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第6章 精霊樹の苗木 準備編
【雇用№81】薬儒の森 大きな穴と熊の死骸1
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「ふぁ~~良く寝た。くしゅん。う~寒いし。肩が痛いぞ。あれ、毛布がかかっている。うん、お腹の上に何か乗っかって重いな。」
そろ~~っと視線を下の方に向けると、チルが頭を載せて寝ていた。
「あら、リュウおはよう。やっと起きたのね」
ティタニアがウリの上で寝転がって、小声でしゃべりかけてきた。
「あぁ、ティタニアおはよう」
僕も小さな声で返した。
「チルはしばらく起こさないで上げてね。この子みんなが寝ている間ずっと寝ずの番してたんだから。さっき、ボスが目を覚ましたから、やっと寝たのよ。」
「うん、わかったよ。チルには迷惑かけっぱなしだな。」
と横になってまま、チルの頭を撫でた。ちょっと動かすと、起きてしまいそうな感じだよね。
「ティタニア。ちょっとこっち来てくれないか。小声だと聞こえずらいんだ。」
ティタニアは空を飛んで、リュウの胸の上に降りて座った。
「それでなに?」
「チルが起きたら、すぐ行動したいからね。これからやることを今の内に整理したくて。行動しようにも動けないから、朝ごはんの準備も厳しいしね。」
「そういうことなら、わかったわ。」
「で、精霊樹の苗はここに植えるのか?」
「そうね。丁度、森になった部分が開けて、おひさまも当たるようになったし、周りに木もなくなったからね。ここを埋めて、精霊樹の苗を植えましょう。」
「そうか、やっぱり埋めなきゃダメなのか。」
「そりゃ、ダメでしょ。あんな穴の所に植えたりしたら、大雨が降ったら水が溜まって、木が水没して腐るじゃないの。」
「そうだよね。他にはすべきことはあるのか。」
「精霊樹を植えたら、私が結界を張って、魔族の目や人間の目から隠す必要があるわ。でも、まだ本調子じゃないから使えないのよね。
精霊樹の滴と、精霊樹の葉で作った霊薬なら、私の体調も完治するのだけど。その精霊樹を今から植えるから、ちょっと厳しいかな。」
「前々から思てたけど、ポーションでは治らないのかその体調不良は?」
「う~ん、ダメ元でこっそりハーブティーはなんどか飲んでみたのよ。体の調子はよくなったけど、症状自体は治らなかったわ。」
「他に方法はないのか?」
「あるにはあるわ。精霊術を使って治療を行うのよ。」
「えっ、精霊術で回復って出来たのか。俺は一体何を一生懸命に探していたんだ。」
「でも、精霊にしか使えないわよ。精霊にしか使えないから精霊術っていうんだもの。」
「でも、それしか方法がないんだろ。ダメで元々教えてくれ。もしかしたら、勇者なら出来るかもしれないじゃないか。」
「それもそうね。別に秘匿(ひとく)しているわけでもないからいいわよ。でも、その可愛いチルが起きてからね。」
「ああ、それもそうだな。こんなにぐっすり寝てるんだよっぽど疲れたんだろう。」
「ふふっ、これだけ頑張っているんだから、ちゃんと返ったらそれなりにご褒美を上げなさいよ。」
「ふ~~~む、どれくらいのお金を渡せばいいんだろう?いっそのこと。今回得る報酬を全部わたそうか?」
「リュウ。あんたって、時々すごいバカでしょ。」
「いや、そんなことはないと思うけど...」
「それで喜ぶ女の子もいるとは思うけど、チルには別のにしてあげなさい。」
「例えば?」
「はぁ~~自分で考えなさいよ。って、言ったらまた変なことを考えて、しそうね。」
「しっ失礼な。」
(それだと、今回これだけ頑張っているチルが不憫(ふびん)なのよね。なんか少し自信落としているみたいだし。ま~今回は私からチルへの報酬ってことにしてあげるわ。後でちゃんと感謝しなさいよ)
「そうね。私からリュウへの今回の報酬ってことでいいかしら。」
「う~~~~ん。ものすごく今回の苦労と割りに合ってないような気がするんだけど...」
精霊術も教えてもらえるし、チルにもちゃんと報酬?ご褒美上げておきたいしな。
「うん、わかった。僕の報酬はそれでいいよ。」
「そうね。チルはね。プレゼントを上げると喜ぶと思うわ。それと、1~2日二人で休養を取って付き合ってあげなさいね。」
「そっ、そんなことでいいの?もっと、高価な装飾品や洋服ってこと?」
「それも確かに喜んではくれると思うのよ。でも、チルもリュウも、これから魔霊樹の討伐もしに行くんでしょう。
たまに着るものよりも普段付けられるものの方が喜んでくれるわよ。指輪とかネックレスとかね。価格は高くもなくていいのよ。あなたがちゃんと選んで買ったものならね。」
「そうなんだ。わかったよティタニア正直助かった。女の人へのプレゼントなんて、よくわからなかったから。」
そろ~~っと視線を下の方に向けると、チルが頭を載せて寝ていた。
「あら、リュウおはよう。やっと起きたのね」
ティタニアがウリの上で寝転がって、小声でしゃべりかけてきた。
「あぁ、ティタニアおはよう」
僕も小さな声で返した。
「チルはしばらく起こさないで上げてね。この子みんなが寝ている間ずっと寝ずの番してたんだから。さっき、ボスが目を覚ましたから、やっと寝たのよ。」
「うん、わかったよ。チルには迷惑かけっぱなしだな。」
と横になってまま、チルの頭を撫でた。ちょっと動かすと、起きてしまいそうな感じだよね。
「ティタニア。ちょっとこっち来てくれないか。小声だと聞こえずらいんだ。」
ティタニアは空を飛んで、リュウの胸の上に降りて座った。
「それでなに?」
「チルが起きたら、すぐ行動したいからね。これからやることを今の内に整理したくて。行動しようにも動けないから、朝ごはんの準備も厳しいしね。」
「そういうことなら、わかったわ。」
「で、精霊樹の苗はここに植えるのか?」
「そうね。丁度、森になった部分が開けて、おひさまも当たるようになったし、周りに木もなくなったからね。ここを埋めて、精霊樹の苗を植えましょう。」
「そうか、やっぱり埋めなきゃダメなのか。」
「そりゃ、ダメでしょ。あんな穴の所に植えたりしたら、大雨が降ったら水が溜まって、木が水没して腐るじゃないの。」
「そうだよね。他にはすべきことはあるのか。」
「精霊樹を植えたら、私が結界を張って、魔族の目や人間の目から隠す必要があるわ。でも、まだ本調子じゃないから使えないのよね。
精霊樹の滴と、精霊樹の葉で作った霊薬なら、私の体調も完治するのだけど。その精霊樹を今から植えるから、ちょっと厳しいかな。」
「前々から思てたけど、ポーションでは治らないのかその体調不良は?」
「う~ん、ダメ元でこっそりハーブティーはなんどか飲んでみたのよ。体の調子はよくなったけど、症状自体は治らなかったわ。」
「他に方法はないのか?」
「あるにはあるわ。精霊術を使って治療を行うのよ。」
「えっ、精霊術で回復って出来たのか。俺は一体何を一生懸命に探していたんだ。」
「でも、精霊にしか使えないわよ。精霊にしか使えないから精霊術っていうんだもの。」
「でも、それしか方法がないんだろ。ダメで元々教えてくれ。もしかしたら、勇者なら出来るかもしれないじゃないか。」
「それもそうね。別に秘匿(ひとく)しているわけでもないからいいわよ。でも、その可愛いチルが起きてからね。」
「ああ、それもそうだな。こんなにぐっすり寝てるんだよっぽど疲れたんだろう。」
「ふふっ、これだけ頑張っているんだから、ちゃんと返ったらそれなりにご褒美を上げなさいよ。」
「ふ~~~む、どれくらいのお金を渡せばいいんだろう?いっそのこと。今回得る報酬を全部わたそうか?」
「リュウ。あんたって、時々すごいバカでしょ。」
「いや、そんなことはないと思うけど...」
「それで喜ぶ女の子もいるとは思うけど、チルには別のにしてあげなさい。」
「例えば?」
「はぁ~~自分で考えなさいよ。って、言ったらまた変なことを考えて、しそうね。」
「しっ失礼な。」
(それだと、今回これだけ頑張っているチルが不憫(ふびん)なのよね。なんか少し自信落としているみたいだし。ま~今回は私からチルへの報酬ってことにしてあげるわ。後でちゃんと感謝しなさいよ)
「そうね。私からリュウへの今回の報酬ってことでいいかしら。」
「う~~~~ん。ものすごく今回の苦労と割りに合ってないような気がするんだけど...」
精霊術も教えてもらえるし、チルにもちゃんと報酬?ご褒美上げておきたいしな。
「うん、わかった。僕の報酬はそれでいいよ。」
「そうね。チルはね。プレゼントを上げると喜ぶと思うわ。それと、1~2日二人で休養を取って付き合ってあげなさいね。」
「そっ、そんなことでいいの?もっと、高価な装飾品や洋服ってこと?」
「それも確かに喜んではくれると思うのよ。でも、チルもリュウも、これから魔霊樹の討伐もしに行くんでしょう。
たまに着るものよりも普段付けられるものの方が喜んでくれるわよ。指輪とかネックレスとかね。価格は高くもなくていいのよ。あなたがちゃんと選んで買ったものならね。」
「そうなんだ。わかったよティタニア正直助かった。女の人へのプレゼントなんて、よくわからなかったから。」
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