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第4章 ダンジョンマート金沢店 初めての休暇と観光編
【032】初めての休暇とオアシス5
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「だからね。ウィーンさん。あなたの作ったダンジョンマート金沢は、世界的にも異例なことになっているのよ。
他の支店だと、大体、初日、オープンの次の日の来客数っていうのは、ある程度予測がつくものなのよ。でもあなたのとこは、ターゲット層が異なるため、正直予測がつかないわ。
ニャンスタ映えを気にして、しかも、着替えがフリーでボタン一つで出来る、この場所は、カメラマンとか、cmを作成する人達がこぞって押し寄せて使うレベルよ。
幸い電子機器が使えないから、本格的な撮影までは、現時点ではいかないわ。でも、その次点で活動する人達が、昨日、一昨日のニャンスタを見れば、アーリーアダプタ達がこぞって来るはずよ。」
アーリーアダプタってなんのことだろう?ACアダプタの友達かな?と言葉の意味がわからず、視点が空を向き、考え込んで、わからない表情をしていた。それを見ていた玉藻姉さんが補足する。
「あ~ごめんね。つい、専門用語を使っちゃたわ。アーリーアダプタっていうのは、イノベータ理論でいう、初期購買層のことね。う~~ん、例えば新製品の冷蔵庫が出たとしましょう。
それにはじめてこんな機能がつきましたっていっても、始めはみんな半信半疑で買わないわよね。そこで、先に購入して試していくのがアーリーアダプタよ。
市場全体の12%がそのアーリーアダプタって言われているわ。これでその人達がまずくると思うわ。それくらい革新的なことなのよ。この1階ダンジョンが砂漠でオアシスっていうローケーションがあることが。
それに女子高生や女子大学生も何人か新規登録者で来てたわよね。男子の生徒より連れてくる人数が多いとお思うからこちらも要注意よ。そして、連れてくるのが男子なら、そこで一旦止まりはするでしょうけど。
これが女子同士で来たとしたら。。。この1ヶ月後はきっと大変なことになると思うわ。女子が女子を呼び、さらに女子が女子を呼ぶ。
さらに其れがニャンスタで拡散され、流行の的が一気にダンジョンでの撮影、ダンジョンでのモンスターとの闘い、ダンジョンでのファッションショーが仮に起きた場合、昨日と同じことが起こると思うの。う~~~ううん」
考えなおして首を振った。
「このダンジョンは、日本中探しても、ここしかない。いいえ、世界中探してもここしかないの。初心者が安心して、入れて、しかもニャンスタ映えするロケーションに行くまで1時間もかからない。
もし、道中が不安なら、他の冒険者を雇ってしまえばいいの。それもちょっと駆け出しの冒険者でも十分だから、ちょっとバイトを雇って戦ってもらうのもありよね。は~ごめん自分で言っときながらなんだけど、頭痛くなったしこの話はやめるわね。」
「そっそんな、玉藻姉さん。驚かさないでくださいよ。応援スタッフの皆さんが帰ってしまった状態で、その人数は僕では処理しきれませんて。
今日応援スタッフが一人来る予定ですけど、それでも人数が全く足りてないですよ。妲己姉さんもいませんし、列待ちのお客さんが暴動を起こす可能性も出てきてしまいます。」
「ごめんね。ウィーンさん。不安にさせてしまって。でもこれはおそらくかなり高い可能性でおこるの。明日、明後日ではないから、少しは時間に余裕はあるわ。
でも1ヶ月は絶対にない。それまでにウィーンさんが考えて対策をしないと。かなりまずいことになるわ。」
「そっ、そんな~」
涙目になるウィーン。
「そっ、そうだ。僕のダンジョンがニャンスタ映えするからお客さんが増えるのなら、皆さんのダンジョンでもそういう場所を作ればいいんじゃないですか?ほら、妲己姉さんのとこも砂漠ありますし。」
「それがね。そう簡単なことではないのよ。私たちは、男性の冒険家が来る事を想定して、ダンジョンを作って運営しているのよ。勝手に仕様を変更してダンジョンを弄(いじ)って変えてしまったら、今まで来てくれてたお客さんが困ってしまうのよ。
ほら、あのスーパーのホテルの食パンが美味しくて、わざわざちょっと遠いけど買いに行ってたのに、他のパン屋の方が美味しいから、別のパンに変えましたってお店が言ったら、そのお客さん来ると思う?」
「いいえ、来ません。一度来て、目的のものがなく、代替品が欲しいものでない場合は来る価値がなくなるので、そのお客さんはもう来なくなるでしょう。」
「そういうことなのよ。ダンジョンを変えるということは、既存のお客さんが離れるということなのよ。もちろん私たちも無理のない範囲で、ロケーションは変更していくつもりよ。
でも、それは少しずつ、少しずつ、変化を重ねて、お客さんがその変化に慣れて受け入れてくれていった後の話になるのよ。
それに変更した場合は、私たちも何度かテストプレイしないといけないからとにかく変更には大きな時間がかかるのよ。」
「なので、この件に関しては私たちが手伝えることはないのよ。」
「ここで皆さんを困らせては、せっかくのオアシス探検が台無しになりますね。わかりました、僕の方でなにか考えて、対策案を練ってみます。」
「うん、お願いね。私たちの方でも、本社のエリックさんや今日のメンバーに連絡して、応援の人員を用意できるか考えてみるわ。
もちろん、私たちはとてもじゃないけど、来れないから、各支店のスタッフが1名ないし2名だせるかどうかになるわね。」
「ありがとうございます。ちょっとだけ希望が見えてきました。みなさん、その話はここまでにして、せっかくの休日をオアシスで楽しみましょう。」
他の支店だと、大体、初日、オープンの次の日の来客数っていうのは、ある程度予測がつくものなのよ。でもあなたのとこは、ターゲット層が異なるため、正直予測がつかないわ。
ニャンスタ映えを気にして、しかも、着替えがフリーでボタン一つで出来る、この場所は、カメラマンとか、cmを作成する人達がこぞって押し寄せて使うレベルよ。
幸い電子機器が使えないから、本格的な撮影までは、現時点ではいかないわ。でも、その次点で活動する人達が、昨日、一昨日のニャンスタを見れば、アーリーアダプタ達がこぞって来るはずよ。」
アーリーアダプタってなんのことだろう?ACアダプタの友達かな?と言葉の意味がわからず、視点が空を向き、考え込んで、わからない表情をしていた。それを見ていた玉藻姉さんが補足する。
「あ~ごめんね。つい、専門用語を使っちゃたわ。アーリーアダプタっていうのは、イノベータ理論でいう、初期購買層のことね。う~~ん、例えば新製品の冷蔵庫が出たとしましょう。
それにはじめてこんな機能がつきましたっていっても、始めはみんな半信半疑で買わないわよね。そこで、先に購入して試していくのがアーリーアダプタよ。
市場全体の12%がそのアーリーアダプタって言われているわ。これでその人達がまずくると思うわ。それくらい革新的なことなのよ。この1階ダンジョンが砂漠でオアシスっていうローケーションがあることが。
それに女子高生や女子大学生も何人か新規登録者で来てたわよね。男子の生徒より連れてくる人数が多いとお思うからこちらも要注意よ。そして、連れてくるのが男子なら、そこで一旦止まりはするでしょうけど。
これが女子同士で来たとしたら。。。この1ヶ月後はきっと大変なことになると思うわ。女子が女子を呼び、さらに女子が女子を呼ぶ。
さらに其れがニャンスタで拡散され、流行の的が一気にダンジョンでの撮影、ダンジョンでのモンスターとの闘い、ダンジョンでのファッションショーが仮に起きた場合、昨日と同じことが起こると思うの。う~~~ううん」
考えなおして首を振った。
「このダンジョンは、日本中探しても、ここしかない。いいえ、世界中探してもここしかないの。初心者が安心して、入れて、しかもニャンスタ映えするロケーションに行くまで1時間もかからない。
もし、道中が不安なら、他の冒険者を雇ってしまえばいいの。それもちょっと駆け出しの冒険者でも十分だから、ちょっとバイトを雇って戦ってもらうのもありよね。は~ごめん自分で言っときながらなんだけど、頭痛くなったしこの話はやめるわね。」
「そっそんな、玉藻姉さん。驚かさないでくださいよ。応援スタッフの皆さんが帰ってしまった状態で、その人数は僕では処理しきれませんて。
今日応援スタッフが一人来る予定ですけど、それでも人数が全く足りてないですよ。妲己姉さんもいませんし、列待ちのお客さんが暴動を起こす可能性も出てきてしまいます。」
「ごめんね。ウィーンさん。不安にさせてしまって。でもこれはおそらくかなり高い可能性でおこるの。明日、明後日ではないから、少しは時間に余裕はあるわ。
でも1ヶ月は絶対にない。それまでにウィーンさんが考えて対策をしないと。かなりまずいことになるわ。」
「そっ、そんな~」
涙目になるウィーン。
「そっ、そうだ。僕のダンジョンがニャンスタ映えするからお客さんが増えるのなら、皆さんのダンジョンでもそういう場所を作ればいいんじゃないですか?ほら、妲己姉さんのとこも砂漠ありますし。」
「それがね。そう簡単なことではないのよ。私たちは、男性の冒険家が来る事を想定して、ダンジョンを作って運営しているのよ。勝手に仕様を変更してダンジョンを弄(いじ)って変えてしまったら、今まで来てくれてたお客さんが困ってしまうのよ。
ほら、あのスーパーのホテルの食パンが美味しくて、わざわざちょっと遠いけど買いに行ってたのに、他のパン屋の方が美味しいから、別のパンに変えましたってお店が言ったら、そのお客さん来ると思う?」
「いいえ、来ません。一度来て、目的のものがなく、代替品が欲しいものでない場合は来る価値がなくなるので、そのお客さんはもう来なくなるでしょう。」
「そういうことなのよ。ダンジョンを変えるということは、既存のお客さんが離れるということなのよ。もちろん私たちも無理のない範囲で、ロケーションは変更していくつもりよ。
でも、それは少しずつ、少しずつ、変化を重ねて、お客さんがその変化に慣れて受け入れてくれていった後の話になるのよ。
それに変更した場合は、私たちも何度かテストプレイしないといけないからとにかく変更には大きな時間がかかるのよ。」
「なので、この件に関しては私たちが手伝えることはないのよ。」
「ここで皆さんを困らせては、せっかくのオアシス探検が台無しになりますね。わかりました、僕の方でなにか考えて、対策案を練ってみます。」
「うん、お願いね。私たちの方でも、本社のエリックさんや今日のメンバーに連絡して、応援の人員を用意できるか考えてみるわ。
もちろん、私たちはとてもじゃないけど、来れないから、各支店のスタッフが1名ないし2名だせるかどうかになるわね。」
「ありがとうございます。ちょっとだけ希望が見えてきました。みなさん、その話はここまでにして、せっかくの休日をオアシスで楽しみましょう。」
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