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2話 2話 先生、まずは片付けと洗濯です
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榊原くんとの出会いは姉からの紹介である。
正確には姉の彼氏さん紹介だが。
こう言ってしまうと男を紹介してもらったように聞こえるが正しくは姉が信頼して紹介された家事代行サービス会社のアルバイトが榊原くんなのだ。
榊原くんが来る前、私は彼氏にフラれ売れない兼業作家には変わりないが、腐り切っていた。
なんとか週に数回入ってるアルバイトをこなし新しい小説を書くために企画書を編集さんに送らなきゃいけないのにアイディアが湧かない。
ペンネーム 藤宮 カノン名義で主に少女向けの小説を書いて運良く賞を取って本を出版させてもらってるがヒット作はない。
このままでは編集さんに送っていた企画書も通らなくなって作家生命も危うい。
そんな中、姉は会社のブラックに耐えきれず会社を自主退職をした。
しばらくは貯金や失業保険をもらいながらのんびり生活するらしい。
ならばと思い時間のある姉にお願いして家事を手伝ってもらう事を交渉したのだが
「アンタ何よこれ、想像以上に洗濯溜め込んでるじゃない!」
と玄関先で激怒された。
当たり前ながら姉とは真逆で家事や掃除全般は苦手分野である。
「昔からアンタそうだったから覚悟はしてたけどこりゃ想像以上だわ」
そういいながら部屋のゴミをゴミ袋にポイポイ詰めながら姉の説教は続く。
「しょーがないじゃん、サナ姉とは違って私は家事下手だし、フラれたんだから落ち込むよ!」
と八つ当たりをする。
姉には彼氏がいる。私とは違って2人は上手くいっているらしい。
前に少し聞いたが姉の彼氏さんは会社を経営しているすごい人だ。
八つ当たりの言葉に姉は眉を少し上げたが、そこは姉の度量というか言い返す事はしないでくれた。
「分かった。アンタを責めない」
縮こまった私の頭にポンと手を当ててくれる。
「そのかわり!」
急に姉が声を上げたので驚いた。
「私が家事全般をするのは再就職するまで。その後はそうね、ハルくんの会社に頼んで仕事として家事をしてもらうようにするから」
姉はそう宣言した。たしかに姉と彼氏のハルトさんが付き合いはじめに『彼は会社は家事の代行サービスをしてるの』と自慢していたのを言っていた気がした。
「他人にこの部屋見せるなんて無理!」
と姉に抗議するが
「だったら私はいいのかしら」と言われ見事論破された。
「とりあえず身内だから私はお金は取らないけどハルくんの会社に頼むならそれなりに代金かかるから貯金しとくのよ」
そういった姉は毎週一回様子を見に来ては文句を言いながらゴミ捨てから掃除洗濯、料理ゴミ出し全てをしてくれた。
数ヶ月後は彼の会社に転職する事になり代わりに榊原くんが私の部屋に仕事で来る事になったのである。
姉にコネがあっていいよなと思った反面、なぜよりにもよって男性を派遣させたのか聞いたがハルトさんの会社も一手不足らしい。
「アンタの部屋一回で片付けるの体力いるのよ」
という流れで大学生バイトの榊原くんが私の部屋の担当になったらしい。
「はじめまして。本日から担当させて頂きます榊原です」と清潔感のある私服を着た彼を見た時には驚いた。
「藤宮です。一応兼業作家です」
と言うと
「え?プロの作家さんなんですか?俺、そういう人に会うの初めてでめっちゃ緊張する!」
と初めて年齢相応に見えた彼に少し嬉しさを感じ緊張が解けた。
「プロっていっても他に本屋とかでバイトしてるから緊張しなくて大丈夫だよ」
「そうなんですね。ああ、でも散らかってる方がなんか作家の部屋って感じしますよね」
悪気なく言われ落ち込むと榊原くんに「いい意味で言ったんです」とフォローされた。
それから、榊原くんはサナ姉見たいに床のゴミを捨て、掃除を完璧にしてくれた。
「すごい!」
賃貸なのでワックスはかけれないものの床はピカピカだ。
「研修しっかり受けてきましたから!」
と彼は自信満々に応えると
「じゃあ、あとコレはどうしましょうか?」
と一箇所にまとめた洗濯物を指差す。
そこには洗濯ネットからはみ出したブラや下着が見えていた。
恥ずい!!
「自分でやるから!」
ネットを自分の後ろに隠して彼に言うが
「俺の仕事ですよ。一回じゃ回らないし、下着くらい俺は姉にこき使われていたから、これくらいなんて事ないです」
と彼は飄々と言う。
(そういう事じゃないと思うんだけど)
と動揺していると
「早く回さないと着替えなくなっちゃいますよ」
と洗濯ネットは奪われた。
「悔しかったら毎回風呂に入る時手洗いとかしてください。その方が下着にも本当はいいんです」
と榊原くんが洗濯に熱く語るのに耐えきれず
「分かりました。ネットごと洗濯機にぶち込んでください!!」と猛抗議の末私の下着は全部綺麗に洗濯された。
ある意味羞恥プレイだ。
穴があったら入りたい。
榊原くんの初出勤はそんな感じだった。
正確には姉の彼氏さん紹介だが。
こう言ってしまうと男を紹介してもらったように聞こえるが正しくは姉が信頼して紹介された家事代行サービス会社のアルバイトが榊原くんなのだ。
榊原くんが来る前、私は彼氏にフラれ売れない兼業作家には変わりないが、腐り切っていた。
なんとか週に数回入ってるアルバイトをこなし新しい小説を書くために企画書を編集さんに送らなきゃいけないのにアイディアが湧かない。
ペンネーム 藤宮 カノン名義で主に少女向けの小説を書いて運良く賞を取って本を出版させてもらってるがヒット作はない。
このままでは編集さんに送っていた企画書も通らなくなって作家生命も危うい。
そんな中、姉は会社のブラックに耐えきれず会社を自主退職をした。
しばらくは貯金や失業保険をもらいながらのんびり生活するらしい。
ならばと思い時間のある姉にお願いして家事を手伝ってもらう事を交渉したのだが
「アンタ何よこれ、想像以上に洗濯溜め込んでるじゃない!」
と玄関先で激怒された。
当たり前ながら姉とは真逆で家事や掃除全般は苦手分野である。
「昔からアンタそうだったから覚悟はしてたけどこりゃ想像以上だわ」
そういいながら部屋のゴミをゴミ袋にポイポイ詰めながら姉の説教は続く。
「しょーがないじゃん、サナ姉とは違って私は家事下手だし、フラれたんだから落ち込むよ!」
と八つ当たりをする。
姉には彼氏がいる。私とは違って2人は上手くいっているらしい。
前に少し聞いたが姉の彼氏さんは会社を経営しているすごい人だ。
八つ当たりの言葉に姉は眉を少し上げたが、そこは姉の度量というか言い返す事はしないでくれた。
「分かった。アンタを責めない」
縮こまった私の頭にポンと手を当ててくれる。
「そのかわり!」
急に姉が声を上げたので驚いた。
「私が家事全般をするのは再就職するまで。その後はそうね、ハルくんの会社に頼んで仕事として家事をしてもらうようにするから」
姉はそう宣言した。たしかに姉と彼氏のハルトさんが付き合いはじめに『彼は会社は家事の代行サービスをしてるの』と自慢していたのを言っていた気がした。
「他人にこの部屋見せるなんて無理!」
と姉に抗議するが
「だったら私はいいのかしら」と言われ見事論破された。
「とりあえず身内だから私はお金は取らないけどハルくんの会社に頼むならそれなりに代金かかるから貯金しとくのよ」
そういった姉は毎週一回様子を見に来ては文句を言いながらゴミ捨てから掃除洗濯、料理ゴミ出し全てをしてくれた。
数ヶ月後は彼の会社に転職する事になり代わりに榊原くんが私の部屋に仕事で来る事になったのである。
姉にコネがあっていいよなと思った反面、なぜよりにもよって男性を派遣させたのか聞いたがハルトさんの会社も一手不足らしい。
「アンタの部屋一回で片付けるの体力いるのよ」
という流れで大学生バイトの榊原くんが私の部屋の担当になったらしい。
「はじめまして。本日から担当させて頂きます榊原です」と清潔感のある私服を着た彼を見た時には驚いた。
「藤宮です。一応兼業作家です」
と言うと
「え?プロの作家さんなんですか?俺、そういう人に会うの初めてでめっちゃ緊張する!」
と初めて年齢相応に見えた彼に少し嬉しさを感じ緊張が解けた。
「プロっていっても他に本屋とかでバイトしてるから緊張しなくて大丈夫だよ」
「そうなんですね。ああ、でも散らかってる方がなんか作家の部屋って感じしますよね」
悪気なく言われ落ち込むと榊原くんに「いい意味で言ったんです」とフォローされた。
それから、榊原くんはサナ姉見たいに床のゴミを捨て、掃除を完璧にしてくれた。
「すごい!」
賃貸なのでワックスはかけれないものの床はピカピカだ。
「研修しっかり受けてきましたから!」
と彼は自信満々に応えると
「じゃあ、あとコレはどうしましょうか?」
と一箇所にまとめた洗濯物を指差す。
そこには洗濯ネットからはみ出したブラや下着が見えていた。
恥ずい!!
「自分でやるから!」
ネットを自分の後ろに隠して彼に言うが
「俺の仕事ですよ。一回じゃ回らないし、下着くらい俺は姉にこき使われていたから、これくらいなんて事ないです」
と彼は飄々と言う。
(そういう事じゃないと思うんだけど)
と動揺していると
「早く回さないと着替えなくなっちゃいますよ」
と洗濯ネットは奪われた。
「悔しかったら毎回風呂に入る時手洗いとかしてください。その方が下着にも本当はいいんです」
と榊原くんが洗濯に熱く語るのに耐えきれず
「分かりました。ネットごと洗濯機にぶち込んでください!!」と猛抗議の末私の下着は全部綺麗に洗濯された。
ある意味羞恥プレイだ。
穴があったら入りたい。
榊原くんの初出勤はそんな感じだった。
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