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12話 先生と新人賞
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「きゃー!先生かわいい」
お久しぶりです♡と手を振りながら近づいて来る編集さんは久しぶりに実際に会うと更に明るく感じてしまう。
彼女は私を大絶賛するが前に会った時よりメイクも髪も少しだけ変わっているせいか彼女の方が眩しい。
「ありがとうございました。橋本さんも髪型、前より変わってる」
編集の橋本さんは長いウェーブ のかかった淡い髪色が印象的だった。
しかし今はそれを肩まで大胆にカットして毛先だけ巻いている。
「いやあ、私ロングしか似合わないって思っていたんですけど失恋しちゃって~」
ケラケラ笑いながら話す彼女に
「ええ!?」
と驚きの声を挙げる。
「いやあ、相手が悪かったから悲しいとかじゃないんですけど」
仕事なんか辞めちまえって言う奴だったし
「んで、久々に美容師の友達に私男にナメられてんのかなって相談したらその子が、アンタ男ウケする服や髪型好きだもんねって言われて。
その通りなんですけどね。でも外見と中身は別物ですよ」
あっけらと話す彼女は強い。
「編集ナメんなって愚痴ってたらその子が超安くするから一回肩まで切ってみないって言われて最初は抵抗あったんですけどアンタ好みに仕上げるからって言われてこんな感じにしてもらったんですよ」
「まあ、あの後すぐ彼氏出来たし。元カレと今カレ全然違うし、イメチェン最高ですよね!」
と経緯を一気に話す彼女はエネルギッシュだ。
なんだかんだで彼女は今の彼氏さんと上手くやってるみたいだ。
「そんな事より」
橋本さんはまた話題を変えようとする。
「先生の新作の予約、今すごい事になってるんですよ!ああ、これを先に言うつもりだったのに」
と彼女はシュンとして
「営業の人からも聞いたんですけど、予約が『アクデキ』の次に多くなってるって聞きました」
本当ですよと彼女は念押しし、その話題でさっきまでイラストレーターさん達とも話していたらしい。
突然の吉報に感無量になってしまう。
(私、運が今全部仕事に傾いたのかな?)
と思わざる終えない。
その後は橋本さんと一緒に初めて表紙を担当してもらうイラストレーターさんと初対面しお互いに発売が楽しみですねと立食パーティを楽しんだ。
一定の時間が過ぎ受賞式が始まる。
ステージにスポットライトが指し、作家にトロフィーが配られるのを拍手を贈る。
彼らはこれからはライバルだ。
(私も気を引き締めよう)
そう決意して受賞式は終わりまた、立食パーティーに戻る。
「先生名刺は持って来ましたか?」と橋本さんに聞かれ
「もちろんです。ちょっと他の方の方達に名刺配ってきます」
と答え彼女と別れ自分の宣伝をする。
名刺を配って仕事を増やす。
実際に人に名刺を渡したどれかが次の仕事に繋がる。
一年目は橋本さんが私の代わりに相手に挨拶してくれてその後ろから私が名刺だけ渡していたが今の私は違う。
しかし、逆に話せても去り際が分からないと困るものである。
せっかく名刺を配ったのはいいが自分から名刺を渡して去るには感じが悪い。
結局、数枚しか名刺ははけないまま会場はビンゴゲームが始まった。
チリンチリン!
ビンゴが出る度に当たった人の歓声が聞こえベルが鳴り景品がゲームの勝者に渡されていく。
すぐ側のグループからも歓声があがる。
橋本さんだ。
きゃー!といつもの高いテンションで彼女はステージに上がり景品の最新ゲーム機を手にするとそれを持ちながらバンザイとポーズをする。
ある意味作家よりも目立っているが憎めないのが彼女だ。
しかし嬉しい事は続きようだ。
私もビンゴしてしまった。
ステージに上がり景品を手に取る。
なんと私が手にしたのはこのホテルの宿泊券だ。
ホテルのグループ店でも使えるらしくその金額は
今日食べたステーキがいくつかに値するものだ。
「すごーい!」
橋本さんが私以上に喜んでる。
しかし、その奥に見慣れた人影がいたような気がした。
次の瞬間人影は消えた。
ぼうっとしてしまったがステージを降りた。
「大丈夫ですか?さっき先生よろけるかなぁって心配でした」
実際、食べながら飲みながらだからたしかにゲームの参加者は酔っていたが私はまだ1杯しか飲んでいない。
名刺を配る為、勧められても酔い潰れる訳にはいかないので我慢していた。
「なんか知り合いに会った気がして」
「へえ?作家さんとかイラストレーターさんとかですかね」
漫画家さんの参加者も来てるから知り合いはいるかもですねと彼女に言われたがそうではないのだ。
私が探していて見かけた『その人』は従業員の制服のシルエットだった!
その時後ろから声が掛かった。
「お客様、何かお注ぎしましょうか」
お久しぶりです♡と手を振りながら近づいて来る編集さんは久しぶりに実際に会うと更に明るく感じてしまう。
彼女は私を大絶賛するが前に会った時よりメイクも髪も少しだけ変わっているせいか彼女の方が眩しい。
「ありがとうございました。橋本さんも髪型、前より変わってる」
編集の橋本さんは長いウェーブ のかかった淡い髪色が印象的だった。
しかし今はそれを肩まで大胆にカットして毛先だけ巻いている。
「いやあ、私ロングしか似合わないって思っていたんですけど失恋しちゃって~」
ケラケラ笑いながら話す彼女に
「ええ!?」
と驚きの声を挙げる。
「いやあ、相手が悪かったから悲しいとかじゃないんですけど」
仕事なんか辞めちまえって言う奴だったし
「んで、久々に美容師の友達に私男にナメられてんのかなって相談したらその子が、アンタ男ウケする服や髪型好きだもんねって言われて。
その通りなんですけどね。でも外見と中身は別物ですよ」
あっけらと話す彼女は強い。
「編集ナメんなって愚痴ってたらその子が超安くするから一回肩まで切ってみないって言われて最初は抵抗あったんですけどアンタ好みに仕上げるからって言われてこんな感じにしてもらったんですよ」
「まあ、あの後すぐ彼氏出来たし。元カレと今カレ全然違うし、イメチェン最高ですよね!」
と経緯を一気に話す彼女はエネルギッシュだ。
なんだかんだで彼女は今の彼氏さんと上手くやってるみたいだ。
「そんな事より」
橋本さんはまた話題を変えようとする。
「先生の新作の予約、今すごい事になってるんですよ!ああ、これを先に言うつもりだったのに」
と彼女はシュンとして
「営業の人からも聞いたんですけど、予約が『アクデキ』の次に多くなってるって聞きました」
本当ですよと彼女は念押しし、その話題でさっきまでイラストレーターさん達とも話していたらしい。
突然の吉報に感無量になってしまう。
(私、運が今全部仕事に傾いたのかな?)
と思わざる終えない。
その後は橋本さんと一緒に初めて表紙を担当してもらうイラストレーターさんと初対面しお互いに発売が楽しみですねと立食パーティを楽しんだ。
一定の時間が過ぎ受賞式が始まる。
ステージにスポットライトが指し、作家にトロフィーが配られるのを拍手を贈る。
彼らはこれからはライバルだ。
(私も気を引き締めよう)
そう決意して受賞式は終わりまた、立食パーティーに戻る。
「先生名刺は持って来ましたか?」と橋本さんに聞かれ
「もちろんです。ちょっと他の方の方達に名刺配ってきます」
と答え彼女と別れ自分の宣伝をする。
名刺を配って仕事を増やす。
実際に人に名刺を渡したどれかが次の仕事に繋がる。
一年目は橋本さんが私の代わりに相手に挨拶してくれてその後ろから私が名刺だけ渡していたが今の私は違う。
しかし、逆に話せても去り際が分からないと困るものである。
せっかく名刺を配ったのはいいが自分から名刺を渡して去るには感じが悪い。
結局、数枚しか名刺ははけないまま会場はビンゴゲームが始まった。
チリンチリン!
ビンゴが出る度に当たった人の歓声が聞こえベルが鳴り景品がゲームの勝者に渡されていく。
すぐ側のグループからも歓声があがる。
橋本さんだ。
きゃー!といつもの高いテンションで彼女はステージに上がり景品の最新ゲーム機を手にするとそれを持ちながらバンザイとポーズをする。
ある意味作家よりも目立っているが憎めないのが彼女だ。
しかし嬉しい事は続きようだ。
私もビンゴしてしまった。
ステージに上がり景品を手に取る。
なんと私が手にしたのはこのホテルの宿泊券だ。
ホテルのグループ店でも使えるらしくその金額は
今日食べたステーキがいくつかに値するものだ。
「すごーい!」
橋本さんが私以上に喜んでる。
しかし、その奥に見慣れた人影がいたような気がした。
次の瞬間人影は消えた。
ぼうっとしてしまったがステージを降りた。
「大丈夫ですか?さっき先生よろけるかなぁって心配でした」
実際、食べながら飲みながらだからたしかにゲームの参加者は酔っていたが私はまだ1杯しか飲んでいない。
名刺を配る為、勧められても酔い潰れる訳にはいかないので我慢していた。
「なんか知り合いに会った気がして」
「へえ?作家さんとかイラストレーターさんとかですかね」
漫画家さんの参加者も来てるから知り合いはいるかもですねと彼女に言われたがそうではないのだ。
私が探していて見かけた『その人』は従業員の制服のシルエットだった!
その時後ろから声が掛かった。
「お客様、何かお注ぎしましょうか」
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