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若目

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慰問

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「ねえ、旦那さま。慰問に行ってみませんか?」
双子ちゃんたちと会った後日、メアルタハがオレの部屋を訪ねてきた。
「慰問?」
見ていた名簿をその場に置いて、オレはメアルタハに視線を向けた。

「ボランティアのようなものです。先に旦那さんを亡くされたオメガの人たちをお慰めするのですよ。父が運営しているのですがね、大きなお屋敷を買い取って、何人かにそこで生活していただいているのです」
「お慰め…というと」
なぜだろう。
直感的に、ムスコがピクリと反応した。
大きなお楽しみの予感がする。

「いま、旦那さまが考えている通りのことです」
メアルタハがニッと笑う。
「そうか、それならぜひやってみたいものだねえ…」
「左様でございますか。それでは、私がすぐに手配しますね」
そう言うと、メアルタハは目の前から
まだ見ぬお楽しみを想像すると、ムスコがまたピクリと反応した。
ふふふ、まったく我慢の効かないムスコめ。
焦らずとも、すぐにお前の望みは叶えてやるさ。


後日、メアルタハの案内で、そのお屋敷に馬車で向かった。
連れてこられたお屋敷は、学園ほどの敷地はないが、これまたキレイでかつ立派な建物だ。
これだけでもう、メアルタハの実家の太さがわかる。

「いらっしゃいませ、領主さま」
メアルタハに案内されて、屋敷内に入ると、家主に出迎えられた。
年の頃20代後半から30代前半。
顎まで伸ばした真ん中分けの黒髪ウェーブヘアが特徴的な妖艶な雰囲気を纏っている。

「久しぶりだね、サルワートル」
「お久しぶりでございます、お母さま」
サルワートルと呼ばれた家主が、メアルタハに笑いかけた。
「え?お母さま?え⁈」
家主の言葉に驚いて、オレはぐるんっと頭を半転させて、メアルタハに顔を向けた。
「おや、以前に話したではありませんか。私、子どもがいるんですよ?この屋敷は、この子に管理を任せてあるのです」

そういえば、メアルタハは一度結婚歴があるのだった。
それに、メアルタハの年齢を考えてみれば、これぐらいの歳の子どもがいたとしても何ら不思議ではない。

「そうかい。メアルタハに似ていて美人だね」
「ありがとうございます。では、案内しますからついて来てくださいませ」
サルワートルが、今度はオレに笑いかける。

長い廊下を3人で悠々と歩いていると、すえたような甘い匂いが鼻腔をくすぐった。
この匂いには、ものすごく覚えがある。
オメガちゃんが発情したとき発するフェロモンの匂いだ!

「このお部屋です。みなさんには先に話を通しております。この中で領主さまを待っております。さあ、中へどうぞ」
サルワートルが、ある部屋の前で止まって、そこのドアを開けてくれた。

「ごゆっくりどうぞ。私とサルワートルは、親子水入らずの時間を過ごさせていただきます」
オレが部屋に入る寸前、メアルタハがサルワートルを伴って、その場から去っていった。
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