【完結】TS転生で悪役令嬢に？～婚約破棄され辺境に嫁ぎ、ホットケーキで結納金返済です。～

第７章 アカネとフルーテスとのお茶会編

【男の娘093】ベジタル家での一年の成果3

　床もそれなりに細工を凝らしてるんだよ。サトウキビは水が沢山いるから、用水路を設置して、温室の中に取り入れる様に作ってもらったし。ただ入れるだけだと、冷たい水が入ってきて中の温度が下がるので、外気をあまり取り込まない様に蓋をしている。さらに、マッシュ兄さんが、道具を作っている施設の近くに作ったので、金属を溶かした溶鉱炉の近くの水を使用している。

　鎔鉱炉で温めた水を使っている為、少しでも火石のコストを下げる狙いなんだよ。本当は温泉みたいなのを作りたいとも思ったけど、そこまでの熱量は得られなかったし、まー贅沢だよね…流石に嗜好品の作成はできなかったんだ。

　それは後日に別に熱源を見つけられたらかな。

　それとは別に、お家の床暖房や寒い地域のお家を参考にして、温室の壁を二重構造にした。天井の窓ガラスも本来なら二重構造にしたかったんだけど、予算の関係でそれは渋々断念したんだよ。

　二重構造にすることで、壁と壁の間に空気の通る層を作って断熱構造としたんだよ。こうすることで外が寒くても中の熱は、簡単には逃げては行かない構造になっているの。

　日本でのうちの実家ではそんなことはしてないよ。今の日本で建てても、壁の二重化は物凄いコストかからみたいだし、うちは昭和からある由緒正しい家なのでそんな技術は入ってないし、ともすれば耐震構造もないくらいの家なんだから。

　お爺ちゃんの話によると、半分はお爺ちゃんが建てたって言ってた方ど………。流石に冗談だと思ったよ。でもうちのお爺ちゃんは、凄かったんだよ。自分で、セメントからコンクリート作って、ブロック積み重ねて、車庫や倉庫を作ってくれたんだもん。

　私が小さい頃の話だから、私は手伝えてないんだけどね。手伝ってたら、この世界でもまだまだ出来ることはあったと思うんだよ。


　で、話は戻るけど、私の家も冬は底冷えしてたんだよね。古い家だから、隙間風とか結構あったし。窓ガラスには、プチプチをペタッと張ったり、プラスチック段ボールを加工して、窓に冬だけ設置したりしたんだ。それだけでもかなりの効果が、あったみたい。お母さんがそれをやった冬の電気代みて喜んでたもん。それ以来冬は毎年プチプチを張ったり、プラダンを設置したりしてるんだ。ちょっと見栄えは悪くなるけどね。

　この世界にもプチプチが有れば、窓ガラスに貼り付けることで断熱性能を生み出すことが出来るんだけど、そんな便利なものはないからね。

　布を被せたい気もするけど、被せたら採光が出来なくなるし、植物が育つためには日光、お日様の偉大なパワーが必要だからね。結局、天井のガラスは対応が何も出来ないってことだね。

　そんな感じで、マッシュ兄さんや大工の人、鳥人族や獣人族の人と打ち合わせをした数ヶ月後にようやく温室は完成したんだよ。

　春も地温は足りないけど、少し成長が遅くなるくらいだから、冬までに作ってもらえれば良かったんだ。間に合った間に合った。秋の手前で完成したので万々歳だよ。

　夏は流石に不要だけど、秋は地温が段々下がってくるからね。間に合った分だけ、夏と同じ気温でサトウキビを育成する時間が増えるんだよ。

　って考えてたんだけど、作ってる最中に気づいちゃった。温室作ってる最中は中で栽培出来ないし、外で土に植えて栽培したものも、温室の中には運べないって。あはっ、ほんとうっかりしちゃってたわ。

　仕方ないので、次回からすることにした。とは言え、温室が出来た時に栽培が、すぐ出来ないともったいないので、マッシュ兄さんにお願いして、稲と同じ様に苗箱を作って、そこでサトウキビの苗を育成してたんだ。

　これなら温室が出来たら、そのまま持って中に入れられるから便利だよね。作るマッシュ兄さんが大変そうだったけど。そりゃそうだよね。苗箱1000枚作ってって言うのはちょっと無茶なお願いしちゃったかも。

　サイズ的には、大人の人が一人で運べるサイズだよ。だいたい25㌢✖️90㌢くらいのものかな。これに土が入って、稲が育つとかなり重くなるんだよ。私も高校生の時はお手伝いしてたけど、一箱持つのが精一杯だったんだ。お陰であの時期は握力が結構ついて、45kgまでいったっけ。

　まーお願いした以上は、私も頑張ってその分のサトウキビの苗を作ったよ。土を蒔いて、種を巻いて、水をやってを毎日は結構しんどかったんだよ～～～～

　この時ほど、水魔法を使えたらと思うことはなかったね。中腰で、川か井戸から水を汲んで、栽培している所まで運んで、水をやってたから。移動する時は、ジョウロだとあまり入らないから、バケツ2つに目一杯入れて、それを運んで、ジョウロに移し替えて水をやる。そんな作業をしてたら体力のなかったガーネットの体も少しずつ体力がついてきた。

　とは言っても、重いものを持ってしゃがんで、立ち上がる作業の繰り返しはキツかったよ。腰への負担が半端なかった。

　お父さんが前に重い荷物持ち上げてギックリ腰になってたけど、私ももしかしてなるかもしれないな。

　なるべく農作業での負担を軽くしていかないとね。