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第1章 初めての異世界探索 雇われ勇者のニート生活脱出編

【雇用№009】雇われ勇者 薬草狩りに出発する。

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神聖樹の長刀をもってリュウは森へとでかけた。

スライムが道中数匹でてきたが、長刀で突くだけで倒せてしまった。森に着いた。そこには山ほどの薬草が木の根元に沢山生えていた。

森はものすごくでかかった。昼の葉の隙間から陽光で先はある程度見通すことは出来たが、奥になればなるほど陽光は少なくなり暗闇となっている。

「さ~ご依頼通り、薬草をごっそり採取しちゃいますかね。根っこごととると、次から生えてきにくくなるから。葉っぱだけもらっていきましょうかね。」

「ふ~大分とったぞ。ローズマリー草とアップルミント草。薬草ってハーブの一種なんかね。ものすごく独特の良い香りがする。

「さてそろそろ、土と一緒に薬草を根っこごと頂きますか。少しだけね。なんでもそうだけど、同じ環境にしてやれば、意外と育つもんだからね。

今回は、ここまで来たけど、町で栽培した方が、だんぜん楽だしね。薬草供給の安定化にもつながるから。さて、念のため腐葉土も袋にいれて、環境は、日陰で育ち、湿度は多少ありってところか。」

「キノコもぽちぽちあるぞ。おっと、これはマツタケっぽいな。おっとこっちは、シソのような感じだ。食べれるかどうかはガンツさんに聞いて確認してみよう。

どこの世界でもだけど、生えているものをそのまま食すのは危ないもんな~。こういう時は鑑定とかのスキルって欲しいよね。」

と、キノコとシソを探してたら、少し奥まで来てしまった。

「ありゃ、ちょっと奥に入りすぎたか。モンスターが出ないうちに戻ろう。やばい、これってもしかして、フラグか?」

「ぶるん、ぶるるん」
おそるおそる後ろを振り向いてみると魔猪が、土を蹴って猛然と突進してきていた。

うわっちょっとまて、こんなの倒せないぞ。逃げろ。と思ってダッシュで逃げます。なるべく木で進路を妨げるように木の間をすり抜けて走ります。猪は、もの凄いスピード走ってきており、どんどん差が縮まってきます。

う~んまずいまずい。なんとかしないと追いつかれる。
長刀は振り返る必要あるし、だめ。あっ魔法で、轍(わだち)を作って足止めしよう。
といっても、後ろを見ながらなんて器用なことは出来んし、発動場所を後方にして

『耕せ土よ。アース』『耕せ土よ。アース』
『耕せ土よ。アース』『耕せ土よ。アース』
『耕せ土よ。アース』

これでどうだ。
ずぼっと、「ふ、ふんも~~~~」
やばい、お怒りになったかったか。でも突進は止まったみたいだ。足音が近づいて来なくなった。今の内におそるおそる後ろを振り向いて、目標魔猪確認!!

「スキル:魔女の一撃」
「ふ、ふんめ。。。め。。め。。」
「人間だけじゃなくて、魔物にも効くのね。ぎっくり腰。よかった。良かった。効かなかったら、ほんと、やばいとこだったわ。さて、時間がたって追いかけられても困るから、今のうちに退治してしまおう。」

発動の指定場所を魔猪の下にして
『耕せ土よ。アース』『耕せ土よ。アース』
『耕せ土よ。アース』『耕せ土よ。アース』

よし、これで魔猪が穴に落ちたのと同様の状態になった。大きさすっぽりだから、もはや治っても上がってはこれないだろう。これで近づける。籠(かご)を卸して、長刀を構える。

ここまで準備出来れば、僕一人でもわけないですね。

長刀で、魔猪の腰を払う。
「きゃい~~~ん。」
痛みで魔猪がぴくぴくしている。
「あれ?木刀もどきの長刀だよな。なんでこんなにすっぱりと切れてるんだ?」

魔猪の腰がすっぱりと切り裂かれています。
とはいえ、長刀の先端で浅く切り裂いたため、とどめにはなっていません。

「ふむこれなら、楽にとどめをさせそうだ。首のあたりをばすっとな。」
「ふみゅ~~~」
魔猪は穴の中で息絶えた。

「う~む、猪だから、お肉美味しそうだし、全部持って行きたいとこではあるのだが。。。
いかんせん、100キロほどありそうだし、とてもじゃないけど、もっていけんな。
仕方ない、討伐証明部位の鼻を落として。後は、魔石と売れそうなとこと、おいしそうなとこだけ回収してもっていくか。時間があれば、また戻ってきて回収すればよいだろう。」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
部位を回収して、薬草を雑貨屋まで持って帰った。
欲ばり過ぎたせいか、重くて運ぶのがやっとだったりする。

「ガンツさんただ今戻りました」
「お~遅かったじゃないかリュウ。道にでも迷ったのか?」
「いや道には迷わなかったんですが、楽しくて色んなものを採取してたら、森のちょっと奥まで入っちゃいまして、魔猪と遭遇しました。」

「おまえ、それでよく帰ってこれたな。ま~よく帰ってきてくれたよ。逃げて帰ってこれて、よかったよ」
「いえ、そうでなくてですね。実は、、、、魔猪倒してきちゃいましたわ。
これが討伐の証の、鼻と魔石になりますね。あと、肉も少々もってきましたが、美味しいですかね」

「なに!!あれを倒しただと。Eランクだと4~5人のグループで罠を張ってようやく討伐できるクラスだぞ。それを一人でか。想像もつかんな。
ま~なにしろよくやった。魔猪の肉は、狩れるものは少ないが、すごいうまいぞ。
なので、取引金額もいい感じになる。1頭仕留めたのなら、バイトするよりもいい金額だな。」

「よし、薬草は十分とってきてくれたようだし、残りの部位を取りに行くか。二人でいけば、丸まるとってこれるだろう。店番はかみさんに任せといてポーション作りは、、、リュウ明日はポーション作りを手伝ってくれな。今日出かけてしまうと、ちょっと日程が厳しくなってな。」

「いいですよ。もっと沢山とってきましょう。善はいそげです。他の魔物に食い荒らされないうちに早く回収してきましょう」





「いや~あんなにでかい魔猪とは驚いたな。これだけでかいと、うちだけでは食えないから精肉店に卸してこよう。」

「いや~良い稼ぎになっただろう。キロ2万ループだし、食べる分抜いて、60キロで120万ループか。これでしばらく仕事しなくても安泰だな」

「はい、ガンツさん運搬手伝ってくれてありがとうございます。半々でいいですよね。」

「あ~2割でいいよ、運んだだけだし、倒したのはリュウお前だろ。うちで食べる分も取れたし、むしろそれでももらい過ぎだよ。」

「いえ~ガンツさんに薬草採りを教えてもらわないと、そこにはいきませんでしたから。ありがとうございます」

「さて今日は日も暮れちまったから、仕事はここまでだ。明日は、今日採って来た薬草でポーション作るからな」

「はい、わかりました。そっ、そうだ。畑かなにか出来る所はありませんか?」
「役所に農園の貸し出しとか、やっているから聞いてみな」

役所につくと、エルザさんが迎えてくれて。

「リュウ君。もうきたの?ごめんね。精算はまだ終わってないんだ。」

「いえいえ違いますよ。今日は魔猪の討伐報告と農園の貸し出しについて、聞きたくてお伺いしました。」

「そうなの、魔猪ね。すごいじゃないDランクの魔物よ。はい、確かに確認しました。討伐部位の鼻ね。討伐報酬は10万ループ。魔石は引き取ろうか?このサイズだと、20万ループね」

「はい、お願いします。」

「で、後は農園だっけ?なにか始めるつもりなの?」

「はい、薬草を農園で育ててみたいので、広い土地があればと思ったんです。
それと、宿屋暮らしも固定費用が高くなります。長期的に滞在したいので、家賃タイプのものか使ってない一軒家があれば、教えて欲しいなと思いまして。」

「あ~それないいとこあるわよ。郊外になるけど、畑が100㎡付の平屋があるわ。そうね。賃貸だと月7万ループ、購入だと950万ループね。どうする?手入れはされているから、すぐにも住めるわよ。」

「買うにはお金が全然足りないので、賃貸でお願いします。」
「よし、なら契約成立ね。はい、これ鍵ね。今日から使っていいわよ。」

「ありがとうございます。やっほ~い、宿屋暮らし卒業だ~」

「バイトじゃ厳しいと思うから、討伐頑張ってね。」
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