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若目

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旅の恥はかき捨て

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列車内でのサービスを大いに楽しんでいるうち、目的地に着いた。

オレの領地から数十キロ離れたこの街は、大規模な青空市場で有名な観光地だ。
駅を降りると、青空市場が即座に目に入った。
赤、青、白、ピンクに黄色に紫さまざまな色のテントが張られた屋台がズラリと並び、それがはるか先まで伸びていた。

メアルタハから聞いた話によれば、ここの市場を占める敷地の広さは約5万平米。
売り物はバリエーション豊かで、野菜に果物、肉に魚。
服や靴や帽子なんかの衣料品、そのほかの生活雑貨などを売っている屋台がところ狭しと並んでおり、その数は約700ほどだという。

屋台の数が700もあれば、生まれてくる子どもに着せる産着やおくるみくらい見つかるだろう。
オレは何かいいものが売っていないか、市場を見て回った。
何かいいものはないかと歩き回っていると、あちらこちらから「安いよ安いよ」「おひとついかが」と威勢のいい声が聞こえてくる。


市場はとても広く、ヘタをすると迷子になりそうだった。
衣装品を売っている屋台がいくつかあり、産着はもちろんマタニティ服や子ども用のおもちゃなんかもあって、どれを買うかアレコレ迷った。

結果、生まれてくる子どもに着せる産着やおくるみのほか、よだれかけや靴下、シュタルクに着せるためのマタニティ服まで購入した。
産着とおくるみだけのつもりが、ついつい買いすぎてしまった。
やっぱり、なんだかんだ言っても子どもが産まれるのは待ち遠しい。

帰ったらシュタルクのところへ行って、様子を見に行ってみよう。
子どもが生まれるのはまだ先のことだが、その間に何があるかわからない。
それに、これから出産を控えるシュタルクに労いの言葉のひとつもかけてやらねば。











──────────────────────





生まれてくる子どもとシュタルクのための買い物は済んだ。
でも、実を言うとオレがここに来たのは買い物以外の楽しみもあったからだ。


辺りはほんのり薄暗くなり、夜の帳が降り始めている。
そんな折にこの大市場を抜けて、しばらく歩いていると、怪しげな建物が立ち並ぶ街に着く。
ここは、現世でいうところの歓楽街である。
ズラリと立ち並んでいる怪しげな建物は、娼館なのだ。

いかにも歓楽街らしく、辺りは途轍もないにぎわいを見せている。
酒に酔って千鳥足で歩いている人、エッチな格好で「遊んでいかない?」と誘う娼婦たち、そこかしこからうっすら聞こえる喘ぎ声や水音。

その様相を見るだけで、オレは胸が弾むのを感じた。
こりゃあ、なかなか楽しめそうだ。
この場所を教えてくれたメアルタハに、ますます感謝したい。
帰りしなに、メアルタハにも何か買ってきてあげよう。

さーて!
どの娼館でどんなことをしようか。
オレは期待に胸とムスコを膨らませて、足を進めた。




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