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第6章 精霊樹の苗木 準備編
【雇用№82】薬儒の森 大きな穴と熊の死骸2
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魔霊樹の件についていくつかティタニアと話していたら、チルが目をさました。
目をこすりながら、言ってくる
「リュウ兄ちゃんおふぁよう。」
「あぁ、チルおはよう、昨日はよく頑張って寝ずの番してくれたね。お蔭で助かったよ」
僕は、身体を起こしてチルの頭を撫でて上げた。
「みんなが頑張って、そのボス熊を倒してくれたんだもん。私だって、出来ることをやらないとね。でも嬉しい。」
と言って、チルはもっと撫でてと言わんばかりに僕の胸に頭を付けてきた。
「さっ、チルも起きたことだし朝ごはんでも食べようか。結局昨日の夜は何も食べずにそのまま食べたからお腹ペコペコだよ。」
「私も~、少し携帯食食べたけど、やっぱり美味しいものが食べたいもん。」
「だよな~、結構この場所って、いいとこだよな。日が射してよくわかったけど、果物が豊富に木になっているし、熊がここを根城にするのもわかるよね。さっ、みんなで朝食拾ってこよう」
「うん」
色々木になっていた。チルに名前を聞くと、モモン、ナシン、リゴン、マスカンなど地球で見る果物が沢山とれた。
「う~~ん、美味しい。すっごく甘くて美味しいよ。リュウ兄ちゃん。これみんなにも持って帰ってあげようよ。」
「そうだな。これだけ美味しいものだと、僕達のいない間頑張っているみんなにも食べさせてあげたいよな。」
隣では、ウリとボスが床に置いてある果物をバクバク食べている。ティタニアはモモンを皮を剥いて、齧りついている。もう体が汁でベトベトになってるぞ。
「はぁ~~~、もうお腹いっぱいだよ。もう眠くなってきたよ」
「チル、これからがメインの目的だぞ、ちょっとがんばったら、またすぐお昼で美味しいもの沢山食べられるぞ。」
「えっ、本当リュウ兄ちゃん!?」
『ぶぎゅっ、ぶぎゅぶぎゅ~~~』
「なになに。我々が出来ることはなさそうなので、一旦巣に戻って家族たちをこの地へ連れてくる、だって」
「ああ、わかったよ。僕たちはまだしばらくここで作業しているから行ってくるといいよ。」
ボスは一匹で、仲間を連れに戻っていった。ウリはどうやらここでお留守番のようだ。完全にティタニアのお馬さんと化している気がする。
「じゃ~チルまずは、穴の中の熊の死骸を全部、穴の外へ出すぞ。それが終わったら、穴を一旦全部埋める。」
「リュウ兄ちゃん。本気、?あの熊を全部運ぶって、私は絶対出来ないよ。」
「大丈夫だって」
そういって二人は穴の中に入っていった。穴の中は木や、熊の死骸、石ころでごたついている。自然災害の現場並だなこれは。
「う~~ん、結構手間がかかりそうだな。足場も悪いし熊も木の下敷きになってたりするしな」
「そうだよ。リュウ兄ちゃん。私達二人しかいないのに、こんな重いもの運べないよ。」
「チル忘れているだろう。僕たちは一晩寝て魔力は回復してるんだ。」
『浮遊』
僕は対象範囲を穴の中全体にして、魔法をかけた。一つ一つやってたら、きりがないのでまとめてね。
「ほら、これで、僕達でも運べるよ」
と言って、熊の上に乗っている大木を持ち上げて、穴の隅へ運んでいった。
「最近特にだけど、もう、リュウ兄ちゃんの魔法ってなんでもありだよね。この魔法だけでも、建築業界や行商人たちから引っ張りだこだよ。」
と、チルがその光景を見て呆れて言った。
「いやいや、僕が知ってて、出来ることだけだよ。実際、ボス熊相手にはまったく効かなかったしな。」
そう、結局は最後に『魔女の一撃』のスキルを連発して、ごり押しで倒したのだ。その弊害は今のインターフェースに表示されている。
『魔女の一撃:使用人数 9人』
うん、どっかで計算を間違えたのか、カウントを間違えたのかわからないが、残り1回を使用すれば、『人を呪わば穴二つ』が適用され、僕自身にも『魔女の一撃』の効果である『ぎっくり腰』が発生してしまうのだ。
魔王や、どこぞの四天王を相手にしているわけでもなく、辺境のただの群れのボス熊相手にこのありさまである。正直今のままでは、魔王と相対しても倒せる見込みはまったくない。
1対1なら、魔女の一撃でなんとかなるが、それでも相打ちである。先に立った方が勝つというなんとも分の悪いかけになってしまう。
僕は魔王を倒すことが目的ではない。それはあくまで、地球に日本に帰るための手段なのだ。手段のために、命を懸けていては、目的が達成できないではないか。
「はぁ~~~っ、もっと殺傷能力の高い魔法を使えなきゃこれから難しそうだな。」
「いや、それ以上の殺傷能力って。。。リュウ兄ちゃん。そういえばどうやって倒したの。ティタニアちゃんが熊が突然苦しみだして、倒れたって言ってたけど、最後のとこを聞いてないんだよね。二人で特攻しようとしたのは聞いたけど」
話ながら、着々と熊と瓦礫の仕分けを進めて行く二人。
「最後はね。『アース・スパイダーネット』と『ミネラルウォーター』を使っての、呼吸困難による窒息死だよ。」
「えっ、それって回避不能じゃないの?初めからしてたら、楽に倒せたんじゃ?」
「それがそうもいかないんだよ。『ミネラルウォーター』」
とチルの口の前に持っていったけど、チルはすぐさま口を閉じて、手を前に持ってきていた。
「こういうことだよ。元気な相手だと、そもそも、窒息させるまでの仕掛けが出来ないんだよ」
「そういうことなんだね。たしかに私もイキナリ何かが飛んで来たら警戒するものね」
「そういうこと、弱らせて、拘束して、ようやく出来たんだよ。それに気づいたのもギリギリだったし。それがなかったら、特攻して、どうなっていたかはわからないな」
目をこすりながら、言ってくる
「リュウ兄ちゃんおふぁよう。」
「あぁ、チルおはよう、昨日はよく頑張って寝ずの番してくれたね。お蔭で助かったよ」
僕は、身体を起こしてチルの頭を撫でて上げた。
「みんなが頑張って、そのボス熊を倒してくれたんだもん。私だって、出来ることをやらないとね。でも嬉しい。」
と言って、チルはもっと撫でてと言わんばかりに僕の胸に頭を付けてきた。
「さっ、チルも起きたことだし朝ごはんでも食べようか。結局昨日の夜は何も食べずにそのまま食べたからお腹ペコペコだよ。」
「私も~、少し携帯食食べたけど、やっぱり美味しいものが食べたいもん。」
「だよな~、結構この場所って、いいとこだよな。日が射してよくわかったけど、果物が豊富に木になっているし、熊がここを根城にするのもわかるよね。さっ、みんなで朝食拾ってこよう」
「うん」
色々木になっていた。チルに名前を聞くと、モモン、ナシン、リゴン、マスカンなど地球で見る果物が沢山とれた。
「う~~ん、美味しい。すっごく甘くて美味しいよ。リュウ兄ちゃん。これみんなにも持って帰ってあげようよ。」
「そうだな。これだけ美味しいものだと、僕達のいない間頑張っているみんなにも食べさせてあげたいよな。」
隣では、ウリとボスが床に置いてある果物をバクバク食べている。ティタニアはモモンを皮を剥いて、齧りついている。もう体が汁でベトベトになってるぞ。
「はぁ~~~、もうお腹いっぱいだよ。もう眠くなってきたよ」
「チル、これからがメインの目的だぞ、ちょっとがんばったら、またすぐお昼で美味しいもの沢山食べられるぞ。」
「えっ、本当リュウ兄ちゃん!?」
『ぶぎゅっ、ぶぎゅぶぎゅ~~~』
「なになに。我々が出来ることはなさそうなので、一旦巣に戻って家族たちをこの地へ連れてくる、だって」
「ああ、わかったよ。僕たちはまだしばらくここで作業しているから行ってくるといいよ。」
ボスは一匹で、仲間を連れに戻っていった。ウリはどうやらここでお留守番のようだ。完全にティタニアのお馬さんと化している気がする。
「じゃ~チルまずは、穴の中の熊の死骸を全部、穴の外へ出すぞ。それが終わったら、穴を一旦全部埋める。」
「リュウ兄ちゃん。本気、?あの熊を全部運ぶって、私は絶対出来ないよ。」
「大丈夫だって」
そういって二人は穴の中に入っていった。穴の中は木や、熊の死骸、石ころでごたついている。自然災害の現場並だなこれは。
「う~~ん、結構手間がかかりそうだな。足場も悪いし熊も木の下敷きになってたりするしな」
「そうだよ。リュウ兄ちゃん。私達二人しかいないのに、こんな重いもの運べないよ。」
「チル忘れているだろう。僕たちは一晩寝て魔力は回復してるんだ。」
『浮遊』
僕は対象範囲を穴の中全体にして、魔法をかけた。一つ一つやってたら、きりがないのでまとめてね。
「ほら、これで、僕達でも運べるよ」
と言って、熊の上に乗っている大木を持ち上げて、穴の隅へ運んでいった。
「最近特にだけど、もう、リュウ兄ちゃんの魔法ってなんでもありだよね。この魔法だけでも、建築業界や行商人たちから引っ張りだこだよ。」
と、チルがその光景を見て呆れて言った。
「いやいや、僕が知ってて、出来ることだけだよ。実際、ボス熊相手にはまったく効かなかったしな。」
そう、結局は最後に『魔女の一撃』のスキルを連発して、ごり押しで倒したのだ。その弊害は今のインターフェースに表示されている。
『魔女の一撃:使用人数 9人』
うん、どっかで計算を間違えたのか、カウントを間違えたのかわからないが、残り1回を使用すれば、『人を呪わば穴二つ』が適用され、僕自身にも『魔女の一撃』の効果である『ぎっくり腰』が発生してしまうのだ。
魔王や、どこぞの四天王を相手にしているわけでもなく、辺境のただの群れのボス熊相手にこのありさまである。正直今のままでは、魔王と相対しても倒せる見込みはまったくない。
1対1なら、魔女の一撃でなんとかなるが、それでも相打ちである。先に立った方が勝つというなんとも分の悪いかけになってしまう。
僕は魔王を倒すことが目的ではない。それはあくまで、地球に日本に帰るための手段なのだ。手段のために、命を懸けていては、目的が達成できないではないか。
「はぁ~~~っ、もっと殺傷能力の高い魔法を使えなきゃこれから難しそうだな。」
「いや、それ以上の殺傷能力って。。。リュウ兄ちゃん。そういえばどうやって倒したの。ティタニアちゃんが熊が突然苦しみだして、倒れたって言ってたけど、最後のとこを聞いてないんだよね。二人で特攻しようとしたのは聞いたけど」
話ながら、着々と熊と瓦礫の仕分けを進めて行く二人。
「最後はね。『アース・スパイダーネット』と『ミネラルウォーター』を使っての、呼吸困難による窒息死だよ。」
「えっ、それって回避不能じゃないの?初めからしてたら、楽に倒せたんじゃ?」
「それがそうもいかないんだよ。『ミネラルウォーター』」
とチルの口の前に持っていったけど、チルはすぐさま口を閉じて、手を前に持ってきていた。
「こういうことだよ。元気な相手だと、そもそも、窒息させるまでの仕掛けが出来ないんだよ」
「そういうことなんだね。たしかに私もイキナリ何かが飛んで来たら警戒するものね」
「そういうこと、弱らせて、拘束して、ようやく出来たんだよ。それに気づいたのもギリギリだったし。それがなかったら、特攻して、どうなっていたかはわからないな」
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