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4話 どちらが悪か
しおりを挟む「護摩を炊いたら、たちどころに言葉を喋った」
との事だった。
父が私達の部屋から自室に戻っていった。
しかし、今夜は姉様が牢番だ。
「メイユイ、私を心配しているの?」
姉が俯く私に声をかけた。
「だって私が言い出した事だもの」
そう言うと姉は
「あのね、私が魔に足をすくわれるなんて心配無用よ。
それに」
剣もあるでしょう?と姉は空中を斬るジェスチャーをする。
「剣舞は私の得意よ」
そう言うと姉は牢番に行ってしまった。
翌朝
「楽勝だったわ」
と戻ってくると牢での武勇伝を聞かされた。
地下牢に降りると牢の中には皇皇子、ことキョンシーがいた。
「なんだ、今日は女か」
その言葉が姉の逆鱗に触れたのだろう。
「次に話しかけたら喉元を掻っ切るわよ」
そうニコォと不敵な笑みにキョンシーはそれ以上言葉を喋らなかったらしい。
(キョンシーが不憫だわ)
全く、これでは悪者はどちらか分からない。
姉の話に父は笑い
「ハハ!ヨウリン、よくやった」
と姉を褒める。
その姿が羨ましく胸がズキッといたむ。
(やだ、私姉様に嫉妬して)
罪悪感を感じていると父は
「お前もヨウリンの真似しなさい。とくにお前は気が弱い。キョンシーがつけあがるに違いない。
いいか、ヨウリンの真似をし何かあれば剣で威嚇するのだぞ」
と私に向かって言った。
「はい!」
「よし、ヨウリンは寝なさい」
「父様の良い付けを守るのよ」
姉に口酸っぱく言われその時は訪れた。
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