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第1章 ダンジョンマート金沢店 オープン準備編

【009】応援スタッフの皆さんと設営

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 ダンジョンマート金沢店のビルに入ると、受付の向こう側ぎりぎりにミリィが待っていた。

「ご主人お帰りにゃ~。ミリィはミリィっていうにゃ~。各支店のオーナーの皆様ようこうそにゃ、ダンジョンマート金沢支店へにゃ~」

「へ~、あなたのとこは猫耳娘を選んだのね。人狼タイプだと思ってたけど、珍しいわね。ミリィさんよろしくね。たまもですわ」

「私のとこと一緒だよ。ミリィちゃんて言うんだね。うちのダンジョンマートのサポートも猫耳娘ちゃんだよ。みてるとほわほわしててなごむんだよ。よろしくね。私は桜。さくらちゃんて呼んでね」

 と各々が自己紹介が終わった所で。エリックさんが色々な確認と、各応援スタッフの皆さんから、色々みてもらったらご指摘が沢山あった。

「われのダンジョンマート九州では、ゴールデンウイーク前にオープンしたでごわず。その時はこれから連休中のもあって、えらいぎょ~さん学生さんや社会人の皆さんきましたでごわす。このキャパだと、受付が身動きできなくなるでごわすよ。」

「そんなに来るのね。私のとこは、春休み前にできたけど、そこまでではなかったわよ。チラホラ入ってきて、出ていく。京都の学生の方がルール守っているのかしらね。

と、うそうそ、その前にダンジョンマート大阪がオープンしてたからね。関西系の学生がこぞって、大阪に通った後で、京都のオープンだったから、物珍しさがへったのでしょう。快速電車でわずか、1~2時間だものね。それは京都から大阪に遊びに行くわね。」

「そりゃわてのとこの大阪は大変やったわ。大阪は勿論、京都、滋賀、兵庫、奈良、和歌山、果ては福井とかからも来てはってんで。わてのとこは、冬休み前やったしの~。

開催日が、12月23日の祝日で次の日から冬休みやろ。ぎょ~さん集めよ思って、イルミネーションまで豪勢に準備しはったから、ダンジョンに冒険するのと関係ない女子といちゃいちゃする彼氏でいっぱいやったわ。

ホンまも~~うんざりやわ。そこまでせ~へんかってもよかったわ。」

「私のとこも大変だったよ。日本で一番初めにオープンした、ダンジョンマートだもん。東京の近隣だけでも人口多くてやばいのに。日本中から来たからね。あの時も、夏休み前だったな。丁度一年くらいか。あっという間だったな。」

「うわ~~。皆さん結構オープンて大変なことになるんですね。僕、甘くみてました。てっきり、夜の飲食店みたいにゆったり入ると思ってました。実は、昼の飲食店街の様相だったんですね」

「そや、ぜ~~ったい、このままやと1階の受付ホールには入りきらんわ。入場制限はかけるかどうかはあんたに任すけど、入口の並びの誘導と最後尾くらいはせなあかんで。」

「誘導はわらわがやろう。日本語で、ソウルコレクトシステムの説明を何度も何度もいいとうないわ。わらわの魅力なら、言う事聞いて、キチンと並んでくれようぞ。」

「妲己さん。すみません誘導の係をお願いします。でも、現状のままでも、誘惑されてしまう人が多いので、ちょっとでも本気だすと別のとこで、混雑してしいます。今のままでいいです。」

「なら、誘導は妲己さんで決まりや。」

「あと必要なんが受付やな。これは金沢店はどうするんや?」

「ちょっと経営が軌道にのるまで、僕自らがやろうと思てたので、他に人は雇ってません。」

「そか、ならあんたが責任もって、受付やれや。ウィーン」

「あと残っているのが、ソウルコレクトシステムの説明と、新規登録用紙の説明、ソウルデバイスの渡し、あと、ダンジョン入った後、初心者は、なぜか、入口のゲート付近にたまるやつらがおるから、そこも誘導係が必要やな。」

天邪鬼のよしさんが、嫌々乍ら仕切ってくれている。
僕じゃ経験のないことばかりだし、人に指示をするのも慣れていないから助かっている。でも、本当はこれじゃダメなんだよな。僕が前もって、役割り分担と初日の動員数を予測して、その対応策を練っておかないと。

 ヨシさんに感謝感謝。手を合わせて拝んでいると。

「ウィーンお前なにしとんねん。やること決めることまだあるんや。そんなことしとらんとさっさとやれ。」

「はいっ」

「ではソウルデバイスは、受付のスペースが不足してるため、現在2階に箱ごとおいてます。個数は、4000個。入っています。同じとこに冒険者カードの新規のものもあります」

「ウィーン様。初日とあって、おそらく登録用の機器が不足しますので、本社より2個送って頂きました。本日届きますので、受付に設置しましょう」

「受付には、僕と桜ちゃん、エリックさんで対応します。大輔さんは、重いのでデバイスと冒険者カードの持ち運びをお願いします。ソウルコレクトシステムの説明は、玉藻姉さんにお願いします。

保険契約書にサインしたものは、受付にて預かり、冒険者カードを交換で渡します」

「ヨシさんには、登録が終わった人のダンジョン入口までの案内と改めての注意説明をお願いします」

「ミリィは、ダンジョン入口に貯まっている人をどんどん奥に送り出してね。モンスターの場所やオアシスの方角は教えていいから。」

「ご主人了解にゃ」

「おまえ、やれば出来んじゃね~か。出来るんならさっさとやれ。」

ヨシさんに、お褒めの言葉を頂戴する。天邪鬼の物の怪って初めて会うけど、天邪鬼というより、ツンデレのお兄さんだわ。ぶつぶついいながらも、こっちを誘導して、色々教えてくれる。損しがちなタイプだな。

「あ~ん?またお前変なこと考えてっだろ。役割り分担決めて、はい、さよならじゃね~んだ。当日までに一通りのシミュレーションこなして、イレギュラーにも色々対応できるようになってなんぼだろーが。」

「はい、その通りです。」

それからは、ヨシさんの指示の元3日間、朝から夜まで大量の人員をどうさばいて、こなしていくか、シミュレーションをして、話し合いを続けた。

「は~やっぱりオープン準備は大変ね。バイトの子にお小遣いあげて、こさせた方がよかったかしら。」

「なに、言うてはんねん。たまもさん。うちらダンジョンオーナーは横の繋がりは必須やろ。忙しくて、ピンチの時にオーナーが出んとどないすんねん。顔つなぎなんて、そんなないんやから、来てよかった。思うとけ。」

「そうよね。普段自分のとこのダンジョンしかみないから、他のとこのダンジョンは刺激があるから来た方がいいのよね。それに、みんなと会えるのもこういう機会しかないものね。終わったらぱ~~~っと、打ち上げして楽しみましょう。」

「たまもちゃん。そっ、そっ、楽しんでやったもん勝ちですよ。私はこの雰囲気味わいたくて、来てますよ。一年もたったら、バイトの子も正規で雇った子も慣れてるから安心して任せられるわ。

こういう時でないと、経営者である以上、長い期間での旅行なんて難しいもん。だから終わった後の金沢観光とショッピングすんごい楽しみにしてるよ~~~」

「さくらちゃんは、これだけやっても疲れてないように元気ですね」

 何十年何百年生きている物の怪が嫌がるお仕事っていったい。いよいよ明日はダンジョンマート金沢支店のオープン日だ。みんな応援に来てくれてたし、僕も頑張って準備したから、絶対成功させるぞ。
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