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怪しい占い師の正体は? その2
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「それで私がその水晶玉を手に入れないとダメなんですね。おいくらなんですか?」
あーもうやだ。値段聞いて、高いって言ってさっさと帰ろう。それでダメならお店の人呼ぶなり、警察呼ぶなりして対応してもらおう。
「先程も言いましたが、悪徳商法ではありませんので、10万とか100万とかの値段がするものではありません。ただ……。」
「ただ……。」
もう早く言っちゃってよ。どうせ霊感商法なんでしょ。5000円か1万円か好きな値段を早く言いなさいよ。
「ただで差し上げるのはシステム上、出来ませんので、10円でも100円でも良いので対価をお願いします。」
そう言って占い師が頭を下げてくる。
「あの~、水晶玉って、購入するにも3000円くらいすると思うんですけど、そんな価格で赤字になりませんか?何のためにそこまで必死になって私に、その、スキルオーブを渡そうとするんです。と言いますか、そのスキルオーブを使ったとして、何のスキルが身につけられるんですか?」
「その点は大丈夫ですよ。これはクエストで手に入れたもので、このスキルオーブをあなた、栞さんにお渡しすることが今回の私のクエストなんです。是非とも達成しないといけないのでお願いします。
私としたことが、スキルの中身を説明していませんでしたね。こちらのスキルオーブには、『創作スキル』が入っています。」
「創作スキル???」
創作って、小説を作ることだよね。または、その作品自体のことを指すけど………?スキルやクエストは、私もそういう漫画を読むから分かるけど、このスキルは一体どんな技能を得られるのだろうか?
「ええ、創作スキルです。私の鑑定スキルでみた内容は、『書いたことが事実となる』というものです。私の鑑定レベルは高いのですが、これ以上の情報は出てきませんでしたし、他にも類似のスキルを持っている人もいませんでした。」
うーん、どうしようかな?話を聞いたら、この人は荒唐無稽なことは言っているけど、嘘は言ってないわね。私が受け取らないと、この占い師の方が困るみたいだし、ここは人助けだと思って気味が悪いけど受け取りますか。
「占い師さん、分かりました。では、こちら100円になります。」
小銭入れから100円を取り出し、占い師さんの手に渡した。
「よかった。本当に良かったです。トレードしてくれてありがとう。こちらがスキルオーブです。では、大分お時間とってもらいありがとうございました。あなたの今後に幸あらんことを」
占い師はそう言うと席を立った。
かと思えば占い師は消えてしまった。
いや消えたというよりも、私はなぜか通路に立ったままだった。食品売り場に繋がる通路に立っていた。
「あれ、なんでこんなことになってるの?まさか、これが噂に聞く白昼夢?いや、夢にしてはリアル過ぎるはね。」
手を見ると、その中には先程占い師からトレードしたスキルオーブがあった。
スキルオーブがあるってことは、これは現実にあったことなのよね。スキルやら、クエストとやら色々あったけど、これが現実にあるってこと。小説の様な空想の話が現実になっている?
ということは、私がこのスキルオーブを使えば、スキルが使えるってことよね。
気味が悪いことは気味が悪い。何故私だけにそういうことが起こったのか?もしかしたら、私以外でも同じ様にしてスキルオーブを受け取った人はいるのかもしれない。
頭がおかしいと他の人けら言われるのを避ける為に、秘匿してるのかもしれない。
わたしは、少しワクワクしながら、買い物をして家に帰った。
あーもうやだ。値段聞いて、高いって言ってさっさと帰ろう。それでダメならお店の人呼ぶなり、警察呼ぶなりして対応してもらおう。
「先程も言いましたが、悪徳商法ではありませんので、10万とか100万とかの値段がするものではありません。ただ……。」
「ただ……。」
もう早く言っちゃってよ。どうせ霊感商法なんでしょ。5000円か1万円か好きな値段を早く言いなさいよ。
「ただで差し上げるのはシステム上、出来ませんので、10円でも100円でも良いので対価をお願いします。」
そう言って占い師が頭を下げてくる。
「あの~、水晶玉って、購入するにも3000円くらいすると思うんですけど、そんな価格で赤字になりませんか?何のためにそこまで必死になって私に、その、スキルオーブを渡そうとするんです。と言いますか、そのスキルオーブを使ったとして、何のスキルが身につけられるんですか?」
「その点は大丈夫ですよ。これはクエストで手に入れたもので、このスキルオーブをあなた、栞さんにお渡しすることが今回の私のクエストなんです。是非とも達成しないといけないのでお願いします。
私としたことが、スキルの中身を説明していませんでしたね。こちらのスキルオーブには、『創作スキル』が入っています。」
「創作スキル???」
創作って、小説を作ることだよね。または、その作品自体のことを指すけど………?スキルやクエストは、私もそういう漫画を読むから分かるけど、このスキルは一体どんな技能を得られるのだろうか?
「ええ、創作スキルです。私の鑑定スキルでみた内容は、『書いたことが事実となる』というものです。私の鑑定レベルは高いのですが、これ以上の情報は出てきませんでしたし、他にも類似のスキルを持っている人もいませんでした。」
うーん、どうしようかな?話を聞いたら、この人は荒唐無稽なことは言っているけど、嘘は言ってないわね。私が受け取らないと、この占い師の方が困るみたいだし、ここは人助けだと思って気味が悪いけど受け取りますか。
「占い師さん、分かりました。では、こちら100円になります。」
小銭入れから100円を取り出し、占い師さんの手に渡した。
「よかった。本当に良かったです。トレードしてくれてありがとう。こちらがスキルオーブです。では、大分お時間とってもらいありがとうございました。あなたの今後に幸あらんことを」
占い師はそう言うと席を立った。
かと思えば占い師は消えてしまった。
いや消えたというよりも、私はなぜか通路に立ったままだった。食品売り場に繋がる通路に立っていた。
「あれ、なんでこんなことになってるの?まさか、これが噂に聞く白昼夢?いや、夢にしてはリアル過ぎるはね。」
手を見ると、その中には先程占い師からトレードしたスキルオーブがあった。
スキルオーブがあるってことは、これは現実にあったことなのよね。スキルやら、クエストとやら色々あったけど、これが現実にあるってこと。小説の様な空想の話が現実になっている?
ということは、私がこのスキルオーブを使えば、スキルが使えるってことよね。
気味が悪いことは気味が悪い。何故私だけにそういうことが起こったのか?もしかしたら、私以外でも同じ様にしてスキルオーブを受け取った人はいるのかもしれない。
頭がおかしいと他の人けら言われるのを避ける為に、秘匿してるのかもしれない。
わたしは、少しワクワクしながら、買い物をして家に帰った。
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