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【閑話】ハロウィンイベント

【閑話】ハロウィンイベント2

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さて、この件の犯人は誰だろうって、状況証拠から見て、あの場の女性陣全員だろう。まーせっかくだし、このまま様子を見てから、お仕置きを考えようか。

ダンジョンマートに戻ると8時を過ぎていた。まだ、並んでいる人はいないみたい。よっぽどでないと、行列は出来ない
みたいですね。これなら、9時にもう一度確認すれば、大丈夫そうですね。

制御室に戻ると、まだまだぐっすりと寝ている皆さんがいた。準備もあるので、8時30には起こした方が良いだろう。もう少しだけ寝かせてあげよう。

僕は僕で、作業服に着替えて、今日の段取りのチェックと、イベントの主体となるダンジョンエリアの最終チェックだ。これまでに何度かチェックしてるし問題はないと思うが、念には念を入れておく。 

 なにせ、いつもと違う豪勢なオーナー陣に加え、本社からエリックさんの視察まであるんだ、失敗は許されない。僕が成長したことをみんなに見てもらわないとね。

うん、設定に問題はなさそうだし、タイマーもちゃんと予定時刻に入ってるいるから問題ないだろう。

「ふみゃ~、ご主人おはようにゃー」

「あっミリィ。おそよう。昨日は遅くまで遊んでみたいだね。楽しかったかい?」

「うみゃ~、すっごく楽しかったにゃー。沢山いると楽しいにゃー」

「それは良かったね。もう時間もないから一緒に朝ごはん食べようか。」

「うみゃ~、ご主人ありがとうにゃー」

うん、ここまでミリィにおかしな所は何一つない。というか、この顔を見て無反応でいつも通りの反応とは、ミリィやりおるな。

僕たちの会話につられて女性陣が起き出してきた。
それにしても毛布の上からでは、分からなかったけど、みんな凄いハロウィン用の衣装を着ているな。

ちなみにミリィは、いつもと同じです。まだそれようの衣装は、ソウルシステムに入ったままなのて、開店前には、着てもらうことにしよう。

さくらちゃんは座敷童の物の怪なんだけど、ハロウィンで魔法使いが来てそうな、黒のフロアドレスに近くに置いてある黒のトンガリ帽子だね。箒を持って、空を飛んでもらえれば、完璧な魔法使い様だ。それとも容姿的には魔法少女なのだろうか?

玉藻姉さんは、玉藻の前なので九尾の狐。包帯でグルグル巻きにしてあるので、ミイラ男。いや、ここではミイラ女なのでしょうか?その割には顔も出てるし、狐の尻尾が9本と狐耳が出ていてなにやらよくわからない仮装になってまず。

妲己姉さんは、相変わらずブレないですね。妲己姉さんは言わずとしれた中国の物の怪筆頭のこちらも九尾の狐。露出の多いバニーガールの衣装に自前の九尾の尻尾と狐耳がでており、ファックスガールと称した方がいいかもしれませんね。

 以前開店初日に見せたものとは異なる衣装になってるようです。同じ服は着ないポリシーでしょうか?


 雪那さんは、日本でメジャーな雪女の物の怪。人化はしているようだけど、いつもの白い着物であるので、コスプレかと言われれば、ちょっと違うかな?どちらかと言えば日本古来の民族衣装を、着ている形になる。仮装と洋装と和装の違いが分からないけどきっと違うと思う。

小咲ちゃんは、猫が物の怪化した猫又である。ミリィのモデルとなっている物の怪の猫娘と親戚みたいなものだ。こちらも猫耳と尻尾を出している。他の人たちとは一線をしょうし、あの有名なアニメのコスプレをしている。

 日本の文化だと、ハロウィンに擬えて、妖怪の衣装というわけではなく、全体的にはただのコスプレになるから、問題ないと言えば、問題ないか?いや、版権的な問題が出るから良くないのかな。そこら辺は詳しくないのでサッパリですね。

 なにはともあれ皆さんハロウィンの衣装の準備はバッチリのようです。

「うーん、よく眠れたわ。でも、やっぱり床で雑魚寝はダメね、肩や腰が痛いわ。あっウィーンさん。おはよう」

「玉藻姉さんおはようございます!そりゃそうですよ。予め言ってもらえれば、お布団とお部屋は用意してましたのに。」

「でも、ここには用意してくれなかったらでしょう?きっと個室で、各自各部屋で寝る形よね?」

「ええ、ここは私の寝泊まりする作業部屋ですし、みなさんもプライバシーがあった方がいいでしょうから、個室ですね。」

「ウィーンちゃん、それじゃー意味がないわーん、こうやって華のある女性の物の怪が一同に集まるのよーん。せっかくだから、集まって夜通しやりたいじゃなーい。」

「いや、皆さんのお気持ちも分かりますけど、イベント日の開催の前日ですらからね。終わった後の打ち上げならともかく、想定すらしていませんでしたよ。さっ、皆さん朝食は買ってきてありますから、各自好きなもの食べて下さいね。もう8時30分過ぎてますから、オープンまで時間がありませんよ。」

「「「はーい」」」

「あら、ホントだわ、ウィーンさん起こしてくれたら良かったのに。」

「皆さん気持ち良さそうに眠ってましたからね。流石に起こしは出来ませんよ」

ふむ、おかしいな、妲己姉さんも、玉藻姉さんも正面から顔を突き合わせて、話しているのに、ピクリとも笑わないし、いつも通りの表情だ。この人達手慣れている?

辺りを見回すと、サクラちゃんと目が合う。すると、さくらちゃんが笑いを我慢するような表情になってた。さて、これはどっちの反応だろうか?

「サクラちゃん。おはよう。昨日はよく眠れた?」

「ウィ、ウィーンち、ちゃん。おっ、おはよう。。ふふっダメだ。おかし過ぎて我慢できない。ふふっ。ウィーンちゃん朝から、メイクもバッチリなんだね。でも、こっちに顔向けないでね。おかしくお腹が痛くなってくるから。ははっ」

ふむっ、この反応は白っぽい。どうやら、サクラちゃんは無関係らしい。小咲ちゃんと雪那さんはどうだろうか?

「えっ、サクラちゃん、いきなり笑い出してどうかしたの?」

不思議そうに雪那さんが聞いてくる。サクラちゃんは、僕の顔を見ないように指さして、原因を教えていた。

「ふふふっ、ウィーンさんなんですか。ふふっ、やだ、こっち見ないで下さいよ。朝から腹筋が割れちゃいますよ。」

これも、白か。

「二人して、どうしたんですか?あっ、なるほど、たしかにウィーンさんの顔を見たら、こうなりますね。ははっ。」

どうやら、小咲ちゃんも白のようだ。

「えっ、なんで3人とも笑っているんですか?僕の顔ってそんなに面白いんですか?」

素知らぬ顔をして、辺りを見回すと、玉藻姉さんと妲己姉さんが含み笑いをしている。この二人が黒で主犯格で間違いないようだ。ミリィは、何がおかしいのか分からないという顔をしている。

どうして、こう、九尾の狐コンビはこう、イタズラが多いんでしょうかね。楽しむためなら手段を選ばないでしょうか?

「あれ、自分で書いたんじゃないんですか?はい、手鏡ですよ。確認してみて下さいね。」

「ほんとだ、いつの間にかおかしなメイクをされてますね。誰がやったんだろ?」

と辺りを見回すと白の3人は、首を横に振っている。ミリィは首を傾げているし、クロの二人は、おかし過ぎてて、お腹を、抱えている。

「さて、玉藻姉さん、妲己姉さんさん。申し開きの時間ですよ。このメイクのご説明をお願いしますね。」

僕は爽やかな笑みを浮かべながら二人に詰め寄って問いただした。他のみんなは、よくない気配を感じ取ったのか、距離をとり、我関せずとばかりに、おしゃベリしながら朝食を食べ出した。

「これはね。妲己姉さんさんがね。ウィーンさんが私達が横でドンちゃんお話してるのに、スヤスヤと可愛い顔して、寝てるものだからイタズラしちゃえって。」

「ちょっと玉藻ちゃん酷いわーん。玉藻ちゃんもノリノリでウィーンちゃんに黒いお髭描いてたじゃないのん。」

「ほう、二人とも、謝るより先にまずは弁明ですか。今日は、ハロウィンですから、穏便に行きましょうか。」

「そうそう、せっかくのハロウィンイベントのお祭りだし、朝からお説教はやめましょうね。」

「そうよウィーンちゃん、朝からみんなが笑ってハッピーじゃないのん」

「では、ハロウィンにちなんで、TRICK OR TREAT?(いたずらかおもてなしか?)」

「ええと、はい、これ、ハロウィンのお菓子ね。」

と玉藻ねえさんは、僕が買ってきた朝食の中に入っていたチロルチョコをビクビクとしながら渡してくる。

「妾は、楽しいイタズラを御所望するわん」

全く悪びれる様子もなくフォックスガールの衣装をきながら、胸を張ってそう答える妲己姉さん。

「ギルティ!」

冷たくいいはなったその一言が場を凍りつかせる。玉藻姉さんの顔が少し蒼くなり、妲己姉さんは、素知らぬ顔で流している。

「お二人ともちゃんと見合ったお返しをさせて頂きますので、今日のハロウィンイベントの終了後の打ち上げまで楽しみにしてて下さいね。」

「はいっ」
「分かったわ~ん」

「ねぇ、サクラちゃんなんかウィーンさん怖くありません?」

と小声で小咲ちゃんが話しかける。

「私も前にウィーンさんにみんなでイタズラしたことあるんだけど、凄く怖かったわ。私怖くて泣きそうだったから。二人ともウィーンさんにイタズラだけは絶対にしちゃダメだよ。」

と、前の時を思い出しているのか、サクラちゃんが震えながら二人に話した。

「えっ、サクラちゃんもですか。普段温厚なウィーンさんからはとても信じられない光景ですね。とはいえ、今目の前で起こっているわけですから、信じないわけにも参りませんわね。ちなみにどんなお仕置きを?」

「ちょっと恐怖の要素が強いから思い出したくはないかな。ごめんね。でも、絶対にウィーンさんを怒らせちゃダメだよ。」

サクラちゃんの肩が震えている。あの一件はトラウマにでもなりうる要素があったらしい。

「普段温厚で優しい人ほど、ギャップで怒るととても恐らしいということですわね。小咲さん、私達は、ウィーンさんにはイタズラしないようにしましょうね。」

「もちろんです。怖いもの見たさも少しありますが、あの顔が私に向けられるくらいなら、そんな冒険はしたくありません。お仕置きの内容は、あの御二方のを参考にすることにします。」

とごくっと唾を飲み込む小咲ちゃん。

「さっさっ、みんなもう食べ終わりましたね。オープンまで時間がありませんよ。ハロウィンの仮装をしなきゃいけませんし、皆さんハリーアップです。」

と僕は柏手をポンポンと叩きみんなを行動する様に促した。
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