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第二幕 あやかし兎の京都裏町、舞妓編 ~祇園に咲く真紅の紫陽花
23.あの日の夜も(1)
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「本当に美味しい~。幸せ~」
女子のような台詞は私ではありません。沖田さんです。春の新作の桃パフェを食べているうちに童心に返り、男性なのに可憐な少女になっています。どうやらデザートを食べると口調が変わるらしく。
「底はイチゴのわらび餅なんだ。こっちの桃のプリンも食べたい」
「沖田さんって、甘党なんですね」
「あ……すみません、取り乱しちゃって」
照れ臭そうに頭をかいて、頬を赤らめています。
「土方さんに、よく怒られます。『男児たるもの、女子のように甘い物に翻弄されるとは士道不覚悟!』って。そう言いながらも土方さん、いつもおはぎを食べてるんですよ。すっごい笑顔で」
裏町の新選組は、甘党が多いようです。
「それで、どうでしたか? 帳簿に二人の名前はあったのでしょうか」
「う~ん、それがね」
土御門屋には名簿記録がありまして、デジタルではなく、分厚い本で管理しています。もっと古いのもあるそうですが、私のお婆ちゃんの代から管理している名簿は土御門屋のスタッフ室の本棚にしまっていて、表と裏を行き来した本人が書く習わしです。直近では音兎ちゃんの名前が一番最後に記されています。
この名簿を確認して欲しいというのが沖田さんの要望でした。
一人は、幸恵さん。もう一人は、梅さん。
個人情報だから基本的には門外不出の記録なのですが、どうやらこの二人は沖田さんの身内らしいのです。
「二人の名前は、なかったの」
「そう……でしたか……裏町に来ていると、期待していたのですが」
沖田さんは語気を弱めて、スプーンを置いて、人形のように表情の色を消した横顔を見せました。土御門屋の窓の外に、じっと、視線を移しています。追加で注文した桃のプリンがテーブルに置かれても、気付かないまま。
「雨……ですね」
いつの間にか宵の色を深めて、斜めに線が打たれています。ぽつぽつと注ぐ小雨の雫に町の明かりが重なり、ガラス向こうの町の景色が滲みました。
「僕の実家は桂川の向こうで呉服屋をやっていたんです。御所からは離れていますから、ひっそりと。父と母、それから姉と四人で暮らしていましたが、別々に暮らすことになったんです。僕は父方の祖父母のもとへ、母と姉は母方の実家へ。父だけは京都に残って、呉服屋を続けようとしました」
離婚でしょうか。離別した理由が気になりますが、下手に私から追求できません。続きの言葉を待つしかありません。
「いつかみんなで、父のいる京都に戻るはずだったのです」
「じゃあ、心は通じていたんですね。どうして離れることになったんですか?」
愛が消滅したのではないと知って、安心しました。途端に、詮索してしまうのは遠慮がないとは思うものの、依頼内容と関係がある話なので、やっぱり知っておくべきだと自己弁護しておきます。
「……事情があったんです。ちょっと、外を散歩しながら話しませんか? 雨が降っていますけど、もし構わなかったら」
店内は今日も静かで、お客さんも少人数ですが、だからこそ他人の会話がよく聞こえます。誰かに聞かれるのを憂慮したのかも。
「こっちのシャーベットは、沖田さん、食べてからにします?」
「そうでした。すみません、僕が頼んでおきながら」
茶色のテーブルに載った半円のシャーベット。若葉を載せた桃色の表面は店内のオレンジ色の光に濡れて、寂しそうに溶け始めていました。
土御門屋を出ると、裏町の月見町の路地に月がよく映えていました。ここから見える月は欠けることがなく、いつも満月です。たとえ空は雨雲に覆われていても月だけは希望を失わずに夜を照らしてくれます。勿論、月見町を出れば雨雲に隠れてしまいますけど。
沖田さんに青い和傘を渡して、私は赤い和傘を広げました。
「少し歩くけど、あまり人が来ない場所があるの」
私は沖田さんを北へ導いて、八坂神社を過ぎて、四条通から細道を通って東祇園町へ向かいました。観亀稲荷神社の先に、きっとあの場所があるはずだから。裏町ではまだ訪れたことがないけれど、だからこそ誰もいないのではないかと。
――裏・ぎおん楽宴小路。
表とほとんど同じ景観でした。夜露で趣を増して、光る白と黄色の明かりの中に屋根付きの火の見櫓が凛々しく建っています。独り、濡れ女子の先客が木の長椅子に座っていましたが、私達に気が付くと、すっと立って、足元を濡らしながら奥の細道へと去っていきました。
「追い出しちゃいましたね」
去った彼女を視線で見送った後、沖田さんは火の見櫓の和室に刀と脇差を並べて正座しました。周囲の店は開いていたから、私は暖かい緑茶と大福を二つ、買ってきます。
「その日も、雨だったのを覚えています」
沖田さんは湯呑みの底に左手を添えて、緑の水面に想い出を浮かべました。
「二階建ての古い家屋で、一階で呉服を、二階は寝室になっていました。当時の僕は三歳くらいで断片的な記憶しかありませんが、あの夜のことだけはハッキリと覚えています。あの日、父と母、それから祖父母が口論していました。寝室には四つの布団を繋げて一緒に寝ていますが、喧嘩を聞きたくないと布団にくるまって耳を塞いでいるうちに、いつの間にか寝ていました。
『今から出るぞ』
暗がりで、目が覚めました。父の声です。母が布団で寝ていた僕を揺すって、起きるように促しています。
『梅、蘭丸。持っていきたい物があったら、自分達で持てる分だけを選びなさい』
父の神妙な面持ちに、僕は黙って従うしかありません。だけど、寝起きですし、持っていきたい物と急に言われても、直ぐには思い付かなくて、ブリキの玩具や庭に出している乗り物のショベルカー、姉とのままごとで使っていた小さな機織り機を思い浮かべましたが、それ以上に大切な物があったような気がして、でも、思い出せなかったんです。結局、僕は何も持ち出さないままに家から出ることになりました。
僕は父の車の後部座席に乗って、姉が隣に座りました。全員が黙っていて、静まる闇に微かに揺れる家屋の明かりが、死んだ人の魂のようにちらちらと流れていくのが怖くて、泣きそうになりました。
姉が手を握ってくれます。僕はまた、そこで眠ってしまいました。
再び目を覚ましたら、僕は独りでした。
雨で滲む窓ガラスに、光が丸く映っています。どうやら車の外で話をしているようでした。
『蘭丸、起きな』
ドアが開いて、姉が声を掛けてきました。外は雨で、姉は髪も、頬までも濡らしていました。
『姉ちゃん、しばらく蘭丸と遊んでやれなくなった』
『……どうして?』
何とか絞り出した声に、姉は黙って、僕をぎゅっと抱きしめたんです。
『このまま一緒にいたら、危ないってさ。別々に暮らさなきゃ、いけないんだってさ。父さんは店を守るためにここに残るって。蘭丸は男の子だけど、アンタ、泣き虫だから、姉ちゃん、ちょっと心配なんだけど』
姉は僕に、鞘に入ったままの短刀を渡してくれました。
『これ、忘れちゃダメだ。自分の身に危険が迫ったら、それで戦いな』
『ねえちゃんと、ママは?』
『母さんの故郷へ行くよ。母さんは姉ちゃんが守る。だから蘭丸、もっと強くなりな』
姉は僕から腕を離して、ぐいっと、自分の頬を拭いました。
『もう、行かないと……蘭丸、好きだよ、大好きだ。また、一緒に遊ぼう。きっと、また会えるから』
その晩、最後に覚えているのは、震える声と、ドアを開けたまま去る姉の後ろ姿です。幼かった僕は、呆然と見ていることしかできなかったんです」
沖田さんは一通り話し終えると、ずっと持ったままの湯呑みに口を付けました。懐に手やって、薄茶色の綺麗な鞘を取り出します。
「備前長船、兼光作の短刀。あの夜、姉が僕に渡してくれた、代々伝わる名刀の一つです」
すらりと抜くと、力強い刀の背に焔が宿っています。
祇園東の雨音は変わらず、夜の静けさに濡れていました。
話の区切りがついたようですが、どうにも続きが気になって仕方ありません。これは邪推ではなくて、彼の物語がハッピーエンドを迎えていないことを知っているからです。沖田さんは今も、母と姉を探し続けています。幸せな帰結を迎えて欲しいと、そのためにはできる限りの情報が欲しいと、今度は強い納得を得ました。
沖田さんは一度は抜いた刀を再び鞘にしまうと、私を見つめました。私を見ているというより、その向こうにいる、遠くの誰かに思いを馳せているような表情です。
「……不思議ですよね。こんな話、誰にもしたことがなかったんです。相談だって、誰にもしてこなかった。なのに薫さんには話をしたくなったんです。母がアヤカシであることと、関係しているのかもしれません」
「お母さんが、アヤカシ?」
「僕も最近まで、知らなかったんですけどね」
女子のような台詞は私ではありません。沖田さんです。春の新作の桃パフェを食べているうちに童心に返り、男性なのに可憐な少女になっています。どうやらデザートを食べると口調が変わるらしく。
「底はイチゴのわらび餅なんだ。こっちの桃のプリンも食べたい」
「沖田さんって、甘党なんですね」
「あ……すみません、取り乱しちゃって」
照れ臭そうに頭をかいて、頬を赤らめています。
「土方さんに、よく怒られます。『男児たるもの、女子のように甘い物に翻弄されるとは士道不覚悟!』って。そう言いながらも土方さん、いつもおはぎを食べてるんですよ。すっごい笑顔で」
裏町の新選組は、甘党が多いようです。
「それで、どうでしたか? 帳簿に二人の名前はあったのでしょうか」
「う~ん、それがね」
土御門屋には名簿記録がありまして、デジタルではなく、分厚い本で管理しています。もっと古いのもあるそうですが、私のお婆ちゃんの代から管理している名簿は土御門屋のスタッフ室の本棚にしまっていて、表と裏を行き来した本人が書く習わしです。直近では音兎ちゃんの名前が一番最後に記されています。
この名簿を確認して欲しいというのが沖田さんの要望でした。
一人は、幸恵さん。もう一人は、梅さん。
個人情報だから基本的には門外不出の記録なのですが、どうやらこの二人は沖田さんの身内らしいのです。
「二人の名前は、なかったの」
「そう……でしたか……裏町に来ていると、期待していたのですが」
沖田さんは語気を弱めて、スプーンを置いて、人形のように表情の色を消した横顔を見せました。土御門屋の窓の外に、じっと、視線を移しています。追加で注文した桃のプリンがテーブルに置かれても、気付かないまま。
「雨……ですね」
いつの間にか宵の色を深めて、斜めに線が打たれています。ぽつぽつと注ぐ小雨の雫に町の明かりが重なり、ガラス向こうの町の景色が滲みました。
「僕の実家は桂川の向こうで呉服屋をやっていたんです。御所からは離れていますから、ひっそりと。父と母、それから姉と四人で暮らしていましたが、別々に暮らすことになったんです。僕は父方の祖父母のもとへ、母と姉は母方の実家へ。父だけは京都に残って、呉服屋を続けようとしました」
離婚でしょうか。離別した理由が気になりますが、下手に私から追求できません。続きの言葉を待つしかありません。
「いつかみんなで、父のいる京都に戻るはずだったのです」
「じゃあ、心は通じていたんですね。どうして離れることになったんですか?」
愛が消滅したのではないと知って、安心しました。途端に、詮索してしまうのは遠慮がないとは思うものの、依頼内容と関係がある話なので、やっぱり知っておくべきだと自己弁護しておきます。
「……事情があったんです。ちょっと、外を散歩しながら話しませんか? 雨が降っていますけど、もし構わなかったら」
店内は今日も静かで、お客さんも少人数ですが、だからこそ他人の会話がよく聞こえます。誰かに聞かれるのを憂慮したのかも。
「こっちのシャーベットは、沖田さん、食べてからにします?」
「そうでした。すみません、僕が頼んでおきながら」
茶色のテーブルに載った半円のシャーベット。若葉を載せた桃色の表面は店内のオレンジ色の光に濡れて、寂しそうに溶け始めていました。
土御門屋を出ると、裏町の月見町の路地に月がよく映えていました。ここから見える月は欠けることがなく、いつも満月です。たとえ空は雨雲に覆われていても月だけは希望を失わずに夜を照らしてくれます。勿論、月見町を出れば雨雲に隠れてしまいますけど。
沖田さんに青い和傘を渡して、私は赤い和傘を広げました。
「少し歩くけど、あまり人が来ない場所があるの」
私は沖田さんを北へ導いて、八坂神社を過ぎて、四条通から細道を通って東祇園町へ向かいました。観亀稲荷神社の先に、きっとあの場所があるはずだから。裏町ではまだ訪れたことがないけれど、だからこそ誰もいないのではないかと。
――裏・ぎおん楽宴小路。
表とほとんど同じ景観でした。夜露で趣を増して、光る白と黄色の明かりの中に屋根付きの火の見櫓が凛々しく建っています。独り、濡れ女子の先客が木の長椅子に座っていましたが、私達に気が付くと、すっと立って、足元を濡らしながら奥の細道へと去っていきました。
「追い出しちゃいましたね」
去った彼女を視線で見送った後、沖田さんは火の見櫓の和室に刀と脇差を並べて正座しました。周囲の店は開いていたから、私は暖かい緑茶と大福を二つ、買ってきます。
「その日も、雨だったのを覚えています」
沖田さんは湯呑みの底に左手を添えて、緑の水面に想い出を浮かべました。
「二階建ての古い家屋で、一階で呉服を、二階は寝室になっていました。当時の僕は三歳くらいで断片的な記憶しかありませんが、あの夜のことだけはハッキリと覚えています。あの日、父と母、それから祖父母が口論していました。寝室には四つの布団を繋げて一緒に寝ていますが、喧嘩を聞きたくないと布団にくるまって耳を塞いでいるうちに、いつの間にか寝ていました。
『今から出るぞ』
暗がりで、目が覚めました。父の声です。母が布団で寝ていた僕を揺すって、起きるように促しています。
『梅、蘭丸。持っていきたい物があったら、自分達で持てる分だけを選びなさい』
父の神妙な面持ちに、僕は黙って従うしかありません。だけど、寝起きですし、持っていきたい物と急に言われても、直ぐには思い付かなくて、ブリキの玩具や庭に出している乗り物のショベルカー、姉とのままごとで使っていた小さな機織り機を思い浮かべましたが、それ以上に大切な物があったような気がして、でも、思い出せなかったんです。結局、僕は何も持ち出さないままに家から出ることになりました。
僕は父の車の後部座席に乗って、姉が隣に座りました。全員が黙っていて、静まる闇に微かに揺れる家屋の明かりが、死んだ人の魂のようにちらちらと流れていくのが怖くて、泣きそうになりました。
姉が手を握ってくれます。僕はまた、そこで眠ってしまいました。
再び目を覚ましたら、僕は独りでした。
雨で滲む窓ガラスに、光が丸く映っています。どうやら車の外で話をしているようでした。
『蘭丸、起きな』
ドアが開いて、姉が声を掛けてきました。外は雨で、姉は髪も、頬までも濡らしていました。
『姉ちゃん、しばらく蘭丸と遊んでやれなくなった』
『……どうして?』
何とか絞り出した声に、姉は黙って、僕をぎゅっと抱きしめたんです。
『このまま一緒にいたら、危ないってさ。別々に暮らさなきゃ、いけないんだってさ。父さんは店を守るためにここに残るって。蘭丸は男の子だけど、アンタ、泣き虫だから、姉ちゃん、ちょっと心配なんだけど』
姉は僕に、鞘に入ったままの短刀を渡してくれました。
『これ、忘れちゃダメだ。自分の身に危険が迫ったら、それで戦いな』
『ねえちゃんと、ママは?』
『母さんの故郷へ行くよ。母さんは姉ちゃんが守る。だから蘭丸、もっと強くなりな』
姉は僕から腕を離して、ぐいっと、自分の頬を拭いました。
『もう、行かないと……蘭丸、好きだよ、大好きだ。また、一緒に遊ぼう。きっと、また会えるから』
その晩、最後に覚えているのは、震える声と、ドアを開けたまま去る姉の後ろ姿です。幼かった僕は、呆然と見ていることしかできなかったんです」
沖田さんは一通り話し終えると、ずっと持ったままの湯呑みに口を付けました。懐に手やって、薄茶色の綺麗な鞘を取り出します。
「備前長船、兼光作の短刀。あの夜、姉が僕に渡してくれた、代々伝わる名刀の一つです」
すらりと抜くと、力強い刀の背に焔が宿っています。
祇園東の雨音は変わらず、夜の静けさに濡れていました。
話の区切りがついたようですが、どうにも続きが気になって仕方ありません。これは邪推ではなくて、彼の物語がハッピーエンドを迎えていないことを知っているからです。沖田さんは今も、母と姉を探し続けています。幸せな帰結を迎えて欲しいと、そのためにはできる限りの情報が欲しいと、今度は強い納得を得ました。
沖田さんは一度は抜いた刀を再び鞘にしまうと、私を見つめました。私を見ているというより、その向こうにいる、遠くの誰かに思いを馳せているような表情です。
「……不思議ですよね。こんな話、誰にもしたことがなかったんです。相談だって、誰にもしてこなかった。なのに薫さんには話をしたくなったんです。母がアヤカシであることと、関係しているのかもしれません」
「お母さんが、アヤカシ?」
「僕も最近まで、知らなかったんですけどね」
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