【完結・短編】創作スキルと占い師 〜小説家の卵に創作スキルは必要ですか?〜

近衛 愛

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創作スキルを使ってみよう。

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「うーん、いい絵が撮れたよ。栞決まってた。キメ顔バッチリだったよ。あははははっはっ。」

「もう、神奈ったら、笑わないでよ。恥ずかしいの我慢して
やったんだから。」

「それで、どう?なんか変わった?」

「特に感覚で変わったことはないよ。それより外見は変わっていることはない?」

「ないない。1ミクロンたりとも変わってないよ。栞は栞のままだよ。」

「そっよかった。人間やめたわけじゃなかったね。」

「じゃー、早速スキル使ってみようよ。さっきの話だと書いたことが実際に起きるんだよね。私ね、喉が渇いたからお水欲しいな。」


「テストしようにも、どこに書けばいいのかな?ねぇ神奈こう言う時漫画とかだったらどうなるの?」

「こう言う書いて実現系もいくつか確かにあったわね。ドリームノートとかデスノートとか。でもあれらって、別の世界?のものよね。ゲーム風に言うと、アーティファクト系ね。案外またスキルの名前を唱えたら、出てくるんじゃないの?ほらっ、スキルとか魔法とか使用する時って、スキル名叫ぶじゃない?必殺技じゃないけど、蛇王暗黒拳みたいな。」

「スキル名なら言ってもいいけど、そんな厨二病みたいに言われるとまたやりたくなるじゃないの。もー、神奈の意地悪。」

 ブーっと、神奈に向けて、口を膨らませて抗議する。

「創作スキル!」

 「……」

 「……」

「何にも出てこないね。」

「そうだね…やっぱりあれじゃない。スキルオーブ使う時みたいに腕を高くかかげて、格好よく言わないと使えないとか。」


「うーーっ、創作スキル使用」

  「……」

 「……」

 私は恥ずかしくて顔が真っ赤になる。せっかく我慢して、スキル名唱えてるのに………もう。

「あっはっはっ。栞ったら、キメ顔でせっかくしたのに。何にもおこんなかったね。ふっふふっ」

「もう、神奈ったら、絶対面白がってるでしょう。」

 私は神奈に向けて、近くにあった枕を投げつける。神奈は、何事もなく、枕をキャッシした。

「あはははっ。ごめんごめん。もうそこら辺のノートに書いてみるしかないんじゃないの。」

「はー、そうするしかないよね。」

 私は、新品のノートを本棚から取り出して、机の上に置いた。

「じゃー書くよ。『神奈に水を上げて』と。」

 シャープペンで丸文字で可愛く書いていく。

「何にも起こらないね。」

「だね~。はぁー、せっかく不思議なことに出会ったのに、分からないなんて、狐に化かされたかな?」

「それも栞からの話なら、そうなんだけど、私もスキルオーブの水晶玉が目の前から消えてなくなるのは見てるからね。なんか条件が足りないだけだと思うんだよね。」
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