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新しいお道具

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「親愛なる領主殿

貴殿ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のお引き立てを賜り、厚くお礼を申し上げます。

このたび我が邸宅にて、某月某日、晩餐会を開催いたします。
ご多用のところ、誠に恐縮ではございますが、なにとぞご来臨賜りますようお願い申し上げます。

サラフ教会 サンタッハ司教」

いかにもビジネス文書のテンプレートみたいな文面である。
思うに、このゲームのこの世界を作った人たちは、こんな文章を打ち込んでは送り、打ち込んでは送りを繰り返していたのだろう。

だって、ゲームを作る人たちだってビジネスマンだもの。
こういう文書のひとつやふたつは打つよね。
そういう人が作った世界観なので、この世界の暗黙の了解なんかも、そういう人たちと同じようにできているらしかった。

この晩餐会は、現世にたとえるならビジネスマンの取引先との接待のようなものだ。
文面は堅苦しいくらいに丁寧でも、半ば強制参加で行われる行事である。
この世界、司教の権力はなかなか大きいので、断るに断れない。

現世のビジネスマンと同じだ。
断れば、今後の領地運営だとかに大きく影響してくる。
現世のビジネスマンが、接待を断れば今後の取引や出世に響くのと同じように。

だから、どれだけ煩わしくても行かざるを得ないののである。
オレは憂鬱になりながら、手紙をテーブルの上に放った。
それよりも、オレは別のことが気になっていた。

「ところで、バルコニーの掃除は?今日は誰がするんだったかな?」
「オレ…ぼ、ぼく、です」
バルジャンがあわてて一人称を言い直す。
しかし、言葉遣いなんて、いまのオレにとってはどうでもいい。

「そっか、じゃあ、しなくちゃねー♡」
オレは躊躇いなく、強制発情淫術を発動させた。
それも、より強力な術をお見舞いしてやった。

「だ、旦那さまっ…お許しを、お許しくださ……あ、ああ~ッ♡やめてえ~ッ♡」
バルジャンはあっという間に術にかかった。
股間を押さえながら床を転がり、左右に体を捩って身悶えている。

「まったく、お仕事サボるなんて。悪癖は治ってないのかなー?」
「ち、ちが…あああ~ッ♡」
バルジャンは真面目に答える気などないようだった。
まったく、手癖の悪さは治ったかと思いきやコレだもの。
ホントに困っちゃうね。

コレはお道具を使って躾ける必要がありそうだ。
「お前のような悪い子にはコレをお見舞いしてあげなくちゃねー」
オレはそばのテーブルに置いていたエッチなお道具を手に取った。

一見、短い綿ロープの束のように見えるお道具だ。
名付けて「お手軽うねうね触手ちゃん」である。

「ひいっ♡あっ♡ああっ♡だ、だんなさまっ…♡なに、するのお?♡んあ~っ♡」
悶えながら、バルジャンはオレの手に握られていたお手軽触手ちゃんに気づいた。

「それは使ってからのお楽しみ♡」















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