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二章 馴れ初め

10話 商談成立

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「・・・美味しい」
初めてのオムライスは燈子には衝撃的だった。
「よかった。やっぱりお腹が減っちゃ元気無くすよね」
「ふふ・・・」
気にかけてもらって申し訳ないと思う最中、
「燈子さんが洋食気に入ってくれてよかったよ」
と言われて
「確かに、そうですね。お米が入っているのにこれも洋食なんですよね。不思議」
また一口食べたがら燈子は関心した。

そう喜びあう中、カイは
「燈子さん、しばらくしたらアレックスをうちに呼ぼうと考えてるんだ。せっかく融資してもらったからね。まあ、輪島屋は再軌道してないんだけど燈子さんもうちに来てくれたから色々あったから僕なりに祝いたいんだ」
「ありがとうございます。私もアレックスさんに会えるの楽しみです。どんな方なんですか?」
「一言で言うと強引な奴だよ」
とカイはため息を分かるでしょと言いたげな感じで吐きながら話す。
確かに強引で気前はいい。
「楽しい奴ではあるんだけどね」
そう話すカイはどことなく楽しそうだ。つられて笑みがこぼれる。
「でも久しぶりに会えるの楽しみですね」
「そうだね」
カイは嬉しそうな燈子の笑みにつられてまた笑った。



翌日、サロンから帰って来た二人の反応は各々だった。

前髪も後ろも伸びっぱなしの髪は胸元まで切り揃えられ、前髪も顔にかからないように切ってもらい、後ろで両方の少しを三つ編みにされ後ろで一つにまとめてもらい、持って来た黒いリボンを結んでもらって帰ってきた。

「トーコさん、昨日よりずっと素敵です!」
エミリーさんにそう絶賛されやはりこそばゆい気持ちになる。

「ありがとうございます。サロンのお姉さん達にも褒められて・・・なんだか気恥ずかしいやら嬉しいやら・・・」
「そんなに謙遜しないでねえ、カイ」
「・・・」
「カイ?」
「えっ・・・あ、うん!」
ポカンとしていたところにエミリーさんに声を掛けられてカイはどこかしどろもどろだ。
「もう、カイったら照れてるからって他に気の利いた言葉はないのかしら」
「エミリー!」
余計な事は言わないの!とカイはエミリーに忠告すると彼女は「ハイハイ。私は退散するわ」と言いながらキッチンの方に行ってしまった。

エミリーさんが見えなくなりジッと見られると先程より何故か緊張してしまった。

「燈子さん、本当に綺麗だよっ」
「ありがとうございます!」

カイが緊張してたからそれがうつったのか更にドキドキする。

(おかしいわ!何度も昨日何度も輪島様には褒めて頂いたのに)

いつもより視界がはっきりして目が合うからからだろうか?

緊張を払うように先程起こった事を正確に伝える。
「美容師さんにもリボンすごく好評でした。他にいたお客様にも褒めて頂いて」
「え?」
「どこに売ってあるのって皆さんに聞かれて手作りしたんですって言ったら欲しいってたくさん言ってもらえて!」
「やった!」
「はい!」
2人してらガッツポーズをとった。

「今日はお祝いだ」
気が早いカイに
「まだ早いですよ」と燈子は声を掛けるが
「なあに、燈子さんよくやってくれたよ」
と上機嫌なカイは燈子の少し呆れた顔を優しい顔で笑い掛ける。

「あら、カイったら嬉しそうね?」
と奥の部屋からエミリーさんが顔を見せて聞いてくる。
「久しぶりに良い商談ができそうだからね」


そこからの動きは早かった。
後日、燈子とカイはサロンに2人でまた向かいサロンにいくつかリボンを販売してもらう事が決まった。













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