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第12章 人間と物の怪の懇親会

【120】ダンジョン2階の準備4

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「ウィーンさん、私達が思う存分ダンジョン探検出来るって。もしかして、私たちが首になるってことですか?」

 あれれ?一体どうしてそんなことになるのだろうか?人がいないから、二人には入っていてほしくて、その二人に時間を作るために、人を雇う様に動くのではあるのだが………。

 一人二人増えたとしても、時渡さんや天宮君レベルになるには時間がかかると思うし、もし仮にそのレベルに瞬時に出来たとしても、二人を解雇してしまっては、現状と変わらなくなってしまう。

 それは私は望んでない。言葉の選び方を間違えたのですかね?

「いえいえ時渡さん二人を解雇するなんてことは考えていませんよ。」

 もし、仮に二人がダンジョンや物の怪の秘密を知ってしまったとしても、かんな優秀は二人は手放すのは惜しいですからね。

「でしたら、どういう意味か教えて下さいませんか?」

「そんなに深い意味はないのですが、もう少し人数を増やして、二人に週2日か3日はお休み出来る様にと考えていますよ。それに二人はよく働いてくれますし、他の従業員とも仲が良いですからね。」

「ナナちゃん考え過ぎだって、ウィーンさんが僕らを解雇するなんて、ないですよ。」

「それもそうよね。ウィーンさん私達のことを考えてくれてありがとうございます。」 

 よかった納得してもらえた様だ。言葉選びも十分相手に配慮して行う必要がありますね。上に立つから尚更ということですか。下手に忖度されて意図していないことを相手にしてしまうのは申し訳ないですからね。

 昨今のニュースでは、政治家に忖度しての事件がかなり多い。上層部を庇う為に、下が勝手に良い様に判断して、さらに下に指示しているのが多い。

 ダンジョンマート金沢店では、TOP私、ウィーンで、その下に正社員の雪那さんたち、そこから下でアルバイトの時渡さん達となっている。これが組織のピラミッド構造である。

 まだ上とのコミュニケーションが比較的とりやすいこの店でもそんなことは簡単に起こりうるのかもしれない。今回みたいに面と向かって、言ってくれれば誤解も解きやすいし、指示が正常に行なっているのかは判断出来るのですが………

 これはまだ、1対10人未満、片手で数えられる人数だから出来るのですが、その人数が増えだすと………50人でも完全に処理が出来なくなりますし、100人単位となるともっての他ですね。

 とてもではありませんが、一人一人説明してというのは難しいというか無理になってきます。その為、各会社や組織では、少数単位のチームを作り、部門を作り、課を作り、専門性を高めて、さらに指示が伝達する様にリーダーや長を設置しているんですよね。

 優秀な部下に、思いや意図をしっかりと伝えれば、残りの部下達には、その優秀な、方々がしっかりと判断して伝えくれますから。

 僕もいずれは、ヨシさんの大阪支店や、サクラちゃんの東京支店の様に大きくしていくので、ゆくゆくはそれくらいの人数を捌ける様にならなければなりませんね。


 その場を後にして、制御室に戻った。

「小咲ちゃん。ポスターはあれでOKですので、進めて下さい。それと、スタッフの採用の件て今どうなっていますか?」

「了解しました。ウィーンさん。では、ホームページ並びにミリィちゃんにお願いして公式SNSで情報を随時発信していきます。スタッフの件はですね。内容と条件を簡単にまとめて、配布用の資料を作成中になります。かなりお急ぎになりますか?」
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