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最終章
最終話 クリスマス、大切な人に送るお茶
しおりを挟む「お疲れ様でした」
イヴ最後のお客様を見送り、桃花達は店を閉めた。
ここからは桃花源従業員のクリスマス会だ。
パイナップルケーキに紅玉茶で祝いプレゼント交換の時間だ。
明明は料理がプレゼントだ。
「クリスマス特製りんごパフェなのね」
ミニサイズのかわいいパフェに桃花は喜んだ。
「でも、なんでりんご?」
「クリスマスの中国はとにかくりんごを食べるのよ」
「明明、りんごを使うなら私のお茶の飾り作ってくれてもよかったのでは?」
緑仙は不満だったようだが
「寝言は寝て言う事ね」と緑仙の分のパフェを取るジェスチャーをしてみせる。
「じゃあ私はこれ!」
桃花も2人にプレゼントを渡す。
明明にはシュシュに合う小さな軽いブローチ。
緑仙には桐の箱に入った上等なボールペンだ。
明明は桃花にブローチを付けてもらい満足顔だ。
「すみません。
本当はネクタイピンとかマグカップとか考えてだけど仕事用のペンがインク切れそうだったなと思って」
とはいえ桃花源の制服にネクタイはない。
緑仙は専用の茶器も持っている。
緑仙はというと
「こんなに上等な物を。ありがとうございます」と思いの外、気に入ってくれたみたいだ。
最後は緑仙だ。
「ではお返しといってはなんですが少しお待ちを」
いそいそと緑仙はお茶の準備を始める。
やっぱり彼のプレゼントはお茶らしい。
明明には湯にハチミツを入れ、乾燥させた桃の花のお茶。
そして桃花には
「わあ、可愛い」
茶器に美しくハート型にカットされた桃が入ったお茶だ。
「明明のが桃花茶(タオヒエテー)。
桃花さんのがアイスですが白桃烏龍茶です」
ハートが意外だったのか明明は
「あら、今日の緑仙は随分素直なのね」と冷やかす。
しかし桃花はそれに気づかないのか可愛い!美味しい!と飲んでしまった。
それに緑仙は肩を少し落とした。
どうやら彼女にはもっと素直で分かりやすいアプローチじゃなきゃ伝わらないらしい。
桃花を見ると彼女はうーんと唸っている。
「桃花さん、どうかされました?」
まさか冷たいお茶を出したから腹が冷えたかとブランケットとあったかい茶を淹れようかと緑仙は考えた。
しかし
「いえ私、迷ってて。リューシェンさんのお茶私、白端香(はくずいこう)が1番好きだったんですけどこの烏龍茶も美味しくて」
「もしかして今のは唸っていたのではなく、それで悩んでいたんですか?」
「はい」
桃花は頷き私、そんなに唸っていたのかと恥ずかしそうにしている。
そんな姿に緑仙は堪えきれず
「あはは」と笑う。
「!」
意外な光景に桃花は驚く。
そんな姿に明明はやれやれなのねと呆れるばかりだ。
明日もクリスマス。
桃花源は忙しい。
「ほら、2人とも食べないと私が食べちゃうのね」
明明の言葉に2人は慌て駆け寄るのだった。
【完】
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