散々聞いてきたから。
自分はアルファの奴隷になるなど、まっぴらごめんだ。
だから、生涯ずっと番は作らず、結婚もしないし子どもも産まないで、ひとりで生きていこうと考えていた。

しかし、今は違う。
大木との子どもなら、喜んで産み育てたい。
たとえ、後になって捨てられることがあったとしても、今のこのときがあれば、充分だ。
バカだな、と自分でも思う。
でも、バカになってみるのも悪い気はしない。

「ああっ…ともなりくん、うんっ、あっ、いいよう…もっ、だめッ…イクぅ!」
この上もない快感と幸福感に包まれながら、円は絶頂を迎えた。
大木も同じらしい。
大木が吐き出した精液が、胎内に押し寄せてくるのを感じた。


──ナカに出されるのって、こんなカンジなんだ

達した後の余韻に浸りながら、円は悠長にそんなことを考えた。
ずるり、と胎内から男根が引き抜かれる感触がした。

──まだ挿れてて欲しかったな…

などと考えたが、大木の顔を見て、それどころではないことに気がついた。
「あ…ああ…まどかさん、おれ、あ…」
事が終わって、冷静を取り戻した大木は、青ざめて震えていた。
自分が円に何をしたのか、気がついてしまったのだろう。
戸惑いの表情を浮かべた大木は、急いで服を着込むと、一目散に部屋を飛び出していった。

──ボク、結婚してとか認知しろなんて言わないから、って言おうと思ったのに…

逃げるように部屋を出ていった大木の背中を、円は名残惜しい気持ちで見送った。
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