29 / 67
第二幕 あやかし兎の京都裏町、舞妓編 ~祇園に咲く真紅の紫陽花
10.アヤカシ刑事部・捜査第七課(1)
しおりを挟む
――アヤカシ刑事部、捜査第七課、東堂切目(とうどう・きりめ)。
男性刑事さんから、名詞を渡されました。
ここは表京都の警察本部。今回の騒動を担当してくれる刑事さんが「見せたいものがある」とハルを呼んだらしく、二人で訪問しました。アヤカシ刑事部なるものがあるのを初めて知って驚きです。名詞を渡してくれた方はアヤカシの百々目鬼、つまりは百目の一族だそうで、ハルとは昔からの友達みたい。片や陰陽師、片や警察組織に身を置いていますが、かつては二人で悪だくみなどを考えていたらしく、よく玄桃斎さんに成敗されなかったなぁと感心しつつも呆れます。
「ここに配属されているのは全員がアヤカシで、アヤカシ関連の事件は、全部こっちに回されてきます」
目には目を、の精神でしょうか。もしかしたら私も就職できたかも。
ハルは一連の騒動には裏からの圧力が絡んでいると睨んで、友人の切目さんに調査を依頼したそうです。こういうのは事件性がないと動いてくれないのが一般的ですが、アヤカシ事案に人間基準の事件性を立証するのは困難ですし、騒ぎが広がる前に珍事を沈静化させるのもアヤカシ課の勤めらしく。つまりは陰陽師と密接な関係があるのですが、陰陽師は人間の目線で裁定を下しますから、玄桃斎さんが動くような面倒な事案になる前に、アヤカシ課の裁量で整理しておこうと。
切目さんは百々目鬼なのに、顔にある目は二つだけ。平時は無数にある目を隠しているのだとハルから聞きました。クール系の外見で、流した黒髪に縁の黒い眼鏡を掛けて、灰色スーツに紺色のネクタイ、黒いベストの清潔な服装は仕事のできる男性オーラを放っていますが――こちらもハルからの事前情報ですが、見た目に騙されるな、とのこと。
どういう意味?
「そういや前に言ってた、猫の懐中時計は買えたんか?」
切目さんはオフィスの奥にあるエレベータのボタンを押すと、ハルと親しみのある口調で雑談していました。私はエレベータの到着を待っている間、アヤカシ課のオフィスを改めて観察しました。
提灯ばかりが飾ってある机に座って体を明滅させている髪の長い女性は、おそらく幽霊で、キーボードを叩く手を止めて缶コーヒーを飲み、「不倫調査って、刑事の仕事なん?」とボヤいています。隣の席は蜘蛛の糸だらけで、こっちは女郎蜘蛛でしょうか、「不倫の恨みを晴らすのは、アンタの十八番でしょ」と横やりを入れたら、「今度言ったら、部屋に化けて出てやる」と冗談交じりに凄み返していました。なるほど、幽霊は『お岩さん』でした。
また、トレンチコートを着たベテラン刑事さんもいます。こっちは『ミイラ男』かな? 「げ、充電持ってくるの忘れた。お~い、雷小僧!」とミイラの刑事さんが叫ぶと、金髪をパンクロック風に逆立てた若い男性が近寄って、「また俺すか? 加減がむずいんすよ」なんて言いながらスマホに手を添えて、バチバチっと稲妻が放たれると、ボムっとスマホが爆発しました。
ミイラ男先輩が苦情を申し立てている隣では、昼間から爆睡していたバクが爆発音に驚いて鼻提灯をパンっと割って、ガバッと飛び起きました。その拍子で、前の席にいる女キョンシーの黄色い札が外れて、本能のたかも外れてカッと牙を剥き出したら、「まだ全力を出す場面とちゃうやろ」と、ミイラ男先輩がキョンシーの札をパチンと、おでこに張り直しました。
喧騒の只中で、エレベータが静かに到着します。ぬおんと、地獄の入り口かのように楕円形に口が開いて、ここって、本当に表京都?
「こっから地下の部屋に行けまして」
エレベータのボタンは数字ではなく、行き先指定になっていました。切目さんが『奈落の底』と書かれたボタンを押すと、ヒュウウと落下します。随分と深くにまで潜っている重力を感じ、本当に地獄まで落ちるのかと不安になっていたら、徐々に減速。エレベーターはピタリと止まり、到着したのかと安心していたら――
今度は前に大きくガクッと揺れて、前進しました。かなりの速度らしく、風を裂く音がキーンと耳を塞ぎます。近未来チックに地下パイプでも通過しているのでしょうか、あまりの衝撃に私は腕を回しながら大きく仰け反って、エレベータの壁に背をぶつけそうになりながら、何とか手すりを後ろ手に掴みました。
「危ないから掴まれと言ったろ」
「言われてない!」
ハルがいつもの調子で言ってのけます。彼らは靴の裏に接着剤でも塗布しているのか、腕組みをしたまま微動だにしません。ええ、私はアヤカシですが、物理の常識には忠実なんです。それにヒールです。もう少し配慮して然るべきでは?
今度こそ目的地に着いたようで、扉がまた口のように左右に開くと、トンネルのように殺風景な廊下が突き抜けていました。青緑色の蛍光灯が薄暗く照らしています。廊下の左右には扉が幾つもあって、廊下の突き当りは見通せません。どういう場所なのかと首を回しながら二人の後ろに付いていくと、千本通と書かれたプレートを見つけました。
千本通って……烏丸通から、こんな場所にまで地下が続いているの?
切目さんは灰色の『目眼目眼』と書かれた扉の前で立ち止まると、右腕の袖をまくりました。白い肌の腕に目がパチリと開いて、扉の横のパネルに腕をかざしたら緑色の横線がパネルに走り、ロックが解除されました。
部屋の内装は、闇組織の地下監視室、というネーミングがピッタリ。
真四角の広い部屋の正面に、映画館のような巨大スクリーンが置かれています。スクリーンの手前には録音スタジオの設備みたいな横長の制御コンピュータと、黒い皮の椅子。部屋の脇にビリヤード台があって、ガラスの棚があります。どうやらお酒が入っているようですが、勤務中に飲んだりするのかな。
「このスクリーンは、京都中のカメラ映像とリンクしてまして――」
切目さんが説明してくれます。
「過去分も録画していて、例の舞妓さんが見出しをした当日の映像を見つけたんですよ」
これはビックリ。祇園東の路地ですから、メインストリートではないはず。そんな所にまで監視カメラが。
おそるべし、公共機関。
「該当するカメラが、よくあったな」
ハルが私の代わりに聞きました。
「公共のカメラだけでは監視としては物足りんから、個人的に設置を増やしとるんやけど、それで、当日の映像に気になる様子が……おや、これは何や?」
切目さんがスクリーンに向かって首をくいっと伸ばすと、右下を指差しました。ヒュっと指で投げる仕草をしたら、拡大されて、該当する一つの映像だけが大きく映されます。
「えっと……まさか」
定点カメラに女性が何人も映っています。しかも……なんと全員が着替え中。剥き出しの棚に籠があって、脱いだ服やら下着が入っています。
「ハル、ちょとこっちへ来てくれ」
切目さんが振り向かずに、手招きしました。
「……銭湯か? 意外だな、若い人が多い」
「和服に着替えるサービスもやっとるらしい。若い子らは観光客やろ」
「なんでこんな場所にカメラがあるの!?」
動揺と怒りが湧いてきます。監視のためとはいえ、これは完全なる覗き見なのでは。
「カメラと全部、リンクする仕組みなんですよ。ここのは誰かが盗撮目的で設置したらしく……まあ、これはこれで逆追跡で犯人を捕まえるとして、問題は、この黒の近くにある籠やな。なあ、ハル。どう思う?」
「どれのことを言っている? 黒猫のキーホルダーが入っているやつか? 確かレアだったな。俺も二千円使ったが、出なかった」
「それとちゃう。黒に花柄下着の女の足元にあるやつや。左側にある籠を見ろ」
「うん? 男物のトランクスが入っているな」
「そうや。どう思う?」
「変だな、ここは女湯だろう? まさか男が紛れ込んでいるのか?」
「それなら騒ぎになっとるやろ。全員が冷静に着替え続けてる。つまり、男はいない。それなのに、どうしてトランクスがある?」
「じゃあ、日常的に履いているのかもしれん」
「おいおい、どうして女の間でトランクスが流行しないのか、考えたことないんか?」
「そりゃあ、普通は履かないだろうさ、男用なんだから」
「女だからって全員が、一度も、トランクスを履いたことがないと思うか? 例えば彼氏の家に泊った時とか、ストックがなかった時とか、単なる好奇心とか、事情があって家で履いた経験くらいあったりするやろ。俺達が初めてトランクスを履いた日を思い出してみろ。どうしてトランクス派になったのか、履いた瞬間に感動したからや、あの解放感に」
「言われてみればそうだな。俺はボクサーパンツ派だが」
「ボクサーか、トランクスが二大政党やけどな、とにかく、履いてみた結果、俺らは快適だと判断した経緯がある。なのに女でトランクス派は聞いたことがない。つまり、履いたけど何か違ったんや。見た目が可愛くないとか、そういう問題もあるやろうけどな。そもそもフィットせんから定着せえへんねん。だから流行しないし、日常的に履いてる奴はまず、おらん。しかも公共の場でやぞ。なのに、どうして、ここにトランクスがある?」
「自分で言ったろ、事情があるんだよ。もしくは稀有な少数派か」
「可能性は否定できへんけどな、事実は複雑なようで単純だったりもするが……ホンマにこの中の誰かが履いてるんか? 事情があってのことやったら、恥ずかしくて籠の奥に隠すやろうし、非常に気になる案件や。このまま待っていれば持ち主が現れるやろうから、真相の究明のためには――」
「どーでもいいから、さっさと映像を切りなさいよ!」
ほんと、真顔で何の話をしているの、アホなんじゃない!?
男性刑事さんから、名詞を渡されました。
ここは表京都の警察本部。今回の騒動を担当してくれる刑事さんが「見せたいものがある」とハルを呼んだらしく、二人で訪問しました。アヤカシ刑事部なるものがあるのを初めて知って驚きです。名詞を渡してくれた方はアヤカシの百々目鬼、つまりは百目の一族だそうで、ハルとは昔からの友達みたい。片や陰陽師、片や警察組織に身を置いていますが、かつては二人で悪だくみなどを考えていたらしく、よく玄桃斎さんに成敗されなかったなぁと感心しつつも呆れます。
「ここに配属されているのは全員がアヤカシで、アヤカシ関連の事件は、全部こっちに回されてきます」
目には目を、の精神でしょうか。もしかしたら私も就職できたかも。
ハルは一連の騒動には裏からの圧力が絡んでいると睨んで、友人の切目さんに調査を依頼したそうです。こういうのは事件性がないと動いてくれないのが一般的ですが、アヤカシ事案に人間基準の事件性を立証するのは困難ですし、騒ぎが広がる前に珍事を沈静化させるのもアヤカシ課の勤めらしく。つまりは陰陽師と密接な関係があるのですが、陰陽師は人間の目線で裁定を下しますから、玄桃斎さんが動くような面倒な事案になる前に、アヤカシ課の裁量で整理しておこうと。
切目さんは百々目鬼なのに、顔にある目は二つだけ。平時は無数にある目を隠しているのだとハルから聞きました。クール系の外見で、流した黒髪に縁の黒い眼鏡を掛けて、灰色スーツに紺色のネクタイ、黒いベストの清潔な服装は仕事のできる男性オーラを放っていますが――こちらもハルからの事前情報ですが、見た目に騙されるな、とのこと。
どういう意味?
「そういや前に言ってた、猫の懐中時計は買えたんか?」
切目さんはオフィスの奥にあるエレベータのボタンを押すと、ハルと親しみのある口調で雑談していました。私はエレベータの到着を待っている間、アヤカシ課のオフィスを改めて観察しました。
提灯ばかりが飾ってある机に座って体を明滅させている髪の長い女性は、おそらく幽霊で、キーボードを叩く手を止めて缶コーヒーを飲み、「不倫調査って、刑事の仕事なん?」とボヤいています。隣の席は蜘蛛の糸だらけで、こっちは女郎蜘蛛でしょうか、「不倫の恨みを晴らすのは、アンタの十八番でしょ」と横やりを入れたら、「今度言ったら、部屋に化けて出てやる」と冗談交じりに凄み返していました。なるほど、幽霊は『お岩さん』でした。
また、トレンチコートを着たベテラン刑事さんもいます。こっちは『ミイラ男』かな? 「げ、充電持ってくるの忘れた。お~い、雷小僧!」とミイラの刑事さんが叫ぶと、金髪をパンクロック風に逆立てた若い男性が近寄って、「また俺すか? 加減がむずいんすよ」なんて言いながらスマホに手を添えて、バチバチっと稲妻が放たれると、ボムっとスマホが爆発しました。
ミイラ男先輩が苦情を申し立てている隣では、昼間から爆睡していたバクが爆発音に驚いて鼻提灯をパンっと割って、ガバッと飛び起きました。その拍子で、前の席にいる女キョンシーの黄色い札が外れて、本能のたかも外れてカッと牙を剥き出したら、「まだ全力を出す場面とちゃうやろ」と、ミイラ男先輩がキョンシーの札をパチンと、おでこに張り直しました。
喧騒の只中で、エレベータが静かに到着します。ぬおんと、地獄の入り口かのように楕円形に口が開いて、ここって、本当に表京都?
「こっから地下の部屋に行けまして」
エレベータのボタンは数字ではなく、行き先指定になっていました。切目さんが『奈落の底』と書かれたボタンを押すと、ヒュウウと落下します。随分と深くにまで潜っている重力を感じ、本当に地獄まで落ちるのかと不安になっていたら、徐々に減速。エレベーターはピタリと止まり、到着したのかと安心していたら――
今度は前に大きくガクッと揺れて、前進しました。かなりの速度らしく、風を裂く音がキーンと耳を塞ぎます。近未来チックに地下パイプでも通過しているのでしょうか、あまりの衝撃に私は腕を回しながら大きく仰け反って、エレベータの壁に背をぶつけそうになりながら、何とか手すりを後ろ手に掴みました。
「危ないから掴まれと言ったろ」
「言われてない!」
ハルがいつもの調子で言ってのけます。彼らは靴の裏に接着剤でも塗布しているのか、腕組みをしたまま微動だにしません。ええ、私はアヤカシですが、物理の常識には忠実なんです。それにヒールです。もう少し配慮して然るべきでは?
今度こそ目的地に着いたようで、扉がまた口のように左右に開くと、トンネルのように殺風景な廊下が突き抜けていました。青緑色の蛍光灯が薄暗く照らしています。廊下の左右には扉が幾つもあって、廊下の突き当りは見通せません。どういう場所なのかと首を回しながら二人の後ろに付いていくと、千本通と書かれたプレートを見つけました。
千本通って……烏丸通から、こんな場所にまで地下が続いているの?
切目さんは灰色の『目眼目眼』と書かれた扉の前で立ち止まると、右腕の袖をまくりました。白い肌の腕に目がパチリと開いて、扉の横のパネルに腕をかざしたら緑色の横線がパネルに走り、ロックが解除されました。
部屋の内装は、闇組織の地下監視室、というネーミングがピッタリ。
真四角の広い部屋の正面に、映画館のような巨大スクリーンが置かれています。スクリーンの手前には録音スタジオの設備みたいな横長の制御コンピュータと、黒い皮の椅子。部屋の脇にビリヤード台があって、ガラスの棚があります。どうやらお酒が入っているようですが、勤務中に飲んだりするのかな。
「このスクリーンは、京都中のカメラ映像とリンクしてまして――」
切目さんが説明してくれます。
「過去分も録画していて、例の舞妓さんが見出しをした当日の映像を見つけたんですよ」
これはビックリ。祇園東の路地ですから、メインストリートではないはず。そんな所にまで監視カメラが。
おそるべし、公共機関。
「該当するカメラが、よくあったな」
ハルが私の代わりに聞きました。
「公共のカメラだけでは監視としては物足りんから、個人的に設置を増やしとるんやけど、それで、当日の映像に気になる様子が……おや、これは何や?」
切目さんがスクリーンに向かって首をくいっと伸ばすと、右下を指差しました。ヒュっと指で投げる仕草をしたら、拡大されて、該当する一つの映像だけが大きく映されます。
「えっと……まさか」
定点カメラに女性が何人も映っています。しかも……なんと全員が着替え中。剥き出しの棚に籠があって、脱いだ服やら下着が入っています。
「ハル、ちょとこっちへ来てくれ」
切目さんが振り向かずに、手招きしました。
「……銭湯か? 意外だな、若い人が多い」
「和服に着替えるサービスもやっとるらしい。若い子らは観光客やろ」
「なんでこんな場所にカメラがあるの!?」
動揺と怒りが湧いてきます。監視のためとはいえ、これは完全なる覗き見なのでは。
「カメラと全部、リンクする仕組みなんですよ。ここのは誰かが盗撮目的で設置したらしく……まあ、これはこれで逆追跡で犯人を捕まえるとして、問題は、この黒の近くにある籠やな。なあ、ハル。どう思う?」
「どれのことを言っている? 黒猫のキーホルダーが入っているやつか? 確かレアだったな。俺も二千円使ったが、出なかった」
「それとちゃう。黒に花柄下着の女の足元にあるやつや。左側にある籠を見ろ」
「うん? 男物のトランクスが入っているな」
「そうや。どう思う?」
「変だな、ここは女湯だろう? まさか男が紛れ込んでいるのか?」
「それなら騒ぎになっとるやろ。全員が冷静に着替え続けてる。つまり、男はいない。それなのに、どうしてトランクスがある?」
「じゃあ、日常的に履いているのかもしれん」
「おいおい、どうして女の間でトランクスが流行しないのか、考えたことないんか?」
「そりゃあ、普通は履かないだろうさ、男用なんだから」
「女だからって全員が、一度も、トランクスを履いたことがないと思うか? 例えば彼氏の家に泊った時とか、ストックがなかった時とか、単なる好奇心とか、事情があって家で履いた経験くらいあったりするやろ。俺達が初めてトランクスを履いた日を思い出してみろ。どうしてトランクス派になったのか、履いた瞬間に感動したからや、あの解放感に」
「言われてみればそうだな。俺はボクサーパンツ派だが」
「ボクサーか、トランクスが二大政党やけどな、とにかく、履いてみた結果、俺らは快適だと判断した経緯がある。なのに女でトランクス派は聞いたことがない。つまり、履いたけど何か違ったんや。見た目が可愛くないとか、そういう問題もあるやろうけどな。そもそもフィットせんから定着せえへんねん。だから流行しないし、日常的に履いてる奴はまず、おらん。しかも公共の場でやぞ。なのに、どうして、ここにトランクスがある?」
「自分で言ったろ、事情があるんだよ。もしくは稀有な少数派か」
「可能性は否定できへんけどな、事実は複雑なようで単純だったりもするが……ホンマにこの中の誰かが履いてるんか? 事情があってのことやったら、恥ずかしくて籠の奥に隠すやろうし、非常に気になる案件や。このまま待っていれば持ち主が現れるやろうから、真相の究明のためには――」
「どーでもいいから、さっさと映像を切りなさいよ!」
ほんと、真顔で何の話をしているの、アホなんじゃない!?
0
お気に入りに追加
236
あなたにおすすめの小説
【完結】いてもいなくてもいい妻のようですので 妻の座を返上いたします!
ユユ
恋愛
夫とは卒業と同時に婚姻、
1年以内に妊娠そして出産。
跡継ぎを産んで女主人以上の
役割を果たしていたし、
円満だと思っていた。
夫の本音を聞くまでは。
そして息子が他人に思えた。
いてもいなくてもいい存在?萎んだ花?
分かりました。どうぞ若い妻をお迎えください。
* 作り話です
* 完結保証付き
* 暇つぶしにどうぞ
七年間の婚約は今日で終わりを迎えます
hana
恋愛
公爵令嬢エミリアが十歳の時、第三王子であるロイとの婚約が決まった。しかし婚約者としての生活に、エミリアは不満を覚える毎日を過ごしていた。そんな折、エミリアは夜会にて王子から婚約破棄を宣言される。
【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜
なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」
静寂をかき消す、衛兵の報告。
瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。
コリウス王国の国王––レオン・コリウス。
彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。
「構わん」……と。
周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。
これは……彼が望んだ結末であるからだ。
しかし彼は知らない。
この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。
王妃セレリナ。
彼女に消えて欲しかったのは……
いったい誰か?
◇◇◇
序盤はシリアスです。
楽しんでいただけるとうれしいです。
6年後に戦地から帰ってきた夫が連れてきたのは妻という女だった
白雲八鈴
恋愛
私はウォルス侯爵家に15歳の時に嫁ぎ婚姻後、直ぐに夫は魔王討伐隊に出兵しました。6年後、戦地から夫が帰って来ました、妻という女を連れて。
もういいですか。私はただ好きな物を作って生きていいですか。この国になんて出ていってやる。
ただ、皆に喜ばれる物を作って生きたいと願う女性がその才能に目を付けられ周りに翻弄されていく。彼女は自由に物を作れる道を歩むことが出来るのでしょうか。
番外編
謎の少女強襲編
彼女が作り出した物は意外な形で人々を苦しめていた事を知り、彼女は再び帝国の地を踏むこととなる。
私が成した事への清算に行きましょう。
炎国への旅路編
望んでいた炎国への旅行に行く事が出来ない日々を送っていたが、色々な人々の手を借りながら炎国のにたどり着くも、そこにも帝国の影が・・・。
え?なんで私に誰も教えてくれなかったの?そこ大事ー!
*本編は完結済みです。
*誤字脱字は程々にあります。
*なろう様にも投稿させていただいております。
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
離婚する両親のどちらと暮らすか……娘が選んだのは夫の方だった。
しゃーりん
恋愛
夫の愛人に子供ができた。夫は私と離婚して愛人と再婚したいという。
私たち夫婦には娘が1人。
愛人との再婚に娘は邪魔になるかもしれないと思い、自分と一緒に連れ出すつもりだった。
だけど娘が選んだのは夫の方だった。
失意のまま実家に戻り、再婚した私が数年後に耳にしたのは、娘が冷遇されているのではないかという話。
事実ならば娘を引き取りたいと思い、元夫の家を訪れた。
再び娘が選ぶのは父か母か?というお話です。
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。