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マスターの予想
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「ねえ、ヒロちゃんヒロちゃん。あの人さあ…」
マスターのもとへ戻った瞬間、マスターが口を開いた。
「あの人って、あの、隅の席に座ってるメガネの男の人?」
だいたい誰のことをさしているのかはわかっていたが、真広はあえてわからないフリをした。
「前にさ、あの人は仕事は何してんだろーねー、って話してたじゃない?オレはさ、ライターとか小説家だと思うね。いつもパソコンのキーボードカチャカチャさせてるし。編集者の人と話してるところは見たこと無いから、たぶんフリーランスの人だよ。まあ、オレの勝手な予想だけど」
「あ…そうですかね」
五井の職業などすでに知っていたけれど、真広は知らないフリをした。
「どんなの書いてるんだろうね?」
マスターが悪だくみするように楽しそうに問いかける。
「すっごく難しそうなヤツ書いてるかも。アガサ・クリスティーとかが書くミステリーとか、経済小説とか政治小説とか、そんなんかも」
真広は、以前から立てていた予想を口に出した。
「うーん。案外さあ、とんでもないマニアック小説書いてる可能性もあるよね。マルキ・ド・サドも真っ青なエログロ系とか!」
マスターがクスクス笑う。
「まるきどさど?そういうの、よくわかんないですけど…ホントにどんなの書いてるんでしょうね、実際」
真広は五井が作家なのは知っていたけれど、どんな小説を書いているのかは未だに聞き出していなかった。
──今日、聞いてみるかな
バイトと講義が終わった後の予定を練りながら、真広はほかの客が去った後の後片付けを始めた。
またいつものように五井の家を訪ねると、浴室に向かって体を洗い、ガウンに着替える。
ガウンを着ると、五井の部屋に通される。
五井の部屋に通されると、ガウンを脱がされ、行為が始まる。
最初のうちはドキドキしていたこの一連の流れにも、すっかり慣れてしまった。
「んんっ…」
ガウンを脱いで一糸纏わぬ姿となり、2人してベッドに乗り上げると同時に、五井に組み敷かれて口を塞がれる。
その途端に、真広は腹の奥がジクジクと疼いて、心臓がどんどん強く脈打つのを感じた。
やっぱり何度出くわしても、この瞬間だけは緊張してしまう。
またあの快感を味わえる。
そう思うと、腹の奥が疼いて止まらない。
唇が離れて、五井の大きな手が真広の胸に触れる。
五井の手のひらの温もりが伝わってくると同時に、真広の体温も上がってくる。
また、あの快感がやってくる。
もうそのことしか考えられなくて、頭もまともには働かない。
体の疼きが最高潮まで達した、まさにそのときだった。
「すまない。いま勃たないんだ」
五井の手が、胸から離れていく。
「え…」
「キミはまだ若いから知らないと思うけど、人間55歳にもなるとそう簡単には勃起しないんだ。今の今までデキてたのは奇跡みたいなもんだったんだよ」
──五井さんって55歳だったんだ…
まともに働かない頭の隅で、真広はそんなことを考えた。
思えば、このとき真広は初めて五井の年齢を知った。
「だから、今回はコレで我慢してくれ」
マスターのもとへ戻った瞬間、マスターが口を開いた。
「あの人って、あの、隅の席に座ってるメガネの男の人?」
だいたい誰のことをさしているのかはわかっていたが、真広はあえてわからないフリをした。
「前にさ、あの人は仕事は何してんだろーねー、って話してたじゃない?オレはさ、ライターとか小説家だと思うね。いつもパソコンのキーボードカチャカチャさせてるし。編集者の人と話してるところは見たこと無いから、たぶんフリーランスの人だよ。まあ、オレの勝手な予想だけど」
「あ…そうですかね」
五井の職業などすでに知っていたけれど、真広は知らないフリをした。
「どんなの書いてるんだろうね?」
マスターが悪だくみするように楽しそうに問いかける。
「すっごく難しそうなヤツ書いてるかも。アガサ・クリスティーとかが書くミステリーとか、経済小説とか政治小説とか、そんなんかも」
真広は、以前から立てていた予想を口に出した。
「うーん。案外さあ、とんでもないマニアック小説書いてる可能性もあるよね。マルキ・ド・サドも真っ青なエログロ系とか!」
マスターがクスクス笑う。
「まるきどさど?そういうの、よくわかんないですけど…ホントにどんなの書いてるんでしょうね、実際」
真広は五井が作家なのは知っていたけれど、どんな小説を書いているのかは未だに聞き出していなかった。
──今日、聞いてみるかな
バイトと講義が終わった後の予定を練りながら、真広はほかの客が去った後の後片付けを始めた。
またいつものように五井の家を訪ねると、浴室に向かって体を洗い、ガウンに着替える。
ガウンを着ると、五井の部屋に通される。
五井の部屋に通されると、ガウンを脱がされ、行為が始まる。
最初のうちはドキドキしていたこの一連の流れにも、すっかり慣れてしまった。
「んんっ…」
ガウンを脱いで一糸纏わぬ姿となり、2人してベッドに乗り上げると同時に、五井に組み敷かれて口を塞がれる。
その途端に、真広は腹の奥がジクジクと疼いて、心臓がどんどん強く脈打つのを感じた。
やっぱり何度出くわしても、この瞬間だけは緊張してしまう。
またあの快感を味わえる。
そう思うと、腹の奥が疼いて止まらない。
唇が離れて、五井の大きな手が真広の胸に触れる。
五井の手のひらの温もりが伝わってくると同時に、真広の体温も上がってくる。
また、あの快感がやってくる。
もうそのことしか考えられなくて、頭もまともには働かない。
体の疼きが最高潮まで達した、まさにそのときだった。
「すまない。いま勃たないんだ」
五井の手が、胸から離れていく。
「え…」
「キミはまだ若いから知らないと思うけど、人間55歳にもなるとそう簡単には勃起しないんだ。今の今までデキてたのは奇跡みたいなもんだったんだよ」
──五井さんって55歳だったんだ…
まともに働かない頭の隅で、真広はそんなことを考えた。
思えば、このとき真広は初めて五井の年齢を知った。
「だから、今回はコレで我慢してくれ」
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