89 / 138
第10章 物の怪の新たな人材と朝活デビュー
【088】営業6日目 小咲さんのスカウトその5
しおりを挟む
「ふぁー、あったかそうですね。ここは寒いのであったまって戻りたいです」
「今は就業時間中ですので、我慢して下さいね。どうしてもというなら、そちらの温泉なら入ってもいいですよ。」
と僕は、ある一つの温泉を指さした。
「やった~!!って、ウィーンさんこの温泉、他のと違って湯気がたってないんですけど。」
と、不思議に思って小咲さんは、その温泉に近寄って、しゃがみ人差し指をちょんとお湯につける、
「つ、つめ、冷たーーーーーーーい。ちょっとウィーンさん。温泉のバグはあらかたスタッフでとったって言ってませんでした?これバグが思いっきり残ってますよ。温度がほぼ0度ぐらいじゃないですか。バグですバグです。バグバグのバグバグです」
小咲さんがバグを見てバグってしまっている。いやはや見てて可愛いけど、可哀想になってくるから事情を説明しておこう。
「小咲さん、その温泉はバグじゃありませんよ。まー元々はバグだったんですけど、バグじゃなくなったんですよ。」
意味が分からないと言った顔で、可愛いらしく人差し指を口元に当てて、首を傾げている。
「バグだったけど、バグじゃなくなった?意味が分かりませんよ。バグじゃなかったら狙ってやっているということですか?」
「そうそうそうです。その冷水温泉は狙ってそのままにしてあります。というよりも一部のごく一部のスタッフからの強い要望も、ありましてそのままバグを残してあるんです。」
「ええっと、誰がそんな冷たい温泉に入って喜ぶって言うんですか?あっ、もしかしてこの雪山に住んでる雪那さんです?」
「ピンポンピンポン大正解ですよ。雪女の物の怪ですから、熱い温泉には入らないので、冷たい温泉を強く御所望されました。」
「はーーーっ、でもそれって、雪那さん以外は入らないから、やっぱり冒険者相手で考えると不要になるのでは?」
「まーそれは実際に公開してみてから考えても遅くはないですよ。それに注意書きの看板を作成する予定ですしね。雪山にしたのも、そもそも、雪那さんが最近の気温上昇でまいっていたからですし、それに比べたら微々たるものですよ。」
「えっ、このフロアはそもそも雪那さんのために作られたんですか?それはまた、なんでなんですか?」
僕は、その経緯を淡々とお話しした。話がややこしくなるので、妲己姉さんのエピソードは全カットです。
「うっ、うっ、うーーーーーっ。」
小咲ちゃんが涙ぐんでしまった。人間に間違えて撃たれて、死ぬ直前までいった話はちと強烈過ぎたようだ。
「そんなことがあったのに、ここで、人間相手にあんなに明るく接してるんですね。雪那さんえらいですね。私も、昔は、人間の子供に石投げられたりしましたねー。あの頃は弱かったので、逃げるしかなかったし諦めてましたけど。
今なら、確実に倍返ししてますよ。復讐もせずにお仕事頑張る雪那さん。素敵ですね。」
「うん、僕もそんなことがあったので、ダンジョンを雪山にして、雪那さんに提供している訳なんだ。物の怪が悪い訳ではないし、それなのに不憫な状況になるのがね。。。。」
「ウィーンさん、私、ウィーンさんに感激しました。そうです。物の怪は、人間に迫害されたり、環境を変えらたりして、困っている物の怪が大勢いるんです。私達って人間の中では空想の存在ですし、バレるわけにも行きませんから、何も出来ないですけど、困ってる一口は沢山いると思います」
「きっと僕もそうだと思うんだ。だから、そんな物の怪達に居場所を提供したい。出来るなら、復讐も別の形でさせてあげたい。現実でやってしまえば、操作が入り、僕たちの存在がバレるかも知らないから。
ダンジョンの中でモンスターとして、動けばレアなキャラとして合法的に、人間に復讐が出来ると思うんだ。」
「僭越ながら、私小咲は、ウィーンさんの考えに全面的に賛同し、お手伝いすることをここに、誓います!」
「うん、物の怪のスタッフの採用は、そういう意味もあるから宜しく頼むよ。雪那さんの時は、たまたま遭遇しただけで、僕には土地勘がないから、この辺の物の怪で困っている人がどこにいるか分からないからね。」
「任せて下さい。」
バシンと小咲ちゃんが自分の胸を大きく叩く。
「私は長いこと、金沢をベースに生活してますから、地域由来の物の怪ともご縁がありますし、土地勘もバッチリです!
私をスタッフに誘ってくれてありがとうございます。物の怪の豊かな社会のため、私は誠心誠意、元気いっぱいに頑張ります!」
なんか、最後の方の言葉がおかしいような気もするけど、小咲ちゃんのやる気が漲ってきたようで良かったよ。
「今は就業時間中ですので、我慢して下さいね。どうしてもというなら、そちらの温泉なら入ってもいいですよ。」
と僕は、ある一つの温泉を指さした。
「やった~!!って、ウィーンさんこの温泉、他のと違って湯気がたってないんですけど。」
と、不思議に思って小咲さんは、その温泉に近寄って、しゃがみ人差し指をちょんとお湯につける、
「つ、つめ、冷たーーーーーーーい。ちょっとウィーンさん。温泉のバグはあらかたスタッフでとったって言ってませんでした?これバグが思いっきり残ってますよ。温度がほぼ0度ぐらいじゃないですか。バグですバグです。バグバグのバグバグです」
小咲さんがバグを見てバグってしまっている。いやはや見てて可愛いけど、可哀想になってくるから事情を説明しておこう。
「小咲さん、その温泉はバグじゃありませんよ。まー元々はバグだったんですけど、バグじゃなくなったんですよ。」
意味が分からないと言った顔で、可愛いらしく人差し指を口元に当てて、首を傾げている。
「バグだったけど、バグじゃなくなった?意味が分かりませんよ。バグじゃなかったら狙ってやっているということですか?」
「そうそうそうです。その冷水温泉は狙ってそのままにしてあります。というよりも一部のごく一部のスタッフからの強い要望も、ありましてそのままバグを残してあるんです。」
「ええっと、誰がそんな冷たい温泉に入って喜ぶって言うんですか?あっ、もしかしてこの雪山に住んでる雪那さんです?」
「ピンポンピンポン大正解ですよ。雪女の物の怪ですから、熱い温泉には入らないので、冷たい温泉を強く御所望されました。」
「はーーーっ、でもそれって、雪那さん以外は入らないから、やっぱり冒険者相手で考えると不要になるのでは?」
「まーそれは実際に公開してみてから考えても遅くはないですよ。それに注意書きの看板を作成する予定ですしね。雪山にしたのも、そもそも、雪那さんが最近の気温上昇でまいっていたからですし、それに比べたら微々たるものですよ。」
「えっ、このフロアはそもそも雪那さんのために作られたんですか?それはまた、なんでなんですか?」
僕は、その経緯を淡々とお話しした。話がややこしくなるので、妲己姉さんのエピソードは全カットです。
「うっ、うっ、うーーーーーっ。」
小咲ちゃんが涙ぐんでしまった。人間に間違えて撃たれて、死ぬ直前までいった話はちと強烈過ぎたようだ。
「そんなことがあったのに、ここで、人間相手にあんなに明るく接してるんですね。雪那さんえらいですね。私も、昔は、人間の子供に石投げられたりしましたねー。あの頃は弱かったので、逃げるしかなかったし諦めてましたけど。
今なら、確実に倍返ししてますよ。復讐もせずにお仕事頑張る雪那さん。素敵ですね。」
「うん、僕もそんなことがあったので、ダンジョンを雪山にして、雪那さんに提供している訳なんだ。物の怪が悪い訳ではないし、それなのに不憫な状況になるのがね。。。。」
「ウィーンさん、私、ウィーンさんに感激しました。そうです。物の怪は、人間に迫害されたり、環境を変えらたりして、困っている物の怪が大勢いるんです。私達って人間の中では空想の存在ですし、バレるわけにも行きませんから、何も出来ないですけど、困ってる一口は沢山いると思います」
「きっと僕もそうだと思うんだ。だから、そんな物の怪達に居場所を提供したい。出来るなら、復讐も別の形でさせてあげたい。現実でやってしまえば、操作が入り、僕たちの存在がバレるかも知らないから。
ダンジョンの中でモンスターとして、動けばレアなキャラとして合法的に、人間に復讐が出来ると思うんだ。」
「僭越ながら、私小咲は、ウィーンさんの考えに全面的に賛同し、お手伝いすることをここに、誓います!」
「うん、物の怪のスタッフの採用は、そういう意味もあるから宜しく頼むよ。雪那さんの時は、たまたま遭遇しただけで、僕には土地勘がないから、この辺の物の怪で困っている人がどこにいるか分からないからね。」
「任せて下さい。」
バシンと小咲ちゃんが自分の胸を大きく叩く。
「私は長いこと、金沢をベースに生活してますから、地域由来の物の怪ともご縁がありますし、土地勘もバッチリです!
私をスタッフに誘ってくれてありがとうございます。物の怪の豊かな社会のため、私は誠心誠意、元気いっぱいに頑張ります!」
なんか、最後の方の言葉がおかしいような気もするけど、小咲ちゃんのやる気が漲ってきたようで良かったよ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
43
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる