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第7章 ダンジョン2階の雪山の詳細設計

【060】雪山と雪女と・・・その6

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「ご主人ミリィがやるにゃ~~」

「ミリィそうは言っても、ミリィもダンジョンでお客さんを案内するってお仕事あるからね。」

「それならもうしなくても大丈夫にゃ~」

「えっ、しなくていいの?」

「そうにゃ~」

「だって、どこでどのモンスターに会えるか、オアシスはどっちかとか聞いてくるんじゃないの?」

「それはご主人が初心者用のダンジョンポスター作ったから解決してるにゃ~」

「えっ、じゃ~昨日はミリィは何をしてたの?」

「お客さんと挨拶して雑談してたにゃ~。本当にマスコットとしてしか活動してないにゃ~」

「あ~そういえば昨日の新規登録者数って43名だったけ。1日目、2日目と比べればかなり減ったよな~。お客さんの来訪人数としては、500名ほどだったけど、ほとんど2回目以降のお客さんか。それなら、近くに冒険した人がいるから、わからなかったら聞けばいいのか。」

「そうにゃ~わざわざ聞かにゃくてもいいにゃ~。それに新規さんはお友達連れが多かったにゃ~」

「知っている友達に着いて来たらわざわざ説明はいらないよね。友達から聞けばいいんだし。なら、平日はミリィはダンジョンにずっといなくても大丈夫か。それならミリィにお願いしようかな。」

「ふふん。ミリィに任せるにゃ~」
小さい旨を張って、大きく胸を叩いた。微笑ましい姿だ。

「そんなミリィちゃんばっかりずるいです。私も、テストプレイでウィーンさんのお役に立ちたいです。」

「雪那さんはだ~~~めですよ。二人が新しく入ってきたからと言って、結局シフト調整したらギリギリでしたから、テストプレイに人を割ける余裕はないんですよ。それに雪那さんは帰って寝るときが既にテストプレイしているようなものじゃないですか。それで困ったことを教えてもらえば僕としては十分助かりますよ。」

「そうですか。お役に立っているのであればいいですわ。スキー場の件でも希望を聞いてもらいましたし、なんか返すものがドンドン増えてきている気がしましたので、焦ってしまいましたわ。」

「雪那さん。ふっふっふっ、スキーと言えばセットで付いてくるものって何かご存知ですか?」

「スノボでしょう?それとも雪ぞりかしら?」

「違いますよ。日本でスキーと言ったら、温泉もセットで付いてくるんですよ。なのでインテリアには温泉を追加します。これは思いっきりステージの端で、スキー場の近くに設置です。
ま~温泉と言っても、地下熱で作られた、野店の温泉ですけどね。これなら標準で作れるのでちかくに4つほどポンポンポンっと。」

「ウィーンさんそれはいけませんは。温泉なんて、熱いものはスキーに対する冒涜ですわ。どうせなら、身体の芯から冷える雪風呂の方が望ましいですわ。」

「雪那さん。それだと、雪那さんしか入りませんて。人間にも物の怪にもあったかいお湯に浸かって汚れを落とし、疲れをとる場所というものが大切なんですよ。それが風呂であり、温泉です。」

「わかりましたわ。私は近寄りませんので、好きにしてくださいませ。」

「ミリィは入るにゃ~。でも熱いのは嫌にゃ~~。温いのがいいにゃ~~」

「それは入るときに雪なり水を入れて湯加減を調節すればいいよ。ふふふっ、スキー場はセーフティーエリアだけど、温泉は戦闘エリアでモンスターが出没する。これがどういうことかわかるかな?」

「モンスターさんと一緒に温泉に入って、お湯掛けでバトルするんですね。」

「正解です。そう、温泉といえば、お湯掛けバトル!!!っっっっっっっっって違いますよ。温泉にモンスターも入ってのんびりとくつろげばいいんですよ。」

「ご主人女湯と男湯の識別はどうするにゃ~~。」

「ミリィ、無粋なことはいいっこなしだよ。日本には一緒に入る混浴という文化があるんだ。」




「ま~それは冗談で、裸で入るわけじゃないので、水着を着て入浴してもらえばいいから。区別する必要はないよ。ソウルデバイスの装備で、一瞬で着替えられるわけだし。気になる人は入らなければいいだけだからね。」

「僕は人気の居ない営業時間外に入るからそもそも気にしないから。上がったら帰還ボタンを押せば、ホッカホカのままこっちに戻ってこれるしね。」

「ご主人~~悪だにゃ~~~。ダンジョンを私物化して、温泉スパリゾートに買えてるにゃ。」

「お~~~ミリィ、それはいいアイディアだよ。確かに、そこまでの考えはなかったよ。打たせ湯にジャグジーに様々な効能の湯を置いておかないとね。」

「ミリィさん。ウィーンさんて欧州の方ですよね。なぜこんなに日本の温泉に詳しいのかしら?」

「それはにゃ~。漫画と映画の影響にゃ。こないだ、テルマ○ロマン見てたからニャ。ご主人は読んでいる本に影響されやすいにゃ~」

「そうだったんですね。では私のお勧めの本を今度用意して、読んでもらいましょう」

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