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3話 嵐の前
しおりを挟む自室に篭り書庫から借りてきた本を読み進める。
ミアみたいに学校に行く事が許されない私なりの勉強方法だ。それが終わると自分の好きな本を読者する。
母の遺品の書物、料理のレシピや美しい細工の雑誌、そしておとぎめいた物語に胸を馳せながらページをめくる。
この時間だけが一息がつける私のわずか幸せな時間だ。
週末の夜、ミアはメイドに化粧や髪を手伝わせるとその出来に満足し、馬車に乗っていつも通り社交界に出発した。
今日のドレスは真紅のバラみたいでそれは彼女にとても似合っていた。金色に輝く長い巻き髪に留めた髪留めは鮮やかな緑色でまるで真紅のバラそのものだった。
そうして日付が変わる前に帰って来ると翌日彼女は
朝食の席で彼女は私を引き留めた。
いつものように固くなったパンを朝食に食べて
トレーを広間にいるメイドに返すとミアが
「相変わらずお姉様は食べ終わるのが早いわね」
といつものようになじられるかと思えば彼女は珍しい事を口にした。
「ねえ、たまにはお姉様も椅子にお座りになって」
そう言われ私は何を言われるのだろう。
まさか日頃思っている恨み言を聞かされるのかとたじろいだ。
さらに彼女の側にいるのは眉間にシワを寄せているのはお義母様だ。
無言で椅子に座り妹の話を待つと、彼女はいきなり私に質問をしてきた。
「お姉様は悪魔や幽霊を信じる?」
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