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4章

4-1 季節はずれの康乃馨茶(カンナイシテー)はカーネーションのお茶

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11月になり、外はだんだん寒くなってきた。

中華街には昼と夕飯時に分けてのレストランはランチとディナーは分けての営業が多いがテイクアウトは別だ。

「つむぎこれからさ、桃花源行かん?」

大村 つむぎは同じバイトのマミに唐突に聞かれた
「急だなあ」
と返す。

それに
「とうかげんって何?」
と聞とマミは
「は、知らんと?」
と聞かれる。

「ちょ、これ見て」
と見せられたインスタには喫茶店のケーキとお茶が映ってる。

「この中華街にある中国茶屋なんだって。
気になったけど1人じゃ入りにくかけんさ、一緒行こ」
と腕を掴まれる。

「え~、そうゆうとこ高そうじゃない?」
つむぎは宮崎市内の大学で医療関係について学んでいる。

バイトも限られた時間しかしてない為、バイト代は大事に使いたいのだ。

「2人だからスイーツ半分にできるから誘うんじゃん。
お茶だけならそんな値段いかんし」

そう言いながらマミは飲食店の総合サイトに載っているメニュー表を見せてくる。

確かに工芸茶以外なら650円だ。

それでもあまり自分の店の賄い以外で外食はあまりしないからこの金額は高い。

「お金気にしてるなら私出すけん、ね!」

そう言われたならしょうがない。



つむぎはマミと一緒に桃花源の中に入った。

「いらっしゃいませ」
お辞儀をして迎えたのは雰囲気イケメン高身長の店員だった。

(マジやばくない)
マミは視線を送る。
それにつむぎもたまらず頷く。

2階に案内されると自分達以外にもお客は結構いる。


席を女性店員に案内され、腰掛けるとマミは小声で
「あの店員、ビジュヤバかった♡」
「確かに」
つむぎも同意する。

きっと土日はもっと客は増えるだろう。

ひと通りマミと店内を見回した後、どちらからともなくメニュー表を見て選ぶ。

「スイーツは一種類なんだ」
「今時変わってるね」

一種類というのが強気を感じる。

スイーツは必然的に決まる。

しかし、お茶は結構悩む。
名前も読み方や効能が書いてあって親切だが正直中国茶なんて苦そうだ。

漢方じゃないんだからと思うけど味でハズレは引きたくない。

迷ってると気になってるお茶を見つけた。

黒茶チャイだ。
写真付きでチャイなら好きだしこれなら飲めるかもと思ったのだ。

マミは結構悩んでる。
彼女はシナモンが苦手だからチャイは頼めない。

するとあるメニューが目に付いた。

柠檬茶(ニーマンチャー)
レモンティーだ。

写真と説明を見てこれならどうかと提案し、注文する。


初めて飲んだ中国茶は美味しかった。
マミなんて
「マジだ。これレモンティーじゃん」
頼んどきながら驚いていた。

自分の頼んだチャイもパイナップルケーキも美味かった。

マミより早く食べ終わり
「早食いは太るよ」
と注意される。

「五月蝿いな、シナモンは身体を温めてくれて黒茶は痩せるからよかと」

「じゃあ私はビタミンCで肌キレイになるけん」
とマミは茶化す。

「でも、本当つむぎ夏より肉ヤバいよ」
と言われ気にする。

「だってうちの肉まんとか美味しいじゃん」
ごま団子も。


自炊ばかり小さい頃からしてたけど大学生になり、料理をサボる事が増えた。

だって授業もあるし、カップ麺やバイト先からもらった肉まんは寒い時期に食べるからいいのだ。

大学生の食生活ってそんなもんじゃないって思うけど

(親には見せれないな)
と少し後ろめたくなる。

帰り際、ふとレジ前のお土産クッキーが気になったが流石に家に置いておくとすぐ食べて無くなる自信があるのでそのまま店を出た。












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