上 下
149 / 188
第8章 変わってしまう日常編

【雇用№148】魔法石と空の魔石とウェルザさん2

しおりを挟む
「リュウ兄ちゃんの言い分は分かったわ。私は身近で色々知ってるから、密着してまで改めてする必要はないってことね。」

「うん、概ねそう言うこと。で、ウェルザさんの方は、色々話は聞いているけど、知らないことが多いからね。なんでなさあんなに会社経営出来るのか?」

「とか、美容品関連の商品開発に余念がないとか?」

「そうそう。モニカちゃんの父親がどうだったとかね?」

「それは私も知りたいかも。でも、そう言うプライベートな話って、直接聞いた方がいいんじゃない?」

「うーん、それはもっともなことなんだけど。出来れば、主観的な話よりも客観的に見てみたい思いがある。人って自分のことを話すと時っていい様に見せようと話す場合が多いだろう」

「そうだね。自分を好きになって欲しかったりすごい人だと思って欲しいかも。」

「だから、そう言う情報が入ってない、フラットな情報を見て見たいんだよね。他の人に聞くとそれはそれでその人の主観が入っているからね。」

「はぁー、そう言うもんなんだね。でっ、リュウ兄ちゃん。それを知ってウェルザさんをどうするつもりなの?まっ、まさか、けっ.けっこんとか?」

「ウェルザさんと結婚?それはないよ。ウェルザさんは、僕にはもったいないくらいステキな女性だし、僕には好きな人がいるからね。」


「そっそうなんだ。(ほっ、よかった~。ウェルザさん相手じゃとてもじゃないけど、勝ち目ないもんね。あんな出る所出て、引っ込むとこは引っ込む男性好みのスタイルに、大人の女性の魅力、私も有耶無耶、美人な顔立ち、そして、経営も出来る敏腕手腕。そらになんと言っても作る料理がとっても美味しい。これはお腹を掴まれるから、食事の好きな男性は一発でやられそうなんだよね。)」

「どうするって言われてもそこまで正確な回答は出来ないな。うーん、知的好奇心?野次馬根性?みたいな?」

「私も興味はあるけど、それだけの理由で一日中着いて来られるのはなんか監視されている様で嫌かも。」

「確かに。もしかしてこれはストーカー案件か。探偵なら探るのは仕事だけど、個人でやると割りかしアウトだよな。というか人のプライベートを探っている時点で本当は探偵もNGなのか?まー依頼してる方も依頼してる方なんだけど……。」

「リュウ兄ちゃんとウェルザさんが仮に夫婦だったとしたら、やってることって浮気調査になるんじゃないの?」

「うっ、ん?そうなるのか?そうなっちゃうのか?妻のことが気になって後をつけるのは普通のことでは?」

「ケースバイケースだと思うよ。少なくともガンツさんなら、そんなことはしないで一緒に出かけて手を繋ぐ筈だもん。」

「確かに、そうかも。電信柱の後ろから、こっそり奥さんを付け回すガンツを見たら引いてしまうな。」

 チルがおもむろに僕を指差す。

「電信柱がなんのことか分からないけど、リュウ兄ちゃんがやろうとしてることだからね。」

  がーん。地面に四つん這いになって、頭をかかえてしまった。まさかリアルでorzをするとは思わなかった。

 確かにガンツさんで想像したけど、妻をウェルザさん、ガンツさんを僕に当てはめると、完全に犯罪に近い光景になってしまう。ガンツさんと奥さんは夫婦だから良いとしても、僕とウェルザさんにそんな関係はない。従業員と経営者という関係である。

 うん、犯罪だ犯罪。世が世ならストーカー法に引っかかる案件だ。顔見知りだからよしってレベルじゃないぞ。これは……しかも単なる知的好奇心だから。

「うん、やっぱりウェルザさん、密着24時はやめておこう」

「それがいいよ。リュウ兄ちゃん。どうせやるならチルちゃん密着24時だよ。その時は勿論後ろからじゃなくて隣で見てて欲しいな。」

「はいはい分かったよ。そりゃまた今度ね。魔霊樹討伐の際には、24時間でも48時間でもやりますよ。」

「ふふっやったー。ウェルザさんに勝ったー」

  いやいや一体なにに勝ったのさ。チルの密着48時間なんて、前の精霊樹の植木の時と何ら変わらないよ。あーでも今回は騒がしかった、ティタニアがいないか。代わりにノエルがいるけどどんな旅になるんだろうな。

 
しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される

こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる 初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。 なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています こちらの作品も宜しければお願いします [イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]

レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)

荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」 俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」 ハーデス 「では……」 俺 「だが断る!」 ハーデス 「むっ、今何と?」 俺 「断ると言ったんだ」 ハーデス 「なぜだ?」 俺 「……俺のレベルだ」 ハーデス 「……は?」 俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」 ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」 俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」 ハーデス 「……正気……なのか?」 俺 「もちろん」 異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。 たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。

ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。 剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。 しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。 休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう… そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。 ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。 その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。 それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく…… ※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。 ホットランキング最高位2位でした。 カクヨムにも別シナリオで掲載。

処理中です...