【短編・完結】転生したら月でした 〜月の宝で帰還します。〜

近衛 愛

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目が覚めた場所は………

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(ここはどこだ?)

  目が覚めたら、真っ暗な場所にいる。身体が怠い。手足が思う様に動かない

「ムキュー、ムキュ、ムキュー」

  んっ、どう言うことだ?上手く喋れないよ。

「ウキュ、キュ、キュキュキュ」
(おやおや、ようやく起きられた様ですね。今照明をおつけします)

「ムキュー、ムキュ、ムキュー」
(お願いします。)

 バチッと照明がついた。辺りが明るくなるがいきなりは眩しい。思わず目を閉じた。目が痛い。一体どれだけの照度の明かりを灯したのだろうか?

 やがて慣れてきた様で、少しずつ目を開ける。

 どうやら建物の中?いやここは洞窟の中だろうか?辺りには岸壁があり、下は床かと思えば地面だった。僕は、藁(わら)の上で寝かされていた様だ。

 一体ここは何処なのだろうか?

「ウキュ、キュ、キュキュキュ」
(さっ、姫様が首を長くしてお待ちです。御前の元へ参りますよ。自分で動けますか?)

 声のした方に首を動かしてみると、そこにはタキシードの服を着た白い兎が立っていた。

◆  以下、すべて、ウキュとムキュでお話せております。皆様の脳でご変換下さいませ◆

「うっ、兎さん?という事はここはどこかの動物園ですか?えっ何?もしかして、僕も兎さんになってるんですか?姫様ってどう言うことですか?兎さんのお姫様?」

「まーまーいきなり起きて戸惑われるのも無理ありませんね。その件は後程ゆっくりとご説明させて頂きます。まずは姫様がお待ちですから、歩きながらご説明致しましょう。あなたは、紛れもない兎でございますよ。それでご自分で歩けますか?」

「分かりました。」

 釈然としないものはあるが、現状を知る為にも偉い人にあった方がいいかな。足に力を入れて、立ってみようとするが、上手く立てない。2足歩行は無理にしても、4足歩行ならと、腕と足に力を入れるがそれでもダメ。力が全く入らない。

「いえ、すみません。どうも力が入らず歩くことすらままならないです。連れて行ってもらえますか?」
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