鳥籠令嬢は伯爵魔法使いに溺愛される

麻麻(あさあさ)

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2話 忘れられ嬢ルナとエヴァンズ家のミア

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私、ルナ・シャーロット・エヴァンズは齢17にしてエヴァンズ家の長女にあたるが他の伯爵家にエヴァンズ家にミア・グレース・エヴァンズの他に娘がいた事は知らない。


10年ほど前、お父様が納めているこの南の領地は今よりも美しく風格があった。

昔からある厳格な雰囲気の教会、小さくも綺麗な建物が連なる商店。美しく管理された公園は他の領地に比べて地味で珍しいものは少ないものの、静かで皆に愛された領地でみな、穏やかに過ごしていた。

しかし、お母様が亡くなり後からお父様が迎えてきた女性を妻に迎えた途端、我が領土はすっかり錆びれてゆく一方だった。

私の格好も比例するように、ドレスのほとんどはミアに貰われていって、代わりに着ているのは辞めて行ったメイドのドレスなどがほとんどだ。
長い亜麻色の髪の先は傷んでいるのかちぢれたようになっているため、髪は後ろで一つに結びバレッタで留めている。


私が街に出る事は少ないが、ミアは頻繁に社交界に出ては隣の領地には素晴らしい物があるのに!と悔しそうに溢すとその母は
「ミアには美しいから絶対良い伯爵様に見そめられるわよ」

結婚するまでの我慢よ

と宥めてもらい、一部始終を見ていた父がため息をするまでがワンセットの光景を私は知っている。

お義母様の事だ。
お父様は若くて美しい彼女に嫌われたくないのだろう。
ましてや前妻の娘がいる事に負い目を感じてか私の事は見て見ぬふりをしている。
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