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さらなる朗報
しおりを挟む「旦那さま、お知らせがございます」
自室で名簿を見ていたときに、またしてもメアルタハが訪ねてきた。
もとから高い教育を受けていて教養があり、リーダーシップに優れているからか、メアルタハはここに献上されてからすぐ、この屋敷を取り仕切るようになった。
使用人たちやほかのオメガちゃんたちからの人望も厚い。
これじゃあどっちが主人なのやらと思う反面、メアルタハはオレの下の面倒も見てくれていたりするので、文句は言えなかった。
「なんだい?」
「デクストラ様とシニストラ様が安定期に入りました」
「え?まさか…」
安定期、という言葉にオレは胸が躍るのを感じた。
「ご懐妊です」
「ホント⁈」
「ええ、本当です。出産予定日はいまから概ね1ヶ月弱というところです」
「もうすぐじゃないか⁈もっと早く言ってくれればよかったのに!」
あまりに唐突な知らせに、オレは驚いた。
ゼフテロスが生まれて大して間もないうちから、さらに子どもが生まれるなんて!
ありがたいと思うよりも、驚愕の方が勝った。
双子が同時に妊娠したとあっては、なおさらだ。
「知らせを急いて余計な心配をかけるのもどうかと思いましたので、報告をあえて遅らせたのです」
メアルタハが、シュタルクのときと同じ説明をする。
「別にいいけどねー…」
わずかな不服を感じつつも、次の子どもの誕生は楽しみではある。
おいおい、デクストラとシニストラの様子を伺うとしますか。
それよりも前に、ちょっとしたお楽しみを味わいたい。
「ねえ、メアルタハ。誰かいい子を知らないかな?献上されてきた子も悪くないんだけど、ちょっ~と真新しい楽しみも欲しいんだよねえ」
オレは、メアルタハから何か良い提案をもらえないか期待した。
メアルタハは、実家を経由していろんなパイプがあるから、いろんなお楽しみを知っているのだ。
それこそ、こないだ教えてくれた娼館でのお遊びは最高に楽しかった。
いま思い出しても、ムスコがピクリと反応してしまうほどだ。
「そうですね。それなら、私の父上の知人が理事長を務める学園へ行ってはみませんか?」
「学園?なんでまた?」
この世界にも、確か学校みたいな教育機関はあったはずだ。
しかし、もうすでにいいトシだし、ありとあらゆる学をつけているオレには無縁のように感じられる。
「生徒たちに、授業をつけてやってはくださいませんか?」
「授業?オレは学校の先生なんてやったことないし、他人にモノ教えるとかムリ!」
メアルタハときたら急に何を言い出すのだろう、とオレは訝しんだ。
「ふふふ、旦那さまが思っているような授業ではありませんよ。卒業して、大人になるに当たって必要な技能を、実技を交えて教えてあげて欲しいのです」
メアルタハがクスッと意味深に笑う。
オレは、メアルタハの言うその意図がようやくわかった。
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