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第6章 新しい仲間との新たなる船出
【053】新しい仲間との新たなる船出 その9
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僕と天魔さんは二人だけで話せるように2階の休憩室に来た。
扉は締め、鍵をしっかり、天魔さんがかけた。
どうしたんだろう?そこまで厳重にして話すような話なのだろうか?
二人ともソファーに座る。
「それで、天魔さん二人で話したいこととはなんでしょう?鍵もかけているから重要な話だというのはわりますが」
「ヨシさんから聞いてた時はオーナーとサポートマスコット以外スタッフがいないと聞いていたんで、それなりに覚悟してこちらに来ました。
でも、こちらに来ると既に雪女のスタッフがいました。
それで、うん、まだましになったなと思ったんですね。それでも、人材が不足していますので、僕の提案でスタッフ募集のポスターを作成し、貼りましたね」
「えぇ、そうですね。そのおかげで、あの高校生二人が応募してすんなりと追加のスタッフ2名が決まったので、助かりました。天魔さんがスピディーにポスターを作成してくれたおかげです。ありがとうございます。」
「ああ、それはいいんですよ。仕事ですから。ま~その二人がちょっと問題なんですが。
オーナーは二人が更衣室前で、二人で話していた内容をお聞きになりましたか?」
「いえ、なんのことですか?私は二人を最上階の更衣室へ案内し、エレベータでそのまま降りてきたので聞いていませんよ。」
天魔さんがさっきから何を話そうとしているかわからない。真剣な顔と口調で話しているから大事なことだと思うが意図が全く分からない。二人に関係していることだとはわかったが。
「なるほど、吸血鬼も聴覚はイイと聞いていますが、聞こえていませんでしたか。二人はですね。
純粋にバイトをしたいという子ではありませんでしたよ。ダンジョンがどうしてそうなっているか探るという目的で応募してきた子になります。
ダンジョンの秘密は我々物の怪の秘密でもあります。漏れると、ひどく問題となりますのでこれからの二人の同行には注意が必要ですね。実際二人とも初めてにしてはとても優秀で、強力なスタッフです。
しかし、秘密を探るという目的がある以上は、信用してはなりませんし、迂闊(うかつ)な発言も気をつける必用がありますよ。
ちょとした漏れでもあの二人なら、真相にたどり着くこともあります。採用してしまった以上、下手に理由もなく解雇してしまうと、余計に疑いの目を向けられるでしょう。
これは、他のミリィさん、雪那さんにもお話して、注意を促しておいた方がよいでしょう。」
「まさか、二人にそんな目的があったとは。それにしても、天魔さんは受付業務をしていながら、最上階にいた二人の会話が聞こえていたんですか?」
「えぇ、私の場合は、聞いていたというよりも、特定の声を拾っていたですね。天狗の特性として、ある程度の距離であれば、意識した相手の話声を聞きとれる。心伝通と呼ばれる秘技がありますから。
平常時は疲れるので多用はしていないのですが、今回はあまりにも事が急に決まり過ぎている感じがしましたので、あの二人に使っておりました。」
「なるほどそうだったんですね。気を付けてもらいありがとうございます。」
「いえ、大阪店の方でもこういう人はたまに、スタッフとして入ってきていますから。対応に慣れているだけですよ。
オーナーが天邪鬼ですから、意識を逸らす方向で、ずらしていますので、大阪ではあまり問題にはならないんですよ。
どちらにしろ、あの二人に別の目的がある以上、いつやめてもおかしくない前提で動く必要があります。引き続き、表立っての採用は募集2名としていた以上は出来ません。
が、特例で採用していく必要があります。まず、1ヶ月後の私の代わり、そして、あの二人が辞めた場合を想定し1名の採用をした方がよいかと思います。」
「なるほど。そういうお考えなんですね。確かに、人材は引き続き探して採用していくことにしましょう。それにして、そんな方も来るなんて、採用とは一筋縄にいかないものなんですね。」
「えぇ、それでヨシさんも苦労しております。もしもバレソウになったら、取り急ぎ本部へ連絡することになっています。
本部の特殊対応班が上手い事してくれるようです。そうはならないように日ごろの注意はしておいた方がよいでしょう。」
「えぇ、心して、皆さんに注意喚起しておきます。天魔さんご忠言ありがとうございます。」
「えぇ、お互い協力してやっていきましょう。オーナー。
今回のお話は、もし二人に聞かれることがあれば、シフト調整で相談があったとお伝えください。」
「えぇ、わかりました」
なにかと経営以外でも、問題が勃発してきそうな匂いがしてきました。いざとなったら、僕にも考えがありますが、しばらくは二人を泳がせておきましょう。
優秀なことは事実ですし、確信に近づけさせなければ良いのです。
とは言っても、私もダンジョンの全容は知らないので、物の怪の存在を知覚させないことでしょうかね。
それにしても、募集が2名で来て、採用しなくていいと思ったら、早くも次の募集か。息を休める暇がないな。
しかも、今度は二人にみつからないように、オープンではなく、シークレットでの募集となる。どうやって、採用していこうか?
考えることがまた一つ増えてしまったな。
扉は締め、鍵をしっかり、天魔さんがかけた。
どうしたんだろう?そこまで厳重にして話すような話なのだろうか?
二人ともソファーに座る。
「それで、天魔さん二人で話したいこととはなんでしょう?鍵もかけているから重要な話だというのはわりますが」
「ヨシさんから聞いてた時はオーナーとサポートマスコット以外スタッフがいないと聞いていたんで、それなりに覚悟してこちらに来ました。
でも、こちらに来ると既に雪女のスタッフがいました。
それで、うん、まだましになったなと思ったんですね。それでも、人材が不足していますので、僕の提案でスタッフ募集のポスターを作成し、貼りましたね」
「えぇ、そうですね。そのおかげで、あの高校生二人が応募してすんなりと追加のスタッフ2名が決まったので、助かりました。天魔さんがスピディーにポスターを作成してくれたおかげです。ありがとうございます。」
「ああ、それはいいんですよ。仕事ですから。ま~その二人がちょっと問題なんですが。
オーナーは二人が更衣室前で、二人で話していた内容をお聞きになりましたか?」
「いえ、なんのことですか?私は二人を最上階の更衣室へ案内し、エレベータでそのまま降りてきたので聞いていませんよ。」
天魔さんがさっきから何を話そうとしているかわからない。真剣な顔と口調で話しているから大事なことだと思うが意図が全く分からない。二人に関係していることだとはわかったが。
「なるほど、吸血鬼も聴覚はイイと聞いていますが、聞こえていませんでしたか。二人はですね。
純粋にバイトをしたいという子ではありませんでしたよ。ダンジョンがどうしてそうなっているか探るという目的で応募してきた子になります。
ダンジョンの秘密は我々物の怪の秘密でもあります。漏れると、ひどく問題となりますのでこれからの二人の同行には注意が必要ですね。実際二人とも初めてにしてはとても優秀で、強力なスタッフです。
しかし、秘密を探るという目的がある以上は、信用してはなりませんし、迂闊(うかつ)な発言も気をつける必用がありますよ。
ちょとした漏れでもあの二人なら、真相にたどり着くこともあります。採用してしまった以上、下手に理由もなく解雇してしまうと、余計に疑いの目を向けられるでしょう。
これは、他のミリィさん、雪那さんにもお話して、注意を促しておいた方がよいでしょう。」
「まさか、二人にそんな目的があったとは。それにしても、天魔さんは受付業務をしていながら、最上階にいた二人の会話が聞こえていたんですか?」
「えぇ、私の場合は、聞いていたというよりも、特定の声を拾っていたですね。天狗の特性として、ある程度の距離であれば、意識した相手の話声を聞きとれる。心伝通と呼ばれる秘技がありますから。
平常時は疲れるので多用はしていないのですが、今回はあまりにも事が急に決まり過ぎている感じがしましたので、あの二人に使っておりました。」
「なるほどそうだったんですね。気を付けてもらいありがとうございます。」
「いえ、大阪店の方でもこういう人はたまに、スタッフとして入ってきていますから。対応に慣れているだけですよ。
オーナーが天邪鬼ですから、意識を逸らす方向で、ずらしていますので、大阪ではあまり問題にはならないんですよ。
どちらにしろ、あの二人に別の目的がある以上、いつやめてもおかしくない前提で動く必要があります。引き続き、表立っての採用は募集2名としていた以上は出来ません。
が、特例で採用していく必要があります。まず、1ヶ月後の私の代わり、そして、あの二人が辞めた場合を想定し1名の採用をした方がよいかと思います。」
「なるほど。そういうお考えなんですね。確かに、人材は引き続き探して採用していくことにしましょう。それにして、そんな方も来るなんて、採用とは一筋縄にいかないものなんですね。」
「えぇ、それでヨシさんも苦労しております。もしもバレソウになったら、取り急ぎ本部へ連絡することになっています。
本部の特殊対応班が上手い事してくれるようです。そうはならないように日ごろの注意はしておいた方がよいでしょう。」
「えぇ、心して、皆さんに注意喚起しておきます。天魔さんご忠言ありがとうございます。」
「えぇ、お互い協力してやっていきましょう。オーナー。
今回のお話は、もし二人に聞かれることがあれば、シフト調整で相談があったとお伝えください。」
「えぇ、わかりました」
なにかと経営以外でも、問題が勃発してきそうな匂いがしてきました。いざとなったら、僕にも考えがありますが、しばらくは二人を泳がせておきましょう。
優秀なことは事実ですし、確信に近づけさせなければ良いのです。
とは言っても、私もダンジョンの全容は知らないので、物の怪の存在を知覚させないことでしょうかね。
それにしても、募集が2名で来て、採用しなくていいと思ったら、早くも次の募集か。息を休める暇がないな。
しかも、今度は二人にみつからないように、オープンではなく、シークレットでの募集となる。どうやって、採用していこうか?
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