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第7章 アカネとフルーテスとのお茶会編
【男の娘090】砂糖の栽培5
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それから私達兄妹は、鉱山に火石を何度か仕事の合間を見て取りに行った。キャロットちゃんが学校でいない時もあった。でも頑張って取りに行ったおかげで、十分な火石を確保することが出来たんだ。
そうやって火石を採取しに行っている合間にも、サトウキビの育成は続いている。絵日記調で、育成の成長具合を描きながらどんなことをして、温度が大体どのくらいかも所感で書き留めていく。サトウキビの大きさも毎日頑張って測ってるんだよ。
1日1日の変化ってほとんど分からないけど、一週間も経つとその経過は、見える程に分かってくる。火石を使用する前はほとんど変わっていなかった様にも思ったんだよ。
でも、火石を入れてからは、ちゃんと成果が上がっているって、目に見えて分かって来たんだ。やっぱりここの世界のサトウキビも温度は高めでやっておかないと成長が厳しい様だ。加速の魔法もちょこちょこと合間を見ながらかけている。実際、1日にどれだけ加速させているのかもうわかんないんだよね。
ティムからも何度かお手紙とサトウキビの苗が送られてくる。もうそんなに沢山苗を送られてもどうしようも出来ないんだよ。ティムの気持ちはとっても嬉しいんだけど……。
それに送られてくる苗は、私のとこで育成させている苗よりも毎回大きいものが送られてくる。なんかね。それを見ていると、やっぱりここの土地は向いていなんだなーとか、向こうの方が育成した方がいいから、ティムに搬送してもらった方がいいんじゃないかなと思うんだよ。
あちらからのメッセージは届いても、こちらからメッセージを伝える手段がないのは辛いなー。ありがとの感謝の言葉ひとつも伝えられないなんて。ティムがいつゲートを開けて送ってくるかも分からないから、部屋でずっと待っている訳にもいかない。
もし、タイミング良くゲートの開通に居合わせたら、電話みたいに少しかも知れないけど、お話出来るのにね。
それから、冬になり春が来た。ティムがその間に帰ってくることはなかった。ずっと手紙とサトウキビの苗が延々と届いてたんだ。とは言っても、流石にその時期になると苗というよりも立派なサトウキビだったんだけどね。
私達の方でも家で火石を使って温かく育てていた方は、順々に成長して、実をつけた。
身をつけてからようやく、糖を溜め出すって書いてあった様な気がする。お米や小麦なら、刈り取り時期は、お爺ちゃんと一緒にしてたから分かるんだけど、流石にサトウキビともなると、北陸育ちの私には見ることも触ることもなかった。だから、ネットのウィキピー情報だけが頼りだった。
こんなことになるのが分かっていれば、もっとサトウキビに関して、資料に目を通して勉強していたのになー。
ひとまず、ティムの送って来たサトウキビ(根っこ付き)を少し包丁で茎を切って、噛んでみる。ほのかに
「あまい」
「へー、草が甘いね~。そういう不思議な食物もあるんだね。私も一つ試してみようかしら?」
お母様に一切れ渡すと、お母様も一噛みしてみる。
「本当に甘いわね。これがあの白いお砂糖になるんだね。やったじゃないアカネちゃん。うちの土地でも砂糖が栽培出来たんだよ。」
「ええ、お母様やりましたわ。と言ってもこれはティムから直送されて来たものなので、うちで育てているものはまだまだ時間がかかりますわ。」
「そうなんだね。でも、一歩前進だね,よかったじゃないか。」
「ええ、これもみんなのひいてはティムのおかけですわ。あとは、どのくらいまで放置したら、糖度の高い汁が取れるか、時期用の種も収穫しないとですから、これからはやることが一杯ですわ。」
「そうだね。汁を搾るにも手でやってたら、時間がかかるしね。マッシュが胡麻の搾油用の設備作ったことがあるから聞いてみなさい。」
「はい、お母様」
私はそれから、マッシュ兄さんに圧搾機を借りて、絞れるかどうかテストして、その後も専用の設備を作れる様にマッシュ兄さんと打ち合わせした。
マッシュ兄さんが設備を作っている間は、私は胡麻の搾油機械で絞れるだけ汁を絞って、その後に鍋と布と大きな石、砂利を混ぜた簡易濾過装置を作って濾過していた。
絞った後の汁は不純物があったけど、濾過をしたら透き通った色になった。これをさらに鍋で煮詰めて水分を飛ばせば、砂糖の完成!!
「よし、これで砂糖の試作品が完成だよ!!とはいいつつも、出来たのは硬い塊なんだよね。これは白砂糖ではなくて、黒砂糖では?」
一つ砂糖を砕いて、一欠片摘んで口の中に入れてみる。うん、白砂糖とは違って柔らかい感じがある甘さだ。
「これは黒砂糖だね。こっから先は正直生成過程が分かんないから、どうしようかな?多分不純物がまだ残っているからなんだけど……。煮詰める前に濾過の回数を増やせばいいのかな?私は黒砂糖でも問題ないんだけど、ホットケーキミックスで販売する時は、白いものの中に黒いものがあるってのは、多分嫌がられるからな。いや?そうでもないか。むしろただの小麦粉には見られないし、うちの沢山の小麦粉だってわかるから、逆にいいかも。うちは、白砂糖として販売する気はないからね。」
そうやって火石を採取しに行っている合間にも、サトウキビの育成は続いている。絵日記調で、育成の成長具合を描きながらどんなことをして、温度が大体どのくらいかも所感で書き留めていく。サトウキビの大きさも毎日頑張って測ってるんだよ。
1日1日の変化ってほとんど分からないけど、一週間も経つとその経過は、見える程に分かってくる。火石を使用する前はほとんど変わっていなかった様にも思ったんだよ。
でも、火石を入れてからは、ちゃんと成果が上がっているって、目に見えて分かって来たんだ。やっぱりここの世界のサトウキビも温度は高めでやっておかないと成長が厳しい様だ。加速の魔法もちょこちょこと合間を見ながらかけている。実際、1日にどれだけ加速させているのかもうわかんないんだよね。
ティムからも何度かお手紙とサトウキビの苗が送られてくる。もうそんなに沢山苗を送られてもどうしようも出来ないんだよ。ティムの気持ちはとっても嬉しいんだけど……。
それに送られてくる苗は、私のとこで育成させている苗よりも毎回大きいものが送られてくる。なんかね。それを見ていると、やっぱりここの土地は向いていなんだなーとか、向こうの方が育成した方がいいから、ティムに搬送してもらった方がいいんじゃないかなと思うんだよ。
あちらからのメッセージは届いても、こちらからメッセージを伝える手段がないのは辛いなー。ありがとの感謝の言葉ひとつも伝えられないなんて。ティムがいつゲートを開けて送ってくるかも分からないから、部屋でずっと待っている訳にもいかない。
もし、タイミング良くゲートの開通に居合わせたら、電話みたいに少しかも知れないけど、お話出来るのにね。
それから、冬になり春が来た。ティムがその間に帰ってくることはなかった。ずっと手紙とサトウキビの苗が延々と届いてたんだ。とは言っても、流石にその時期になると苗というよりも立派なサトウキビだったんだけどね。
私達の方でも家で火石を使って温かく育てていた方は、順々に成長して、実をつけた。
身をつけてからようやく、糖を溜め出すって書いてあった様な気がする。お米や小麦なら、刈り取り時期は、お爺ちゃんと一緒にしてたから分かるんだけど、流石にサトウキビともなると、北陸育ちの私には見ることも触ることもなかった。だから、ネットのウィキピー情報だけが頼りだった。
こんなことになるのが分かっていれば、もっとサトウキビに関して、資料に目を通して勉強していたのになー。
ひとまず、ティムの送って来たサトウキビ(根っこ付き)を少し包丁で茎を切って、噛んでみる。ほのかに
「あまい」
「へー、草が甘いね~。そういう不思議な食物もあるんだね。私も一つ試してみようかしら?」
お母様に一切れ渡すと、お母様も一噛みしてみる。
「本当に甘いわね。これがあの白いお砂糖になるんだね。やったじゃないアカネちゃん。うちの土地でも砂糖が栽培出来たんだよ。」
「ええ、お母様やりましたわ。と言ってもこれはティムから直送されて来たものなので、うちで育てているものはまだまだ時間がかかりますわ。」
「そうなんだね。でも、一歩前進だね,よかったじゃないか。」
「ええ、これもみんなのひいてはティムのおかけですわ。あとは、どのくらいまで放置したら、糖度の高い汁が取れるか、時期用の種も収穫しないとですから、これからはやることが一杯ですわ。」
「そうだね。汁を搾るにも手でやってたら、時間がかかるしね。マッシュが胡麻の搾油用の設備作ったことがあるから聞いてみなさい。」
「はい、お母様」
私はそれから、マッシュ兄さんに圧搾機を借りて、絞れるかどうかテストして、その後も専用の設備を作れる様にマッシュ兄さんと打ち合わせした。
マッシュ兄さんが設備を作っている間は、私は胡麻の搾油機械で絞れるだけ汁を絞って、その後に鍋と布と大きな石、砂利を混ぜた簡易濾過装置を作って濾過していた。
絞った後の汁は不純物があったけど、濾過をしたら透き通った色になった。これをさらに鍋で煮詰めて水分を飛ばせば、砂糖の完成!!
「よし、これで砂糖の試作品が完成だよ!!とはいいつつも、出来たのは硬い塊なんだよね。これは白砂糖ではなくて、黒砂糖では?」
一つ砂糖を砕いて、一欠片摘んで口の中に入れてみる。うん、白砂糖とは違って柔らかい感じがある甘さだ。
「これは黒砂糖だね。こっから先は正直生成過程が分かんないから、どうしようかな?多分不純物がまだ残っているからなんだけど……。煮詰める前に濾過の回数を増やせばいいのかな?私は黒砂糖でも問題ないんだけど、ホットケーキミックスで販売する時は、白いものの中に黒いものがあるってのは、多分嫌がられるからな。いや?そうでもないか。むしろただの小麦粉には見られないし、うちの沢山の小麦粉だってわかるから、逆にいいかも。うちは、白砂糖として販売する気はないからね。」
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