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【閑話】年末のダンジョン
【閑話】お正月その7
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「ありがとみゃ~。ご主人。もう一回行くニャー」
「ああ、こい。ミリィ。ついたら何度でも剥がしてあげるよ。」
「ぺったん」
今度は、餅が杵にくっつかずに綺麗に剝がれた。
「ご主人、上手くいったみゃ~」
また餅米を中央に寄せる。そして、水をぺしゃっと中央に叩きつける。
「よいしょ、はいっ」
「いっくみや~」
何度かついて、相の手を入れたら、だんだん調子が合ってきて、さらには途中から小咲先生の
「パンっパンッ」
という拍子が、僕とミリィの動作を促すようにリズムをとって行われた。
「パンっ」「ペッたん」
「パンっ」「ぺしっ」
「パンっ」「ペッたん」
「パンっ」「ぺしっ」
・
・
・
・
途中からどんどんスピードが上がって、危うくちょっと、手間取って餅を中央に寄せたら、ミリィが杵を振り下ろしてくる一面もあったりと、油断が出来ない状況になったりもした。でも、そのスピィーディーな作業の結果
「は~~い、お二人ともお疲れ様、もういいですよ~~」
小咲先生からのお墨付きの合格が出た。慣れない作業に疲れて、終わった途端僕は地面に座ってしまった。汗も出ていたので拭おうとすると、べちょっと、白い物体が顔につく。
「んっ、なんかついたぞ」
「ご主人。にゃはははは~~~~。お餅が顔についているにゃ~~」
「えっ、お餅?あ~~~、相の手を入れてたから、掌(てのひら)の所々にお餅の断片がついている」
「ウィーンさん、水に濡らしていても、どうしてもお餅はこびりついちゃうんですよ。早くとらないと、固まって取れにくくなりますよ。」
「え~~~~っ、そうなんですか。あっ、そういえばさっき髪も触ってたような。」
「そうなんですか?どれどれ、ちょっとしゃがんで下さいね。あっ確かに少し、ついてしまってますね。ちょっと水に濡らして・・・・っと、大きいのは取れましたよ。残りは取れないですから、お風呂に入ったときにでも落としてくださいね。自分の手についたやつは食べちゃってくださいね。ちょっと塩味が効いていて美味しいですよ。」
「小咲ちゃんありがとう。」
もぐっと手についたやつを食べてみる。うん、確かに少し塩味が効いていて
「美味しいですね。つきたてのお餅ってこんなに美味しいものなんですね」
「へへへっ、つきたてが美味しいのもありますけど、体を動かした後ですからね余計に美味しく感じるんですよ。」
その後も、蒸籠が次々と上がってくるので、交代で餅をついていた。出来上がったお餅は交代交代で休憩をしながら整形をしていった。今から軽く生食するお餅、それに職場や受付に飾るようの鏡餅、そして、カキモチも作ることになった。カキモチは、冷蔵庫のない時代に保存食という意味で作られることが多かったそうだ。
長方形の木枠に、剥離用の小麦粉を満遍なくつけ、先ほどついたお餅をどんどん入れて、空気が入らないように押し詰めていく。その後に、また小麦粉を剥離用に上からまぶしていく。そのうえに薄い紙をしいて、重りを乗せ完成だ。あとはある程度冷めて、固めるまで放置して、固まったら、薄く切っていって、風通しの良い所で干しておけば完成だ。
その日は、出来上がりのお餅を色々な味付けで食べて、一段落した。年末ももう残りわずかだ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
新しい年までもう僅かな時間となった。遊びに来てくれた皆さんがスキーや温泉、オアシスで遊んでいる間に、僕とミリィと小咲ちゃんは、制御室の掃除や身の回りのお正月の準備に明け暮れていた。
それも夕方までになんとか終わり、宴会上になっているダンジョン2階フロアの雪山:別称物の怪の集いに集まった。
そこにつくと遊びに来てくれた玉藻姉さん達が、既に温泉にどっぷりと浸かって、お酒を飲んでいた。他の人は男女別に温泉に入っているが、相変わらず雪那さんだけは、一人で冷泉に浸かっている。
僕らも、ヨシさんと天満さんがゆでてくれたお蕎麦に、玉藻姉さんとサクラちゃんが揚げてくれた天ぷらと、雪那さんがおろしてくれた、大根おろしに山芋をかけた特性天ぷらそばを温泉につかりながら食べていた。
今年も残りわずかである。
「あ~~美味しいですね。このお蕎麦」
「そやろ、戸隠そばやさかいな。味わってくえやそうそう味わえるもんやないで。」
「ウィーンちゃん、天ぷらはどうかな?揚げたて熱々だよ。」
「サクラちゃんこれも美味しいですよ。」
「ウィーンさん、これもいれたら美味しいですよ。先ほど焼き上げたお餅です。どうぞ。」
小咲ちゃんは、あろうことか先日ついたお餅を温泉近くに簡易、竈を置いて、網焼きしたようだ。ぷく~~~っと膨れ上がったお餅が、『ぽちょん』とお蕎麦のつゆの中に入れられる。
「え~~っと、お蕎麦にお餅って入るものなんですか?」
「わいはあんまり聞かへんな。でも、大阪やと、ご飯のおかずにお好み焼きや、タコ焼きを食べるから似たようなもんやないか?」
「ふっふっふっ、ま~騙されたと思って食べて下さいよ。お雑煮と似たようなものですから、お蕎麦のつゆを吸って、お餅がいい感じになるんですよ。」
「ああ、こい。ミリィ。ついたら何度でも剥がしてあげるよ。」
「ぺったん」
今度は、餅が杵にくっつかずに綺麗に剝がれた。
「ご主人、上手くいったみゃ~」
また餅米を中央に寄せる。そして、水をぺしゃっと中央に叩きつける。
「よいしょ、はいっ」
「いっくみや~」
何度かついて、相の手を入れたら、だんだん調子が合ってきて、さらには途中から小咲先生の
「パンっパンッ」
という拍子が、僕とミリィの動作を促すようにリズムをとって行われた。
「パンっ」「ペッたん」
「パンっ」「ぺしっ」
「パンっ」「ペッたん」
「パンっ」「ぺしっ」
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途中からどんどんスピードが上がって、危うくちょっと、手間取って餅を中央に寄せたら、ミリィが杵を振り下ろしてくる一面もあったりと、油断が出来ない状況になったりもした。でも、そのスピィーディーな作業の結果
「は~~い、お二人ともお疲れ様、もういいですよ~~」
小咲先生からのお墨付きの合格が出た。慣れない作業に疲れて、終わった途端僕は地面に座ってしまった。汗も出ていたので拭おうとすると、べちょっと、白い物体が顔につく。
「んっ、なんかついたぞ」
「ご主人。にゃはははは~~~~。お餅が顔についているにゃ~~」
「えっ、お餅?あ~~~、相の手を入れてたから、掌(てのひら)の所々にお餅の断片がついている」
「ウィーンさん、水に濡らしていても、どうしてもお餅はこびりついちゃうんですよ。早くとらないと、固まって取れにくくなりますよ。」
「え~~~~っ、そうなんですか。あっ、そういえばさっき髪も触ってたような。」
「そうなんですか?どれどれ、ちょっとしゃがんで下さいね。あっ確かに少し、ついてしまってますね。ちょっと水に濡らして・・・・っと、大きいのは取れましたよ。残りは取れないですから、お風呂に入ったときにでも落としてくださいね。自分の手についたやつは食べちゃってくださいね。ちょっと塩味が効いていて美味しいですよ。」
「小咲ちゃんありがとう。」
もぐっと手についたやつを食べてみる。うん、確かに少し塩味が効いていて
「美味しいですね。つきたてのお餅ってこんなに美味しいものなんですね」
「へへへっ、つきたてが美味しいのもありますけど、体を動かした後ですからね余計に美味しく感じるんですよ。」
その後も、蒸籠が次々と上がってくるので、交代で餅をついていた。出来上がったお餅は交代交代で休憩をしながら整形をしていった。今から軽く生食するお餅、それに職場や受付に飾るようの鏡餅、そして、カキモチも作ることになった。カキモチは、冷蔵庫のない時代に保存食という意味で作られることが多かったそうだ。
長方形の木枠に、剥離用の小麦粉を満遍なくつけ、先ほどついたお餅をどんどん入れて、空気が入らないように押し詰めていく。その後に、また小麦粉を剥離用に上からまぶしていく。そのうえに薄い紙をしいて、重りを乗せ完成だ。あとはある程度冷めて、固めるまで放置して、固まったら、薄く切っていって、風通しの良い所で干しておけば完成だ。
その日は、出来上がりのお餅を色々な味付けで食べて、一段落した。年末ももう残りわずかだ。
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新しい年までもう僅かな時間となった。遊びに来てくれた皆さんがスキーや温泉、オアシスで遊んでいる間に、僕とミリィと小咲ちゃんは、制御室の掃除や身の回りのお正月の準備に明け暮れていた。
それも夕方までになんとか終わり、宴会上になっているダンジョン2階フロアの雪山:別称物の怪の集いに集まった。
そこにつくと遊びに来てくれた玉藻姉さん達が、既に温泉にどっぷりと浸かって、お酒を飲んでいた。他の人は男女別に温泉に入っているが、相変わらず雪那さんだけは、一人で冷泉に浸かっている。
僕らも、ヨシさんと天満さんがゆでてくれたお蕎麦に、玉藻姉さんとサクラちゃんが揚げてくれた天ぷらと、雪那さんがおろしてくれた、大根おろしに山芋をかけた特性天ぷらそばを温泉につかりながら食べていた。
今年も残りわずかである。
「あ~~美味しいですね。このお蕎麦」
「そやろ、戸隠そばやさかいな。味わってくえやそうそう味わえるもんやないで。」
「ウィーンちゃん、天ぷらはどうかな?揚げたて熱々だよ。」
「サクラちゃんこれも美味しいですよ。」
「ウィーンさん、これもいれたら美味しいですよ。先ほど焼き上げたお餅です。どうぞ。」
小咲ちゃんは、あろうことか先日ついたお餅を温泉近くに簡易、竈を置いて、網焼きしたようだ。ぷく~~~っと膨れ上がったお餅が、『ぽちょん』とお蕎麦のつゆの中に入れられる。
「え~~っと、お蕎麦にお餅って入るものなんですか?」
「わいはあんまり聞かへんな。でも、大阪やと、ご飯のおかずにお好み焼きや、タコ焼きを食べるから似たようなもんやないか?」
「ふっふっふっ、ま~騙されたと思って食べて下さいよ。お雑煮と似たようなものですから、お蕎麦のつゆを吸って、お餅がいい感じになるんですよ。」
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