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風土病にはご用心5
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「それは、アカネお姉様をこのまま置いてということですか。それは出来ません。また、もし何かあったら………」
また、キャロットちゃんを泣かせてしまったんだよ。
「そうだぞ。アカネ。父さんは確かに命の危機に瀕してはいるが、それは今穴の中に落ちているアカネも一緒だぞ。もし、熊や狼が来たらどうするんだ?足が痛くて動けないんだろ。」
いやはや、確かに、マッシュ兄さんのおっしゃる通りで。でもね。二人が先に帰ってお父様を助けてくれると私はとても嬉しかったりするんだよ。
さぁ、どうやって二人を説得しよう?
「大丈夫だよ。マッシュ兄さん。もし、狼や熊が来ても、私がやっつけちゃうから。」
ちょっと空中にジャブを打って、強そうなそぶりをする。
「あのなーアカネ。いくらなんでもそれは無理だろう。僕がいても、武器もない状態では守りきれないよ。それを怪我しているアカネが素手でなんて、無茶にも程があるよ。」
うっ、普通のコメントで真面目に返されてしまったんだよ。確かに、私の女の子の非力な腕では難しいよね。うむむむ……
「マッシュ兄さん。ねら急いで帰って、それからロープか何か持ってきてよ。こんな何もないとこで、助けになるものを探すよりも急いで帰ってお父様に薬草を飲ませて、ロープを持って私を助けに来てくれた方が確実じゃない?ほら、鳥人さんがいたら、飛んで助けてくれそうだしね。
まー狼や熊が来ないようにじっと身を潜めて待っているよ。」
「確かに、なにも出来ずにここで無駄に時間を費やすよりかは、その方が確実だよな………」
確実とは思っていても、私、か弱い女の子一人を置いてくことがつっかえてるんだね。
「マッシュ兄様、それならマッシュ兄さん一人で走って帰って下さい。キャロットはここで熊さんが来ない様に見張ってますわ。」
あわわわ、まずいわ。まさかキャロットちゃんがそんなことを言うなんて。私一人でいた方がまだ安全だよ。こんな山の中で、幼いキャロットちゃんを残していくなんて絶対ダメだよ。
「キャロット。それはだめだ。アカネとキャロットの二人を置いていく方が、アカネ一人を置いていくよりよっぽど危ないよ。キャロット一緒に一度家に帰ろう。途中で、キャロットが鳥人の若いのに応援を頼んでくれ。僕は、薬草を渡してから、ロープを探して、ダッシュで戻ってくる。良く考えたがそれが一番確実だろう。」
「わっわかりましたわ。すぐに応援を呼んで参りますわ。それまでアカネお姉様気をつけて下さいね。」
「うん、ちゃんと元気にしてるから、慌てずに帰ってね。」
「よし方針は決まったな。キャロット後ろに乗れ。『疾走』の魔法を使って一気に走って帰るぞ。」
「はい、お兄様」
キャロットちゃんは、マッシュ兄さんにおんぶしてもらい、二人は、足元の悪い山の中を走って下山していった。
「さて、二人も行ったことだし、どうしよう?ただ、待っているだけってのは、ちょっとね。二人にはあぁ言ったけど、本当に熊や狼か出たら、流石に参っちゃうからね。」
また、キャロットちゃんを泣かせてしまったんだよ。
「そうだぞ。アカネ。父さんは確かに命の危機に瀕してはいるが、それは今穴の中に落ちているアカネも一緒だぞ。もし、熊や狼が来たらどうするんだ?足が痛くて動けないんだろ。」
いやはや、確かに、マッシュ兄さんのおっしゃる通りで。でもね。二人が先に帰ってお父様を助けてくれると私はとても嬉しかったりするんだよ。
さぁ、どうやって二人を説得しよう?
「大丈夫だよ。マッシュ兄さん。もし、狼や熊が来ても、私がやっつけちゃうから。」
ちょっと空中にジャブを打って、強そうなそぶりをする。
「あのなーアカネ。いくらなんでもそれは無理だろう。僕がいても、武器もない状態では守りきれないよ。それを怪我しているアカネが素手でなんて、無茶にも程があるよ。」
うっ、普通のコメントで真面目に返されてしまったんだよ。確かに、私の女の子の非力な腕では難しいよね。うむむむ……
「マッシュ兄さん。ねら急いで帰って、それからロープか何か持ってきてよ。こんな何もないとこで、助けになるものを探すよりも急いで帰ってお父様に薬草を飲ませて、ロープを持って私を助けに来てくれた方が確実じゃない?ほら、鳥人さんがいたら、飛んで助けてくれそうだしね。
まー狼や熊が来ないようにじっと身を潜めて待っているよ。」
「確かに、なにも出来ずにここで無駄に時間を費やすよりかは、その方が確実だよな………」
確実とは思っていても、私、か弱い女の子一人を置いてくことがつっかえてるんだね。
「マッシュ兄様、それならマッシュ兄さん一人で走って帰って下さい。キャロットはここで熊さんが来ない様に見張ってますわ。」
あわわわ、まずいわ。まさかキャロットちゃんがそんなことを言うなんて。私一人でいた方がまだ安全だよ。こんな山の中で、幼いキャロットちゃんを残していくなんて絶対ダメだよ。
「キャロット。それはだめだ。アカネとキャロットの二人を置いていく方が、アカネ一人を置いていくよりよっぽど危ないよ。キャロット一緒に一度家に帰ろう。途中で、キャロットが鳥人の若いのに応援を頼んでくれ。僕は、薬草を渡してから、ロープを探して、ダッシュで戻ってくる。良く考えたがそれが一番確実だろう。」
「わっわかりましたわ。すぐに応援を呼んで参りますわ。それまでアカネお姉様気をつけて下さいね。」
「うん、ちゃんと元気にしてるから、慌てずに帰ってね。」
「よし方針は決まったな。キャロット後ろに乗れ。『疾走』の魔法を使って一気に走って帰るぞ。」
「はい、お兄様」
キャロットちゃんは、マッシュ兄さんにおんぶしてもらい、二人は、足元の悪い山の中を走って下山していった。
「さて、二人も行ったことだし、どうしよう?ただ、待っているだけってのは、ちょっとね。二人にはあぁ言ったけど、本当に熊や狼か出たら、流石に参っちゃうからね。」
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