45 / 198
ベータの使用人 セルウィトル 30歳
しおりを挟む
読んで字のごとく、これは相手をすごくエッチな気分にしてしまう。
この魔法をかけられた相手は、ナカに精液びゅっびゅしてもらうことしか考えられなくなるという、眉唾モノな話がそこには載っている。
オレは半信半疑で、それを実行に移してみることにした。
新しいお楽しみのためには、多少の冒険も必要だ。
そんなこんなで、オレはさっそくこの魔術の習得に励んだ。
こんなのが本当に効くのかどうか、ちょっと実験してみようと思う。
「発情淫術魔法が発動する条件は……密室で対象の相手と2人きりになること、その定めた相手のことをしっかりと視界に入れておくこと……」
オレは自室のベッドに寝転んで本を持ち、ぶつぶつと強制発期淫術の発動条件をおさらいしていた。
「旦那さま、失礼します。お茶とお菓子をお待ちしました」
そのとき、使用人の男の声がして、ドアをノックしてきた。
「ありがとう、入っていいよ」
オレが許可すると、使用人がドアを開けて入ってきた。
「こちらに置いておきますね」
使用人はテーブルまで移動すると、ティーポットにカップ、ソーサーやカトラリーやティースタンドを、せっせとテーブルに置き始めた。
「うん、ありがとね」
オレは一度、本から視線をずらすと、使用人に視線を向けた。
彼はセルウィトルといって、バース性はベータである。
発情期は来ないし、オメガと番にもならない。
つまり、いたって普通の人。
この世界の常識では、ベータは「献上」ではなく、「奉公」という形でこの屋敷にやってくる。
その場合、だいたいはこうして使用人としてやってきて、家事雑用や庭仕事なんかを担う。
屋敷の主人とベッドインするなんてことは、まずありえない。
しかし、そこが疑問である。
こんな素晴らしい世界に転生したのだ。
ちょっとぐらい味見したって、なんら問題はないはずである。
そもそも、この屋敷で働く条件に「容姿」が入っているのも謎である。
ある程度美形でないと、ここでは働けないという。
家事雑用や庭仕事をさせるだけなのに、そんな基準を設ける必要なんかあるだろうか?
要するにこれは、「ベータの使用人の子にも好きなだけエッチなことをしてもいい」という暗黙の了解では?
目の前にいるセルウィトルも、なかなかの美形だ。
中肉中背のバランスのとれた体つき、優しげなタレ目とタレ眉、細い鼻梁に薄い唇、艶めく長い黒髪、唇の下にある色っぽいよだれぼくろ。
前髪は額の前できっちり真ん中に分けて、伸ばした髪は後ろで1本のほつれもなく束ねられている。
支給された黒いベストにスラックス、白いカッターシャツという簡素な装いも手伝って、全体的に地味だ。
しかし、そこがまたそそられる。
顔がいい地味っ子って最高だよね♡
よし、決めた。
この子にエッチな魔法をかけて、たくさん精液びゅっびゅしちゃお♡
そう思い立ったオレはベッドから起き上がると、セルウィトルを視界に捕らえた。
この魔法をかけられた相手は、ナカに精液びゅっびゅしてもらうことしか考えられなくなるという、眉唾モノな話がそこには載っている。
オレは半信半疑で、それを実行に移してみることにした。
新しいお楽しみのためには、多少の冒険も必要だ。
そんなこんなで、オレはさっそくこの魔術の習得に励んだ。
こんなのが本当に効くのかどうか、ちょっと実験してみようと思う。
「発情淫術魔法が発動する条件は……密室で対象の相手と2人きりになること、その定めた相手のことをしっかりと視界に入れておくこと……」
オレは自室のベッドに寝転んで本を持ち、ぶつぶつと強制発期淫術の発動条件をおさらいしていた。
「旦那さま、失礼します。お茶とお菓子をお待ちしました」
そのとき、使用人の男の声がして、ドアをノックしてきた。
「ありがとう、入っていいよ」
オレが許可すると、使用人がドアを開けて入ってきた。
「こちらに置いておきますね」
使用人はテーブルまで移動すると、ティーポットにカップ、ソーサーやカトラリーやティースタンドを、せっせとテーブルに置き始めた。
「うん、ありがとね」
オレは一度、本から視線をずらすと、使用人に視線を向けた。
彼はセルウィトルといって、バース性はベータである。
発情期は来ないし、オメガと番にもならない。
つまり、いたって普通の人。
この世界の常識では、ベータは「献上」ではなく、「奉公」という形でこの屋敷にやってくる。
その場合、だいたいはこうして使用人としてやってきて、家事雑用や庭仕事なんかを担う。
屋敷の主人とベッドインするなんてことは、まずありえない。
しかし、そこが疑問である。
こんな素晴らしい世界に転生したのだ。
ちょっとぐらい味見したって、なんら問題はないはずである。
そもそも、この屋敷で働く条件に「容姿」が入っているのも謎である。
ある程度美形でないと、ここでは働けないという。
家事雑用や庭仕事をさせるだけなのに、そんな基準を設ける必要なんかあるだろうか?
要するにこれは、「ベータの使用人の子にも好きなだけエッチなことをしてもいい」という暗黙の了解では?
目の前にいるセルウィトルも、なかなかの美形だ。
中肉中背のバランスのとれた体つき、優しげなタレ目とタレ眉、細い鼻梁に薄い唇、艶めく長い黒髪、唇の下にある色っぽいよだれぼくろ。
前髪は額の前できっちり真ん中に分けて、伸ばした髪は後ろで1本のほつれもなく束ねられている。
支給された黒いベストにスラックス、白いカッターシャツという簡素な装いも手伝って、全体的に地味だ。
しかし、そこがまたそそられる。
顔がいい地味っ子って最高だよね♡
よし、決めた。
この子にエッチな魔法をかけて、たくさん精液びゅっびゅしちゃお♡
そう思い立ったオレはベッドから起き上がると、セルウィトルを視界に捕らえた。
0
お気に入りに追加
250
あなたにおすすめの小説

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…
月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた…
転生したと気づいてそう思った。
今世は周りの人も優しく友達もできた。
それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。
前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。
前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。
しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。
俺はこの幸せをなくならせたくない。
そう思っていた…

親友と同時に死んで異世界転生したけど立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話
gina
BL
親友と同時に死んで異世界転生したけど、
立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話です。
タイトルそのままですみません。

お荷物な俺、独り立ちしようとしたら押し倒されていた
やまくる実
BL
異世界ファンタジー、ゲーム内の様な世界観。
俺は幼なじみのロイの事が好きだった。だけど俺は能力が低く、アイツのお荷物にしかなっていない。
独り立ちしようとして執着激しい攻めにガッツリ押し倒されてしまう話。
好きな相手に冷たくしてしまう拗らせ執着攻め✖️自己肯定感の低い鈍感受け
ムーンライトノベルズにも掲載しています。

兄たちが弟を可愛がりすぎです
クロユキ
BL
俺が風邪で寝ていた目が覚めたら異世界!?
メイド、王子って、俺も王子!?
おっと、俺の自己紹介忘れてた!俺の、名前は坂田春人高校二年、別世界にウィル王子の身体に入っていたんだ!兄王子に振り回されて、俺大丈夫か?!
涙脆く可愛い系に弱い春人の兄王子達に振り回され護衛騎士に迫って慌てていっもハラハラドキドキたまにはバカな事を言ったりとしている主人公春人の話を楽しんでくれたら嬉しいです。
1日の話しが長い物語です。
誤字脱字には気をつけてはいますが、余り気にしないよ~と言う方がいましたら嬉しいです。
市川先生の大人の補習授業
夢咲まゆ
BL
笹野夏樹は運動全般が大嫌い。ついでに、体育教師の市川慶喜のことも嫌いだった。
ある日、体育の成績がふるわないからと、市川に放課後の補習に出るよう言われてしまう。
「苦手なことから逃げるな」と挑発された夏樹は、嫌いな教師のマンツーマンレッスンを受ける羽目になるのだが……。
◎美麗表紙イラスト:ずーちゃ(@zuchaBC)
※「*」がついている回は性描写が含まれております。

イケメンの後輩にめちゃめちゃお願いされて、一回だけやってしまったら、大変なことになってしまった話
ゆなな
BL
タイトルどおり熱烈に年下に口説かれるお話。Twitterに載せていたものに加筆しました。Twitter→@yuna_org

美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました
SEKISUI
BL
ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた
見た目は勝ち組
中身は社畜
斜めな思考の持ち主
なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う
そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる