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第2章 矢作、村を出る?!
こんな所で会うなんて***ルフ視点***
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ベンさんの言う通りだった。
首都の噂は、あちこち凄い事になっていた。
『だから言ったじゃないか、南の地区から煙が上がったんだ。』
『それより、ゴート近くの村が凄い事になったのは知ってるか?何でも【マツリ】という不思議な催しが開かれたとか。』
『そうそう、その【マツリ】ですげぇ貴重な薬草が大量に売られてたんだとよ。薬草と言えばジーラン商会だろ?奴らカンカンなんだとよ。』
『おい、余計な事を言わない方がいい。ゴラン商会の番頭さんが奴らに連れてかれたのを見たんだよ、俺ァ。
はぁ、ヤツら正気の沙汰じゃねぇだろ。』
『そりゃそうだ。今、ゴラン商会の後ろ盾に我が王がついたんだぞ。王を敵に回すなんて…怖すぎるぜ。』
『それより、もっと凄いニュースがあるんだよ。
何とあの【跳馬亭】が綺麗になって冒険者が詰めかけてるってよ。』
『アハハハハハ。何が凄いニュースだよ。しかしお前嘘つくんなら、もっとマシなヤツにしろよ。そんなデマ誰が信じるんだよ。こんな馬鹿げた噂信じるとは、お前、相当の単純バカだな。』
『。。うるせーよ。』
酔っ払い達の大騒ぎはまだまだ続いていたが、要点をまとめると。
①南地区で爆発。
②ジーラン商会に捕まった番頭。
③【跳馬亭】が改装し冒険者が詰めかける。
必死に集めた情報も大切そうな奴は3つ。
他にも沢山の情報が掴んだが、信憑性はどれも薄い気がした。
沢山ある中、俺でも分かる大切そうなモノをピックアップした。更に1つに絞らねば一刻も早く矢作様の元へ駆けつける為に。
しかし慣れないことをするのは疲れる。
滅多になく神経を使うなぁ。
力自慢の俺にとって【我が村だけ】それだけが大切な人生だったから、こんな事とは無縁の生活だった。
だから、俺に聞き出す才能などある訳もない。
そんな俺に事前にジルさんが色々教えてくれたのだ。(あの人もある意味超能力者だな。助言全て必要で、今ホントにめっちゃ助かってる。俺がこんな事すると予想してたなんて、ホントにすげぇな。
周りに凄い人ばかりで俺は何も役に立ってない気がする。)
《困ったら酒場へ向かえ。
情報はそこでは他より容易く入る。
ウワバミを超えた貴方にはピッタリですよ。》
その助言の場所が、ココ。
東の商業地区にある【グルセフ】。
でっかい酒場だ。
ココに粘る事3時間で掴んだ、重要そうなネタは3つだ。
うーん、更に矢作様絡みを2つに絞れば。
爆発か、ジーラン商会だな。
迷うな。おそらく矢作様なら突拍子もない方にいるはず。。
よし、南地区での爆発の方へ向かおう。
矢作様は、そこにいるはずだ。
南地区、五大家の家が立ち並ぶ辺りかな?
本当なら南地区、特に五大家の傍に近づく事は俺や矢作様の身分では不可能。
。。たぶん。。
いや、有りか。。
ま、相手は【あの矢作様】だものな。
とにかくもう少しに近づいて様子を調べてからあとは考えよう。
それにしても、あの爆発は俺でも気になる。
王の足元に当たる場所たぞ。
そんな場所での爆発なんて、聞いたことがない。
もしかして…矢作様が捕まって何かしたのこもしれない。
そうだよ。
矢作様の事だ。
逃げる途中で爆発くらいはやりそうだ。
そうだ、、、間違いない。
あれは矢作様だ!!
こうなれば、何としても南地区の中に入り込まなければ。
見張りを捕まえて、制服を剥げばイけるかもしれない。とにかく実行あるのみ!!
矢作様へ手を出すならば、命懸けも厭わぬ我が身だ。南へと駆け出す足取りは、どんどんスピードを、上げていた。
なかなかに広い首都。
東地区から走り続けて、ふと気がついた。
大爆発があった割には、何処も落ち着い様子だ。人々の表情に焦りの色はない。
何故だろう?
そんな考え事をしていたら、あっという間に出入口についた。
ここに来て、ようやく爆発の痕跡を初めて見たがこれは酷い。
あの大きな大門が完全に壊れてる。
首都の象徴とも言える大門が、だ。
ひしゃげた金属製の大門。扉の片方は吹っ飛んでる。あれほど分厚く大きな金属製の扉へベコベコだ。
ふーむ。
相当大きな爆発だったようだ。
しかし、近付けそうにない。
大門の辺りに騎士団が1列に並んでいるからだ。こんな所で騎士団のもの達が門番など有り得ない。
門番などするバスのない騎士団がいるのは計画が、狂う。困ったな。
あれは確か【義】の騎士団か?
動かない騎士団に、ここから中に入るのを諦めて周辺を探る事にした。
爆発は限定的だったようで、大門以外は無傷な様だ。
やはり、、大門近くを調べたい。何なら騎士団と戦っても。
決意を固めて大門辺りに戻ってみたら。
うん?
騎士団の前に、小柄な青年が現れた。
あの制服は治安部隊だな。
まずいぞ。ここは治外法権だ。しかも爆発の後にこんな場所を彷徨くなんてまずい。
騎士団は、ほぼ特権階級の上、差別主義者ばかりだ。
彼らは、自分達以外の人間をオモチャにする悪癖がある。
青年が危険だ!!
そう本能が訴えている。
気になるもまだ青年に対して騎士団の動きもない。迂闊には動けず、視線だけ釘付けとなる。
そのままジリジリとした時間だけが過ぎ、睨み合いが続いてるに見えたが、やっと、彼らが動き出した。
護衛車の方へと向かう。
あれ?青年もそちらに近づいたぞ!!
このまま青年が乗り込んだ後では助け出すチャンスはまず無い。
青年を助けるなら、今だ!!
使命を果たすならば横道に逸れる暇は無い。そう思って迷っていたが、やはり青年は放ってはおけない。
矢作様ならば、必ず助ける。その確信が俺の背中を押した。
とにかく、助けてから考え。。えっ??
何??
何が起こったんだ?!
【護送車】に乗り込むのは騎士団の連中なのか??
しかも俯きノロノロとした足取りで騎士団が乗り込んでいくではないか。
ええーー!!
なんと御者は、まさかの青年??
治安部隊が、まさか騎士団を逮捕したのか?そんな事が。
混乱する俺の胸中など構わず、目の前をゆっくりと護送車が走り去っていく。
あの方向ならば、目的地はおそらく王城。
そうか!!!
あの治安部隊の青年の正体は、本当は諜報部隊なのだろう。自分の早とちりに気づいて赤面していた俺は通りすがりに御者の彼が小声で囁いた言葉までは耳に入らなかった。
『今日は大凶だ。鬼に会ったのだから。
ジル様、
やり返せないけど…
絶対近寄らないけど…
俺忘れませんからね。』
護衛車を見送った俺は慌てて踵を返してジーラン商会へと急いだ。
矢作様はそこにいる!!
今度こそ間違いない。
あ、ラッセルさんか。
捕まったゴラン商会の番頭とはきっとラッセルさんだ。
全てが腑に落ちた。
彼が捕まった事を知った矢作様が助けに向かったんだ。今度こそ確信に似た手応えをもって急ぐ。
時間を無駄にしてしまったんだ。
急がねば!!
矢作様が無茶をして暴れ出す前に、俺がラッセルさんを助け出して矢作様と合流せねば。
護衛として潜り込めば良いのか。
もう、これしかない!!
今度こそ、間違えないように慎重にいこう。
まずは、ジーラン商会の護衛募集を探してみよう。もしかしたら、潜り込めるかもしれない。昔の経歴が役に立つはず。
【求人所】
商会は必ず、正面とは別の場所にこの看板を出す。たくさんの人手が必要な商会ならではの方法。
部屋の中は人でごった返していた。
【人足】
【担ぎ手】
【御者】
【帳面補助】
。。
求人はまだまだ沢山あるが、目的の護衛が見つからない。ないのか?
【護衛・見張り】
良かった、あった!!
誰も並んでいないから、不人気なのか?
護衛はかなりお給金が良いから人気なのが普通なのに、何故だ?
『おい、お前やめとけよ。』
『お前、字が読めないのか?あれをよく見ろ!!』
横の【掃除】の所に並んでいた人たちに慌てて止められた。
注意書きがあるのか。
まぁ、よくある。
【護衛に値する者 ギルドAランク以上
もしくは 護衛成功件数 特級以上】
なるほど。
護衛でも、これだけの厳しい条件は少ない。それほど貴重な人の護衛か。
読んだ俺が前に踏み出そうとしたら、またもや誰かに袖を引っ張られる。
『アンタ!!実績なしで無謀に挑戦すると決闘させられるよ!!もっと命大事におしよ。』他の求人に来てたおばさんだ。
その焦った顔に心が温まる。
『色々心配してくれてありがとう。でも、勝算はあるので安心してください。』
そっとおばさんに微笑みかけ、受付に向かう。
後ろの方が騒がしいが振り返る暇はなかった。受付をした途端奥へと進んだからだ。
『あの人、ここから無事には出られないね。』『ホント馬鹿だよ。』
『あんなにハンサムなのに。』
奥へ進むとやけに歩き回らせる。よほど、ジーラン商会の中は複雑なようだ。
簡単には、覚えられないがこれも大手にはよくある。
複雑な仕組みの家づくりは、即ち防衛力。
やがて通された部屋に1人の男が待ち構えていたり
『さ、お座りください。確か特級護衛の紀章をお持ちとか…おぉ、本物だ。
失礼しました。我々はある重要人物を護送する予定なのです。
成功した暁には、お望みの報奨をお支払いします。』
あっさり侵入成功。
その夜から、俺はある部屋の前に立つ事になった。移動の日まで見張りをするそうだ。
分かっている。これは俺ごと始末する予定の雇い方だ。
役に立てて、その後始末する。
悪徳商会にはある事だと、護衛時代に聞いていたので、すぐ分かった。
だからこそ、間違いなくココに配置されたのだろう。
『ラッセルさん、ご無事ですか?』
ほぼ口を動かさない喋り方🟰隠形の1つ
ラッセルさんの瞼が、2回動いた(ラッセルさんも隠形を知っているようだ。)
倒れたままのラッセルさんの答えは。
いいえ。
彼らの動きを待つ訳にはいかない。
決断は早かった。
その夜、彼を連れて逃げる事にした。
外はダメだ。
隠れる場所はない。
ならば方法は1つだ。
地下へ。
地下の下水は複雑な道が続く場所だ。
そこへと逃げ込めばチャンスはある。臭すぎて誰も近づかないからこそ、安全な逃げ道だ(現役時代の知恵の1つ)
奴らに酷い目に合わされたラッセルさんを担いで地下へと降りてゆく。
一緒の見張り、
廊下で会う人間、
台所にいたおばさん達、
全てを、一瞬で気絶させて地下へと。
(余計な敵を作らない為に関係の無い人々は、必ず無傷が護衛時代の常識なのだ。)
ラッセルさんの容態を気にしながら、方向を確認しつつ進むこと数時間。
そろそろ、地上に出て体制を立て直すかと、考えてたその時。
!!!
人が来た?!
こんな場所にいる人間なぞ、危ない人間にきまってる。実際、自分達も逃亡中なのだから。
片手でラッセルさんをそっと安全な場所に寝かせておく。
自分は前へ出て片手に剣を構える。静かに剣に覇気を纏わせて。ここは絶対に通さない。
ジリジリと近づく不審者に身構えていたら。。。
ええーーーーー!!!
なんで??
『えっ?なんでこんな所にいるんです??』
『それはこっちの台詞だよ。』
矢作様の声が響いた。
身構えた空気が一瞬で、霧散した。
不審者は…まさかの矢作様。
でも、ご無事で本当に良かった。
『ルフさん。とりあえずお風呂入ろう。相当臭いよ。』
本当にジルさんの言う通りだ。
やっぱり最強は矢作様だな。
首都の噂は、あちこち凄い事になっていた。
『だから言ったじゃないか、南の地区から煙が上がったんだ。』
『それより、ゴート近くの村が凄い事になったのは知ってるか?何でも【マツリ】という不思議な催しが開かれたとか。』
『そうそう、その【マツリ】ですげぇ貴重な薬草が大量に売られてたんだとよ。薬草と言えばジーラン商会だろ?奴らカンカンなんだとよ。』
『おい、余計な事を言わない方がいい。ゴラン商会の番頭さんが奴らに連れてかれたのを見たんだよ、俺ァ。
はぁ、ヤツら正気の沙汰じゃねぇだろ。』
『そりゃそうだ。今、ゴラン商会の後ろ盾に我が王がついたんだぞ。王を敵に回すなんて…怖すぎるぜ。』
『それより、もっと凄いニュースがあるんだよ。
何とあの【跳馬亭】が綺麗になって冒険者が詰めかけてるってよ。』
『アハハハハハ。何が凄いニュースだよ。しかしお前嘘つくんなら、もっとマシなヤツにしろよ。そんなデマ誰が信じるんだよ。こんな馬鹿げた噂信じるとは、お前、相当の単純バカだな。』
『。。うるせーよ。』
酔っ払い達の大騒ぎはまだまだ続いていたが、要点をまとめると。
①南地区で爆発。
②ジーラン商会に捕まった番頭。
③【跳馬亭】が改装し冒険者が詰めかける。
必死に集めた情報も大切そうな奴は3つ。
他にも沢山の情報が掴んだが、信憑性はどれも薄い気がした。
沢山ある中、俺でも分かる大切そうなモノをピックアップした。更に1つに絞らねば一刻も早く矢作様の元へ駆けつける為に。
しかし慣れないことをするのは疲れる。
滅多になく神経を使うなぁ。
力自慢の俺にとって【我が村だけ】それだけが大切な人生だったから、こんな事とは無縁の生活だった。
だから、俺に聞き出す才能などある訳もない。
そんな俺に事前にジルさんが色々教えてくれたのだ。(あの人もある意味超能力者だな。助言全て必要で、今ホントにめっちゃ助かってる。俺がこんな事すると予想してたなんて、ホントにすげぇな。
周りに凄い人ばかりで俺は何も役に立ってない気がする。)
《困ったら酒場へ向かえ。
情報はそこでは他より容易く入る。
ウワバミを超えた貴方にはピッタリですよ。》
その助言の場所が、ココ。
東の商業地区にある【グルセフ】。
でっかい酒場だ。
ココに粘る事3時間で掴んだ、重要そうなネタは3つだ。
うーん、更に矢作様絡みを2つに絞れば。
爆発か、ジーラン商会だな。
迷うな。おそらく矢作様なら突拍子もない方にいるはず。。
よし、南地区での爆発の方へ向かおう。
矢作様は、そこにいるはずだ。
南地区、五大家の家が立ち並ぶ辺りかな?
本当なら南地区、特に五大家の傍に近づく事は俺や矢作様の身分では不可能。
。。たぶん。。
いや、有りか。。
ま、相手は【あの矢作様】だものな。
とにかくもう少しに近づいて様子を調べてからあとは考えよう。
それにしても、あの爆発は俺でも気になる。
王の足元に当たる場所たぞ。
そんな場所での爆発なんて、聞いたことがない。
もしかして…矢作様が捕まって何かしたのこもしれない。
そうだよ。
矢作様の事だ。
逃げる途中で爆発くらいはやりそうだ。
そうだ、、、間違いない。
あれは矢作様だ!!
こうなれば、何としても南地区の中に入り込まなければ。
見張りを捕まえて、制服を剥げばイけるかもしれない。とにかく実行あるのみ!!
矢作様へ手を出すならば、命懸けも厭わぬ我が身だ。南へと駆け出す足取りは、どんどんスピードを、上げていた。
なかなかに広い首都。
東地区から走り続けて、ふと気がついた。
大爆発があった割には、何処も落ち着い様子だ。人々の表情に焦りの色はない。
何故だろう?
そんな考え事をしていたら、あっという間に出入口についた。
ここに来て、ようやく爆発の痕跡を初めて見たがこれは酷い。
あの大きな大門が完全に壊れてる。
首都の象徴とも言える大門が、だ。
ひしゃげた金属製の大門。扉の片方は吹っ飛んでる。あれほど分厚く大きな金属製の扉へベコベコだ。
ふーむ。
相当大きな爆発だったようだ。
しかし、近付けそうにない。
大門の辺りに騎士団が1列に並んでいるからだ。こんな所で騎士団のもの達が門番など有り得ない。
門番などするバスのない騎士団がいるのは計画が、狂う。困ったな。
あれは確か【義】の騎士団か?
動かない騎士団に、ここから中に入るのを諦めて周辺を探る事にした。
爆発は限定的だったようで、大門以外は無傷な様だ。
やはり、、大門近くを調べたい。何なら騎士団と戦っても。
決意を固めて大門辺りに戻ってみたら。
うん?
騎士団の前に、小柄な青年が現れた。
あの制服は治安部隊だな。
まずいぞ。ここは治外法権だ。しかも爆発の後にこんな場所を彷徨くなんてまずい。
騎士団は、ほぼ特権階級の上、差別主義者ばかりだ。
彼らは、自分達以外の人間をオモチャにする悪癖がある。
青年が危険だ!!
そう本能が訴えている。
気になるもまだ青年に対して騎士団の動きもない。迂闊には動けず、視線だけ釘付けとなる。
そのままジリジリとした時間だけが過ぎ、睨み合いが続いてるに見えたが、やっと、彼らが動き出した。
護衛車の方へと向かう。
あれ?青年もそちらに近づいたぞ!!
このまま青年が乗り込んだ後では助け出すチャンスはまず無い。
青年を助けるなら、今だ!!
使命を果たすならば横道に逸れる暇は無い。そう思って迷っていたが、やはり青年は放ってはおけない。
矢作様ならば、必ず助ける。その確信が俺の背中を押した。
とにかく、助けてから考え。。えっ??
何??
何が起こったんだ?!
【護送車】に乗り込むのは騎士団の連中なのか??
しかも俯きノロノロとした足取りで騎士団が乗り込んでいくではないか。
ええーー!!
なんと御者は、まさかの青年??
治安部隊が、まさか騎士団を逮捕したのか?そんな事が。
混乱する俺の胸中など構わず、目の前をゆっくりと護送車が走り去っていく。
あの方向ならば、目的地はおそらく王城。
そうか!!!
あの治安部隊の青年の正体は、本当は諜報部隊なのだろう。自分の早とちりに気づいて赤面していた俺は通りすがりに御者の彼が小声で囁いた言葉までは耳に入らなかった。
『今日は大凶だ。鬼に会ったのだから。
ジル様、
やり返せないけど…
絶対近寄らないけど…
俺忘れませんからね。』
護衛車を見送った俺は慌てて踵を返してジーラン商会へと急いだ。
矢作様はそこにいる!!
今度こそ間違いない。
あ、ラッセルさんか。
捕まったゴラン商会の番頭とはきっとラッセルさんだ。
全てが腑に落ちた。
彼が捕まった事を知った矢作様が助けに向かったんだ。今度こそ確信に似た手応えをもって急ぐ。
時間を無駄にしてしまったんだ。
急がねば!!
矢作様が無茶をして暴れ出す前に、俺がラッセルさんを助け出して矢作様と合流せねば。
護衛として潜り込めば良いのか。
もう、これしかない!!
今度こそ、間違えないように慎重にいこう。
まずは、ジーラン商会の護衛募集を探してみよう。もしかしたら、潜り込めるかもしれない。昔の経歴が役に立つはず。
【求人所】
商会は必ず、正面とは別の場所にこの看板を出す。たくさんの人手が必要な商会ならではの方法。
部屋の中は人でごった返していた。
【人足】
【担ぎ手】
【御者】
【帳面補助】
。。
求人はまだまだ沢山あるが、目的の護衛が見つからない。ないのか?
【護衛・見張り】
良かった、あった!!
誰も並んでいないから、不人気なのか?
護衛はかなりお給金が良いから人気なのが普通なのに、何故だ?
『おい、お前やめとけよ。』
『お前、字が読めないのか?あれをよく見ろ!!』
横の【掃除】の所に並んでいた人たちに慌てて止められた。
注意書きがあるのか。
まぁ、よくある。
【護衛に値する者 ギルドAランク以上
もしくは 護衛成功件数 特級以上】
なるほど。
護衛でも、これだけの厳しい条件は少ない。それほど貴重な人の護衛か。
読んだ俺が前に踏み出そうとしたら、またもや誰かに袖を引っ張られる。
『アンタ!!実績なしで無謀に挑戦すると決闘させられるよ!!もっと命大事におしよ。』他の求人に来てたおばさんだ。
その焦った顔に心が温まる。
『色々心配してくれてありがとう。でも、勝算はあるので安心してください。』
そっとおばさんに微笑みかけ、受付に向かう。
後ろの方が騒がしいが振り返る暇はなかった。受付をした途端奥へと進んだからだ。
『あの人、ここから無事には出られないね。』『ホント馬鹿だよ。』
『あんなにハンサムなのに。』
奥へ進むとやけに歩き回らせる。よほど、ジーラン商会の中は複雑なようだ。
簡単には、覚えられないがこれも大手にはよくある。
複雑な仕組みの家づくりは、即ち防衛力。
やがて通された部屋に1人の男が待ち構えていたり
『さ、お座りください。確か特級護衛の紀章をお持ちとか…おぉ、本物だ。
失礼しました。我々はある重要人物を護送する予定なのです。
成功した暁には、お望みの報奨をお支払いします。』
あっさり侵入成功。
その夜から、俺はある部屋の前に立つ事になった。移動の日まで見張りをするそうだ。
分かっている。これは俺ごと始末する予定の雇い方だ。
役に立てて、その後始末する。
悪徳商会にはある事だと、護衛時代に聞いていたので、すぐ分かった。
だからこそ、間違いなくココに配置されたのだろう。
『ラッセルさん、ご無事ですか?』
ほぼ口を動かさない喋り方🟰隠形の1つ
ラッセルさんの瞼が、2回動いた(ラッセルさんも隠形を知っているようだ。)
倒れたままのラッセルさんの答えは。
いいえ。
彼らの動きを待つ訳にはいかない。
決断は早かった。
その夜、彼を連れて逃げる事にした。
外はダメだ。
隠れる場所はない。
ならば方法は1つだ。
地下へ。
地下の下水は複雑な道が続く場所だ。
そこへと逃げ込めばチャンスはある。臭すぎて誰も近づかないからこそ、安全な逃げ道だ(現役時代の知恵の1つ)
奴らに酷い目に合わされたラッセルさんを担いで地下へと降りてゆく。
一緒の見張り、
廊下で会う人間、
台所にいたおばさん達、
全てを、一瞬で気絶させて地下へと。
(余計な敵を作らない為に関係の無い人々は、必ず無傷が護衛時代の常識なのだ。)
ラッセルさんの容態を気にしながら、方向を確認しつつ進むこと数時間。
そろそろ、地上に出て体制を立て直すかと、考えてたその時。
!!!
人が来た?!
こんな場所にいる人間なぞ、危ない人間にきまってる。実際、自分達も逃亡中なのだから。
片手でラッセルさんをそっと安全な場所に寝かせておく。
自分は前へ出て片手に剣を構える。静かに剣に覇気を纏わせて。ここは絶対に通さない。
ジリジリと近づく不審者に身構えていたら。。。
ええーーーーー!!!
なんで??
『えっ?なんでこんな所にいるんです??』
『それはこっちの台詞だよ。』
矢作様の声が響いた。
身構えた空気が一瞬で、霧散した。
不審者は…まさかの矢作様。
でも、ご無事で本当に良かった。
『ルフさん。とりあえずお風呂入ろう。相当臭いよ。』
本当にジルさんの言う通りだ。
やっぱり最強は矢作様だな。
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「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は幼馴染達よりも強いジョブを手に入れて無双する!」
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は魔王から力を授かり人類に対して牙を剥く‼︎」
幼馴染達と一緒に異世界召喚の第四弾。
愽は幼馴染達と離れた場所でサバイバル生活を送るというパラレルストーリー。
はたして愽は、無事に幼馴染達と再会を果たせるのだろうか?
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