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第8章 変わってしまう日常編
【雇用№182】女神との邂逅4
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「どうですか女神様、美味しいですか?」
もはや、餌を与えられる雛または、介護される病人である。
「非常に美味しいですよ。お願いですからその中にお酒を入れて下さいまし……」
『コンッコンツ』
「お邪魔するよー」
部屋には鍵などかかっていなく、そのまま入ってきたのは可愛いパジャマ姿の魔神様だった。
「魔神様ご無沙汰してまーす。」
「愛君、改めてお久~。リュウ君、お初に~。で、フェリシアはまだ横になってるんだね。お客人がいるのにそれは失礼じゃないかな?はい、これ神酒ね。」
ドスンと樽でお神酒を持って来てくれた様だ。器は、紅くて平べったい盃。
「ゼファリスちゃん。お願いだからなんとかして、動くと腰が痛くて、動けないの。」
フェリシアが魔神様なのかな?ゼファリス様に助けを求めている。
「んっ、腰が痛いだって、またまた人間じゃあるまいし、私らに腰痛なんで言葉があるわけないでしょ。フェリシアったら冗談言って。」
と魔神様がフェリシアの近くに行って、腰をパンパンと平手で叩く。
「いたた、やめて、痛い、本当に痛いんだから……」
涙目になって、フェリシアが魔神様に嘆願する。
「本当に痛いのか?なんでまたそんなことに?」
魔神様の問いかけにフェリシアは視線を逸らし、僕の方をじーっと見つめて来た。その視線を追って魔神様が僕に問いかけてくる。
「君か。勇者のリュウ君だね。神に腰痛を施すなんて一体どうやったんだい?」
「魔神様、それはですね。そちらのフェリシア様より頂いたスキル、魔女の一撃でございます。あって早々、神様にご無礼は働きたくはなかったのですが、ゴートゥーヘルを使われそうになったため、やむをえず………」
「リュウ君、そう固くならなくてもいいよ。酒の席だし無礼講無礼講。それに罰しようって訳じゃないからね。どうなったのかなーって気になっただけだから。それにしても二人はどうやってここまで来たんだい?」
僕と愛ちゃんは、これまでの経緯を簡単に魔神様に説明した。
「そういうことだね。僕も悪かったよ。ごめんね。あっ、せっかくの祝いの席だし、下界の美味しいお酒もあるから、主人様も呼んじゃおー。もしー主神様~。寝てた?うんうん、あのね。今、フェリシアの部屋で小ぢんまりと宴会やってるのでよかったら来てよー。うんうん、すぐ行く?OK。お待ちしてまーす。」
フェリシアに何度願い入れても出来なかったことが、魔神様だと僅か数秒で終わってしまった。
「えと、魔神様良かったんですか?私達が魔神様をお呼びしてるのでなんなんですけど、一番上の最高神様ですよね。ご就寝中だったのではないですか?」
「リュウ君、もっと砕けていこうよ。僕は全く気にしないよ。堅苦しいままだとこうしちゃうぞ。」
と、僕が座って飲んでいる隣にやってきて、いきなり肩を組んで晩酌してきた。この行為は非常にまずい。まずい。まずい。
ぎ、ぎ、ぎ、ぎ、と首を、回して愛ちゃんの方を見ると、笑顔だけど、唇の端が引き攣っているし、視線がとても冷たい。瞬間なら許してもらえそうな気もするが長時間だと、怒らせそうだ。
「分かりました。分かりましたから、魔神さん、離れて下さい。」
「うーんリュウ君連れないなー。ゼファリスちゃんて呼んでよ~。でないと。」
手首を上に上げてワキワキしながら、にじり寄ってくる。僕は後退りしながら、愛ちゃんのいる方に寄っていく、
「ゼファリスちゃんですね。分かりました。分かりましたよー。でも、本当によかったんですか?」
「なにが?あぁ、主神様のことかい?いいんだよ。あの人も宴会好きだからね。美味しいお酒があるのに、黙って飲んでたらそれこそ、大目玉だよ。気にしない気にしない。」
「そうなんですね。」
少しホッとする。フェリシアはさておいて、魔神様。ごほんごほん、ゼファリスちゃんと主神様は、神様であるからそれこそ敬意を払わないと…無礼講とはいえ、その言葉を鵜呑みにして、飲みの席で無礼を働いた同僚がどうなったことか。
はめの外し過ぎは厳禁。相手が笑顔で済ませられるギリギリの線を見極めていかないと。
「ゼファリス様~。リュウ君だけに構ってないで、私共お話して下さいよー。」
愛ちゃんがそんなことを言って席を移動して、僕とゼファリスちゃんの間に入ってくる。
ふーつ、これで一息つける。フェリシアも流石にこの場に置いて、ゴートゥーヘルは使うまい。
「コンッコンッ」
「どうぞー」
ノックに対して、部屋の主人でもないゼファリスちゃんが返事をする。ご主人は、寝ながら、ペロペロとお酒を飲んでいる。まだまだ動くと腰が痛くなる様だ。
「はーい、みんなのアイドル、主神ちゃんだよー。」
これまた明るい神様である。白髭の威厳のある初老の神様を想像してたんだけど、見事に裏切られてしまった。
プロポーション抜群の美人なお姉様である。
何だ何だ?神様は男性はいなく女性ばかりなのか?
もはや、餌を与えられる雛または、介護される病人である。
「非常に美味しいですよ。お願いですからその中にお酒を入れて下さいまし……」
『コンッコンツ』
「お邪魔するよー」
部屋には鍵などかかっていなく、そのまま入ってきたのは可愛いパジャマ姿の魔神様だった。
「魔神様ご無沙汰してまーす。」
「愛君、改めてお久~。リュウ君、お初に~。で、フェリシアはまだ横になってるんだね。お客人がいるのにそれは失礼じゃないかな?はい、これ神酒ね。」
ドスンと樽でお神酒を持って来てくれた様だ。器は、紅くて平べったい盃。
「ゼファリスちゃん。お願いだからなんとかして、動くと腰が痛くて、動けないの。」
フェリシアが魔神様なのかな?ゼファリス様に助けを求めている。
「んっ、腰が痛いだって、またまた人間じゃあるまいし、私らに腰痛なんで言葉があるわけないでしょ。フェリシアったら冗談言って。」
と魔神様がフェリシアの近くに行って、腰をパンパンと平手で叩く。
「いたた、やめて、痛い、本当に痛いんだから……」
涙目になって、フェリシアが魔神様に嘆願する。
「本当に痛いのか?なんでまたそんなことに?」
魔神様の問いかけにフェリシアは視線を逸らし、僕の方をじーっと見つめて来た。その視線を追って魔神様が僕に問いかけてくる。
「君か。勇者のリュウ君だね。神に腰痛を施すなんて一体どうやったんだい?」
「魔神様、それはですね。そちらのフェリシア様より頂いたスキル、魔女の一撃でございます。あって早々、神様にご無礼は働きたくはなかったのですが、ゴートゥーヘルを使われそうになったため、やむをえず………」
「リュウ君、そう固くならなくてもいいよ。酒の席だし無礼講無礼講。それに罰しようって訳じゃないからね。どうなったのかなーって気になっただけだから。それにしても二人はどうやってここまで来たんだい?」
僕と愛ちゃんは、これまでの経緯を簡単に魔神様に説明した。
「そういうことだね。僕も悪かったよ。ごめんね。あっ、せっかくの祝いの席だし、下界の美味しいお酒もあるから、主人様も呼んじゃおー。もしー主神様~。寝てた?うんうん、あのね。今、フェリシアの部屋で小ぢんまりと宴会やってるのでよかったら来てよー。うんうん、すぐ行く?OK。お待ちしてまーす。」
フェリシアに何度願い入れても出来なかったことが、魔神様だと僅か数秒で終わってしまった。
「えと、魔神様良かったんですか?私達が魔神様をお呼びしてるのでなんなんですけど、一番上の最高神様ですよね。ご就寝中だったのではないですか?」
「リュウ君、もっと砕けていこうよ。僕は全く気にしないよ。堅苦しいままだとこうしちゃうぞ。」
と、僕が座って飲んでいる隣にやってきて、いきなり肩を組んで晩酌してきた。この行為は非常にまずい。まずい。まずい。
ぎ、ぎ、ぎ、ぎ、と首を、回して愛ちゃんの方を見ると、笑顔だけど、唇の端が引き攣っているし、視線がとても冷たい。瞬間なら許してもらえそうな気もするが長時間だと、怒らせそうだ。
「分かりました。分かりましたから、魔神さん、離れて下さい。」
「うーんリュウ君連れないなー。ゼファリスちゃんて呼んでよ~。でないと。」
手首を上に上げてワキワキしながら、にじり寄ってくる。僕は後退りしながら、愛ちゃんのいる方に寄っていく、
「ゼファリスちゃんですね。分かりました。分かりましたよー。でも、本当によかったんですか?」
「なにが?あぁ、主神様のことかい?いいんだよ。あの人も宴会好きだからね。美味しいお酒があるのに、黙って飲んでたらそれこそ、大目玉だよ。気にしない気にしない。」
「そうなんですね。」
少しホッとする。フェリシアはさておいて、魔神様。ごほんごほん、ゼファリスちゃんと主神様は、神様であるからそれこそ敬意を払わないと…無礼講とはいえ、その言葉を鵜呑みにして、飲みの席で無礼を働いた同僚がどうなったことか。
はめの外し過ぎは厳禁。相手が笑顔で済ませられるギリギリの線を見極めていかないと。
「ゼファリス様~。リュウ君だけに構ってないで、私共お話して下さいよー。」
愛ちゃんがそんなことを言って席を移動して、僕とゼファリスちゃんの間に入ってくる。
ふーつ、これで一息つける。フェリシアも流石にこの場に置いて、ゴートゥーヘルは使うまい。
「コンッコンッ」
「どうぞー」
ノックに対して、部屋の主人でもないゼファリスちゃんが返事をする。ご主人は、寝ながら、ペロペロとお酒を飲んでいる。まだまだ動くと腰が痛くなる様だ。
「はーい、みんなのアイドル、主神ちゃんだよー。」
これまた明るい神様である。白髭の威厳のある初老の神様を想像してたんだけど、見事に裏切られてしまった。
プロポーション抜群の美人なお姉様である。
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