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第1章 初めての異世界探索 雇われ勇者のニート生活脱出編

【雇用№004】雇われ勇者 少女に魔法をこう

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宿屋に戻ると、チルが
「お兄さん、どうしたの?それ、ずぶ濡れじゃない?」
「いやスライムを討伐してたら。。。。」

「ああ、なるほどね。裏手の井戸で、水浴びて来なよ。ぐにゅぐにして気持ち悪いでしょ。」
「ああ、助かる。着替えがないんで悪いけど、簡単な服買ってきてくれるか?」

「あ~わかったよ。リュウのお兄さん。服は高いから中古でいいよね。チップコミで2万ループかな」
「それで頼むよ」

井戸で桶で水を汲みさっぱりした。
タオルも借り、服も着替えた。
よく考えれば会社の作業着のまま転移して、そのまま、王城へ行って、スライム倒しにいったので、周りから結構浮いていたのでは?

今の服はちょっとした。布を裁断して、縫い合わせた本物の布の服だ。
防御力は1あるかもしれないな~
宿屋にいって、お金を払って、ランチを食べる。
食べ終わったころに

「リュウさん似合ってますね。そっちの方がさっきのヘンテコなかっこよりもカッコいいですよ。」
「ありがと。お腹も膨れたし、少し魔法のご指導お願い出来るかな?」

「喜んで!!火の魔法使うから、井戸の近くにある竈(かまど)のとこにいこうね」
「さて、これから魔法を教えます。っていっても私は魔法を正式に学んだ事はないよ。家庭の家事手伝いで使うやり方のみ教えるよ。

 生活で使う魔法は、いくつかあって、
 1つ、火の魔法、これは料理やお湯を沸かす時
    の種火にするんだよ。
 2つ、水の魔法、煮沸しない水を使うとお腹に
    あたることがあるので、飲み水を
    少量出すときに使う感じだね。
 3つ、風の魔法、洗濯物を早く乾かす時や
    ちょっと火を大きくするときに使う感じだね。
    ま~周りの幼馴染の男の子は、
    女の子のスカートを捲(まく)るのに頑張ってるけど。。。。
    リュウお兄さんはもちろんしないよね。
 4つ、土の魔法、ちょっとした畑の畝(うね)作りに使う感じだね。
    上手な人だと、陶器を作るんだけど。

 大まかにわけてこの4つの魔法をここらの人は使っている感じだね。
 練習しても出来る人も入れば、出来ない人もいるし、1回だけしかできない子もいれば、日に何度も使える子もいるよ。

 ちなみに、使い過ぎて、魔素を操る魔力がなくなると気を失っちゃうので、気を付けるように。
 使えない人は使おうとしても、出来ないから気を失うことはないみたい。

 ならまずは、わかりやすくて安全な水の魔法からね。基本は、呪文とマジックワードを唱えることで、それに対応した効果がでるの。ちょっと見ててね。」

 腕を体の前に出し、人指し指をみて唱える
『万物の根源たる愛しき水よ。女神フェリシアの名の元にわが前に少量の飲み水を与えよ。ミネラルウォーター』

人指し指の前に少量の水球が発生する。
人指し指をクルンとまわし、桶の中へ水を入れる。

「ってこんな感じね。飲んでみると味気ないけど冷たくて、のど越しはいいよ。
 お兄さんも早速やってみようか。呪文が覚えられないだろうから、私の後に復唱してね」

『万物の根源たる愛しき水よ』『万物の根源たる愛しき水よ』
『女神フェリシアの名の元に』『女神フェリシアの名の元に』
『わが前に少量の飲み水を与えよ。』『わが前に少量の飲み水を与えよ。』
『ミネラルウォーター』『ミネラルウォーター』

ってこんな感じね。チルは水球を一指し指に留めながわ笑っている。
かくして僕はというと、、、、

発動はしたよ。したんだよ。本当だよ。でも
豆粒ほどの水球が出来たと思ったら、すぐに地面に落ちたんだよ。

「一発で決めるとはリュウ兄さん。やりますね~
(まいったな~しばらく一ヶ月ほど教えて、宿代とチップもらう予定だったのに。もしかすると、今日1日で終わっちゃう。ひえ~おかみさんに怒られるよ~。私もこれあてにしてちょっと可愛いスカート貯めたお金で使っちゃったのに。どうにかして引っ張らないと。)
でも、まだまだ、コントロールと魔素を扱う力が足りてないようだね。
出来る子供なら、コップ一杯の水は出せちゃいますよ。魔法は使えるみたいですから訓練あるのみですよ。」

「そっかそっか失敗したと思ってたけど、これは成功に入るんだな。
 なるほどね。神に祈りを捧げ、魔素を借りやすくし、マジックワードで方向性を定めているわけね。なんとなく魔法ってものがわかったわ。ありがと。
 ちなみに僕は、書いて覚えるタイプなんだよ。書くものってあるかな?」

「リュウさん。ほんとどこの人なんですか?実はどこか天空のお城の王子様だったりしますか?
 書くものなんて、そんな高価なものあるわけないじゃないですか!!
 基本宿のランチのメニューは、木板に墨字ですよ。重くて持ち歩けませんて。まさか、紙とか考えてます?

あんな1枚一年分の給料相当の品物もっているわけないじゃないですか!!
基本、一般ピーポーは、暗記ですよ。暗記。
言われたら、1で覚えて、2で発言し、3はないんですよ。」

リュウさんは小声でぼそっとつぶやく
「うっ、まさかそんな文明の世界だとは、もしかして唯一の趣味である本も読めんのか。。。。
思い出すとか、メモの機能が欲しいな~
でも、あれだな、昔のゲームは、ヒント見逃したり、忘れるとゲームが進まなかったなー。。。」

「わかったよ。なんとか復唱して、今日中に水の魔法は覚えるわ。まーそれまでは、土に木の棒で文字を書いておこう。」

と言って、日本語で書いたつもりが、この土地の言語に変わっていた。
なるほどこんな感じで見るのも聞くのも、話すのも書くのまで、自動で翻訳してくれるのか。
不気味ではあるけでども、正直、言語覚えるのは苦痛なのでありがたい。

かれこれ夕方まで練習して、ようやく水球をカンペなしで発動し、コントロールすることができた。
といっても自由に動かせるのは程遠く、水球を指に一定時間留まらせるだけだったのだ。

「リュウ兄さん。凄いですね。まさか半日足らずで水球の固定までできるとは。まだまだ水球の珠が豆粒サイズなのは可愛らしいですよね。ふふっ。魔素を掴む量は少ないですが、魔力自体は十分あるようですね」

「私なんか、日に5回も使えば気絶しちゃいますからね。あーあっ、お昼の火付けに1回、今日の練習の水球で2回、後一回だけか。夕食の火付け準備で今日は納めですね。」

「チルごめんね。そんなに貴重な魔法だったとは知らずにお願いしてしまった。 魔法の練習分のチップは弾ませてもらうよ。」
といって、チルの頭を撫でて、5000ループのチップを支払った。
 
「えっリュウさん。こんなにくれるの?やったー。
貴重な魔法回数削って教えたかがあったよ。
明日ももちろん練習するよね???
明日は、火付けの練習だよ。また、ランチ後にここに集合ね」

といってスキップしながら宿屋に帰っていきました。
少なくとも後3日はここにいるのか。。。。
1日1万ループの費用がかかるとすると、残り47日分てとこか。
早い所日銭を稼ぐ手段を見つけないとまずいかもしれんなー。

テンプレ勇者は、実家をベースに移動だけど、異世界転移勇者は、宿屋暮らしだからね。経費がかかるかかる。女神も王様も50ループで何をしろってんだか。はぁ~~~。先が思いやられる。

便利な魔法やスキルは使えるにしても、紙もペンもない世界で生活していくのは現代人にはちょっとハードル高くない?スマホもないよ。

しかも今日、午前中戦って、わかったのが運動能力が全然前の世界とちっとも変わっとらんてことだ。レベルアップもしないようだし、力や素早さの上昇も期待できない。

どうやって魔王の軍勢と一人で戦えというのだろうか?
テンプレ勇者なんて大嫌いだ。
どうせなら、チート系の異世界転移または転生にしてほしかったよ。
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