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本編-1ヶ月前-

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たくさんの木々に囲まれながら、門の両端には護衛の像が並び立つ。

そこから見えるのは、歪にいくつもの屋根を持ち、しっかりと石で造られた立派なお城がそびえ立つ。

「ついたわね」

「はい。アマンダ様」

ようやくのことで、ライダ様の屋敷にたどり着いた。

ライダ様の婚約者である私の姿をみると、見張り人は快く敷地に通してくれた。

表では、何の問題もない関係なのだ。

私自身、妹からあんな話を聞くまではそこに疑問を持っていなかった。

けれども、ライダ様はそもそもが掴みづらい性格で何を考えているのかが不明な人だ。

そんな人と婚約するのは最初は勇気のあることだったが、それでも今では彼に好意を抱いている。

「おやおや、アマンダ様ではありませんか。どうぞ、ライダ様の元へ案内しますのでお入りください」

「こんにちは、サガンさん。よろしく頼むわね」

サガンさんは、ライダ様の第一の使用人であり、彼に関するお世話を全て担当している。

気難しいライダ様とは違い、誰にでも親切で融通のきく人だ。

ライダ様のいる部屋まで、サガンさんについていく。

この屋敷に来るのは、三度目だが、何度来ても慣れないほどに上品な内装であり、貴族であれど少し引いてしまうほどだ。

「ここです。どうぞ、アマンダ様」

「えぇ」

部屋の前まで行くと、ドアを開ける前にサガン様は身を引いてどこかへ去ってしまった。
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