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第7章 ダンジョン2階の雪山の詳細設計

【066】営業4日目と温泉その6

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 女の人達と一緒に来てたのか。それだと、オープン初日からだと、結構なソウルポイントを取得しているはずである。そんな初期装備ではなくて、もっと良い武器を使えば、もっと効率よく狩ができるハズなのに。なんでだろう?

 さっきのオアシスで見た風景とこの違和感が繋ぎ合わさる。もしかして。。。。

  僕は画面を操作して、オアシスを再び写し、女の子が一覧で顔が見えるようにアップした。

 「ミリィ、その女の子って、もしかして、この中にいたりする?」

 「みや~~~」
 とじっくり複数の女の子の顔を見ていくミリィ、この3日で1,000人以上来ているので流石に顔を判別するのは無理だったかと思っていたら、

 「この人だにゃ~~」

 「えっ、よくわかったね。」

 「にゃ~~。全身が黒い女の人はこの人だけにゃ~~」

 なるほど、すごい特徴のある人物だったわけである。それなら探せるのも頷ける。
 ということは、ある仮説が成り立つ。

 ここにいる女の子たちは、ソウルSHOPで水着を購入している。その水着のポイント自体は彼女たちが稼いでいる気配はないので、男たちからなんらかの形で譲渡されていると思われる。

 個人間での、装備や道具のトレードは物物交換でも、魂石との交換でも出来る。男性が取得したポイントを渡しているか、ポイントで購入した装備を渡しているのかわからないが、その可能性が高そうである。

 上手い事考える人達もいるもんだな。確かにこの方法なら、自分たちがモンスターを倒すこともせずに、欲しい装備を手に入れて遊ぶことが出来る。なんなら、装備をもらった見返りに男性陣とデートしたり、現実の現金を払ってあげてもいいくらいなんだ。

 僕は自分でポイントを稼げてしまうから、そんなことは思いもよらなかった。これならダンジョン探索を目的とせずに、アトラクションがてらオアシスで遊ぶ人も完全にリスクなく遊ぶことが出来てしまう。

 高レベルの冒険者は、購入した武器や防具を、現実世界で販売したお金で生計を立てているって聞く。早くダンジョンを攻略して上に行きたい冒険者ほど、現実のお金を使ってのある意味課金システムで、ブーストをかけて攻略していくのだろう。

 攻略スピードが上がれば、1日で獲得できるポイントも増え、それで、武器防具を購入できる。そして、同じような早く上がりたい冒険者に売却すれば、お金はどんどん入ってくるようになる。

 なので、今の金沢店のように新規登録者が多い所では、上位の冒険者のボーナスタイムである。初級のショボい装備が高値で掃けていくのだから。

 こうやって、ダンジョン業界は成り立っているのである。ともすればこの女性たちのやっていることも至極まっとうなことかな。ま~たとえ違法なことをしていたとしても僕達が何かをするわけでもないんだけど。

 女性をターゲットにというのもある意味で正解だったのかもしれないな。ちょっと考えてたものと方向性が若干違う気もするが。これは、嬢王蜂と働き蜂の関係に似ているかもしれない。

 そう考えると、今後もっといい装備いいアイテムが欲しいと考えたら、あそこの女の子たちは、より多くの男性を冒険者として、入れてくるだろう。そうなれば、新規登録者も増え、保険契約も増えるのでうちとしては願ったり叶ったりだ。

 となると、現状のモンスター数とリポップ数では追いつかないかもしれないな。サソリと蛇は既に複数の冒険者での奪い合いとなっていた。

 僕は他の地点も何点か見て回った。やっぱり、どこも複数のグループで場所の取り合いが行われている。完全にモンスターの数が冒険者の数に負けていた。

 というか、ある地点では、リポップした瞬間に即座にキルされている。そこまでの猛者が既にいた。もしかして、もしかして、こっちの方も???とラクダのいるポイントを見ると、

 あっ、こっちはなぜか大丈夫だわ。ラクダに男子と女子がまたがって、ゆっくりと散歩している。そして、なぜか、行列が出来ている。。。。えっ、ラクダは倒されないけど、乗れないくらいに需要が高いのか???

 こっちはリポップ数は関係ないが、モンスターの数が足りないようだ。なら、スフィンクスはどうなっているんだ。流石にまだまだ倒せる人はいないと思うけど。

 モニターをスフィンクスが居る所に移し替える。
 うん、まだまだ、顕在だ。だよね。よかったよ。流石にビギナーの人に4日目で倒されると厳しいものがあるよ。

 と思って、モニターを別の所に変えようとしたら、砂の中から数十名のミリタリー服を着た男の人達が現れた。装備を見てみるとエアガンである。後は、えっ、タバスコ、ワサビ、唐辛子???なぜそんなものを手にもっているの?そんなのSHOPで売ってないよね。

 左右からのエアガンの弾幕を張り、スフィンクスを攻撃していく男たち。正面からは、スフィンクスの口に向かって、タバスコとワサビなどを投擲していく。

 口の中に入ったらしく、スフィンクスが口から火を噴き転げまわる。よっぽど辛いみたいだ。転がった所を装備を変更して、竹の槍を装備して、突貫していく。

 弾き飛ばされるものもいるが、多くのものが転げまわっているスフィンクスの隙を付ける横腹を目がけて、竹の槍で突いていく。どんどん。突き刺し、血が色々な場所から出ている。

 その後も癖のある攻撃を数十名で繰り返し倒してしまった。いやはや、まさかこんなに早くビギナーの皆さんに倒されるとは思ってもいませんでしたよ。その後は全員で転送ポイントに行って、登録して、また別のモンスターを狩に複数のグループに分かれて行った。

 「ご主人すごいにゃ~。スフィンクス倒されちゃったにゃ~」

 「いや、本当に凄いね。まさか現実の道具を使っての戦略で倒し切るとは、しかも竹の槍の装備で、恐れ入るよ。今後も頻繁に倒されるのなら強化しておかないとな。」

 「ご主人、スナネコはどうなっているにゃ~」

 猫族だけに気になるようである。確かにこれだけ、他のモンスターがやられている所を見ると気にはなる。

 スナネコをモニター表示した。
 「うん、ミリィまだ大丈夫みたいだよ。多分知られてないんじゃないかな。初心者ダンジョンマップにも書かれていないし。」

 「ふんみゃ~よかったにゃ~」

 初心者が多いとみて、僕は侮っていたみたいだ。あまり配置モンスターが多すぎると、初心者では囲まれて、袋叩きにされると思っていたのに。
 これでは逆にモンスターが袋叩きにされているではないか。この状態だと、ビギナーが来ても倒せるモンスターがいないから、つまらなくなってしまうか。

 僕はひとまず、オプションを使用して、サソリ、蛇、ラクダの数を全て2倍にしておいた。
これで、モンスターの不足は解消されるだろう。初心者に楽しんでもらうための設定だったのに、彼らはそれを軽く吹き飛ばしたのだから。

 これは、ダンジョン2Fの雪山フロアは、念には念を入れて、レベルの調整やモンスター数の配置をしないと、一瞬で狩れてしまうな。

もはやモンスターと冒険者の戦いではない、ダンジョン設計者と冒険者の戦いに変わっていた。
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