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第12章 人間と物の怪の懇親会
【102】人間と物の怪の懇親会2
しおりを挟む席順は、
小咲ちゃん、時渡さん、雪那さん
ーーーーーーーーーーーーーー通路側
ウィーン、天宮君、天魔さん
という並びにした。とういのも僕のうっかりが起こしてしまったミスによるものだ。よりによって、熱に弱い雪那さんがいるのに、若人の要望により焼き肉にしてしまったことだ。
発覚したのは、テーブルに着いて席にいざ座ろうとしてからだ。焼肉のプレートを見た時に気付いたのである。うん、雪那さんも、焼肉に行くといった時も別に反応はなかったので、気づくのが遅れてしまった。
時渡さんや天宮君達は、一般マナーとして、年齢的にも下で役職的にも一番下の私達が、出入りの多い通路側に座ると言ったのだが、今日は、二人がメインだと言って真ん中に座らせた。
建前でもなんでもなく、今回の主役はバイトのお二人なので、問題はなかったし。そんな理由で雪那さんを通路側に座らせることに成功した。
後は食事の問題である。雪那さんは、人間の食べる物も食べれることは食べれるが、いかんせん雪女として、最悪の環境である夏にして、涼しくなる前の夕方であり、さらに高温が発生するコンロ、この3コンボが発生している状態なのでいつ体調を、崩すか分からない。
天宮君や時渡さんがダンジョンの秘密を探っているので、あまり不審な行動をすると、疑われて、物の怪の存在まで嗅ぎつけられるかもしれない。
懇親会なので、和やかに団欒出来ると思っていたのだが、気の抜けない懇親会となってしまった。かくゆう僕も、ニンニクを食べるとアレルギー反応が出て、体調が崩れてしまう。これ見よがしな、吸血鬼の弱点のためなるべく悟られないようにしなければならない。
小咲ちゃんも元が猫のため、比較的熱いものはNGなんだそうだ。カップラーメンも、熱いお湯を、入れて3分経った後に水を足して、冷ましてから、フーフーして食べるレベルである。猫が猫舌とは、洒落にならないものである。
物の怪特有の割と伝聞にありがちな、弱点を各々有しており、それが揃ってしまう焼肉屋にしてしまうとは、浅はかでした。
それでも懇親会は飲み物も揃ったので始まってしまうのでした。
「では、天宮君と時渡さん、小咲ちゃん、天魔さん、雪那さん皆さん来てくれてありがとうございます。普段の疲れをとってたらふくお肉を、頂いてこの熱い夏を乗り切りましょう。乾杯~」
「乾杯~」
「さぁー食べ物をとりに行きましょう。」
わさわさと、食べ物を取りに行く。天魔さんは、割と食べられないものがないようなので、野菜、肉と色んな種類を持って来た。
天宮君はお肉が若いだけあって好きなのか野菜より多めに持っていく来ている。なっているお肉が整然と並べてあり、こだわりが伺える。
雪那さんは、肉一切なしの、焼肉用の野菜ではなく、サラダ、かき氷、カキ氷、アイスと火が通らないもの全般である。いやはや、もはや注意しておくことも出来ないので、気づかないように祈るばかりである。
小咲ちゃん、時渡さんに関しては、天魔さんと同様である。
僕自身も、そこまでガッツリ肉という程もないので、豚バラと豚トロ、野菜各種。そして、白ご飯、チャーハン、ビビンバなどのメインを多めに取っていく。
いざお肉を焼こうとしたら
「待ってください。ウィーンさん。中央は火の通りにくい野菜を、置いてください。肉はなるべく端の方でじっくり焼きます。この方が時間はかかりますが、焦げる心配は少ないです。」
目がキリッとして、焼肉に対しての蘊蓄を天宮君が話し出した。これはどういうことなのだろうか?日本には、食に纏わるお奉行様がいると聞いたことがあるが………。訳が分からず、時渡さんの方を見ると。
「あの~実は、トシ君は、焼肉奉行でして、焼肉を仕出すと少し性格が変わるんです。基本言う通りにしてれば美味しい焼肉が食べれますので、少し小煩いかも知れませんが。」
「ウィーンさんは、日本に来たばかりなのでご存じないかも知れませんが、鍋物をする時は美味しく食べるために何処かに鍋奉行が存在します。焼肉奉行も私自身は聞くのは初めてですが恐らく同じ人種ですね。焼肉に対するこだわりが強く、より美味しく食べるため、より相手に美味しく食べてもらうために自分の研究した結果を惜しみなく出す方々です。」
「なるほど焼肉奉行とは初めて聴きました。と言うことは天宮君に任せておけば、最高の焼肉が食べられるといたことですね。」
「ええ、そうなります。日の通ったお肉も瞬時に見抜くので、私達か網に目を光らせる必要もありませんから、おしゃべりと食べるの重視で良いので基本的には楽ですよ。鍋奉行が、一人なら。」
時渡さんが若干不安を煽ることを最後に言ってきた。
「えつ、奉行が複数いる場合もあるんですか?その時はどうなるんです?位の高い奉行のいうことを聞くのですか?」
「奉行は、各々ありますから、まれに一緒にすることもあるです。私も高校のクラスでバーベキューをやった時は大変でしたよ。奉行が1人いれば、美味しい焼肉が、二人いたら焦げた焼肉を、食べることになるんですよ。」
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