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若目

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グリーカスの後日談

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どうやら、はじめからこれが狙いだったようだ。
まったく、なんという小悪魔であろう。
でも、グリーカスのお口のテクニックは見事で、とても気持ちがよかったし、それぐらいならいいかと了承することにした。

それからもグリーカスは、オレが精液びゅっびゅするたびに宝石や最新の服をねだった。
こんなこと、本当は良くないのだけれど、グリーカスの女の子みたいなかわいい顔と、お口のテクニックの気持ちよさに惑わされて、ついつい聞き入れてしまう。

まったく、あの性悪ぶりっ子め。
絶対自分の顔がかわいいことをわかっててやってるな。
でも、グリーカスはそんなところも、たまらなくかわいいのだ。








後に聞いた話だが、グリーカスはなぜ強制発情淫術の存在を知っていたのかというと、書斎にあった本をオレより先に読んでいたからだそうだ。
彼は軽そうに見えて、意外に読書家らしい。

それなら納得がいく。
何せ、あの書斎は閲覧制限がかけられていないから誰でも入れるし、誰でも気軽に本を読める。
たまたま手に取った本に、強制発情淫術に関わる記述があっても、不思議ではない。

オレとしたことが、迂闊だった。
これからは閲覧制限を設けることにしよう。

強制発情淫術は、習得するのになかなかの手間を要した。
それでいて、ベータでも確実に気持ちよくなれるという、実に画期的で素晴らしい魔法なのだ。

こんなに素晴らしい魔法、他の誰かにマネされたくはないし、あの書斎にある本の中にコレを妨げたり解いたりする術や、そのヒントになるような記述があっては困る。

一生懸命研究して、やっと習得できた術なのだ。
とことん利用してやらなきゃ、割に合わない。

それに、ここで働く使用人やオメガちゃんに読書は不要であろう。
使用人には家事や庭仕事、オレのムスコのお世話、オメガちゃんにはオレのムスコの世話と跡継ぎを産むことに集中してもらわなくては。

そんなわけで、オレは書斎に閲覧制限を設けた。
何月何日の何曜日何時に、どんな本を何冊借りたのか、しっかり記載するように帳簿をつけることを義務づけたのだ。

そうすれば、使用人もオメガちゃんもヘンな知恵をつけずに済む。
これで労働や種付けに集中できるというものである。

それに、誰がどの本を借りたか履歴を辿れるようになったことで、本の紛失が減った。
これも目的のひとつである。

使用人やオメガちゃんたちに知識や知恵をつけさせないことで支配しやすくなるだとか、決してそんな理由ではない。
断じて違う。

ここの書斎の本のはもちろん、屋敷内の物の管理だってオレの仕事なのだ。
この屋敷にある家具や衣類や食器だって、オレの持ち物であり財産なのだ。
迂闊にポンポン紛失したり破損するわけにはいかない。

しかし、ただ本を読むことを禁じるのはいただけない。
制限をかけつつも、ある程度は緩和したところもある。

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