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神様からの贈り物1

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「ねぇーパパ。抱っこして」

 可愛い女の子を抱っこする。僕の一日は抱っこから始まる。

 決して断っておくが、僕は結婚はしていないし、この娘は、僕の血の繋がりのある女の子でもない。いや繋がりがあるといえばなくもない。血縁者であることは間違いはない。

 なんせ僕は女性とそういうことをした経験がこれまでに一度もないのだから、自分の子が出来るわけなんてないんだ。

 このお話はある日、僕がパパになって、義理の娘と生活するお話だ。

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「プルルル、プルルル」

 「おー、大和か。元気してるか?結婚して、半年だろう?」

「学(まなぶ)兄さん。そんな悠長に話してる場合じゃないよ。俊次(としつぐ)兄さん夫妻が、交通事故で瀕死の重体たって………。」

「いや、ヤマト、言っていい冗談と悪い冗談があるぞ。流石にその冗談は笑えないよ。」

「兄さん。信じたくない気持ちも分かるんだけど、これは事実なんだよ。僕も病院から電話がかかってきて、詳しい話は分からないんだけど。」

「分かった。すぐ行く。」

 僕は、急いで車に乗り指定の病院に向かった。手術室に向かうと、先生がおり首を横に振っていた。

 隣には先に着いていたヤマト達がいた。父さんと母さん達はまだ着いていない様だ。ヤマトの手には、小さい産まれて間もない赤ん坊がいた。

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 先日産まれたばかりの子だ。俊次がうちの神山家で唯一の女子だ。家の家系は、男が強いみたいで、長男の僕を筆頭に6人兄弟全てが男という家系だ。因みにうちの父は一人っ子。母は3姉妹の次女である。

 従姉妹は全て女子という徹底具合だ。何故うちだけ?父は、いつも女の子が欲しかったと言っていた。もはや定番のお笑いネタで、みんな呆れ果てていた程だ。

 因みに僕は結婚していないが、弟達は全て結婚して子供もいる。俊次の子以外は、全て男の子という徹底具合だ。

 出産の時は、家族みんなで立ち会っている。基本うちは、産まれてくるまでは、性別の判断はしていない。だってその方が嬉しいでしょう。まーらお嫁さん方にはいらぬプレッシャーをかけている気もするけどね。。。。

 俊次の時も赤子が生まれてきて、
「元気な女の子が生まれましたよ~」

 と言われるまでドキドキものである。

男の子が産まれても、うちは後継産まれて、ヤッホーだし、そもそも家の家族は、6人兄弟もあって、上の兄弟は子供の頃から弟の世話、赤ん坊の世話をしてきたのもあり、子供が大好きなやつが多いんだ。

 逆に下に行けば行くほどに、赤ん坊をどう扱っていいか分からず、あたふたして、子供とコミュニケーション取れない弟が多くなっている。





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