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第7章 アカネとフルーテスとのお茶会編
【男の娘074】アカネとフルーテス家の人々9
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「そうなんです。希少品ゆえ、大量購入した場合の影響具合が分からないんですわ」
「ふむ市場のシェアを握るには、大量な資金が必要になってくるな。そんなベジタル領にも、このフルーテス領にもない。そこで砂糖の栽培に繋がるわけだな。」
「ええ、その通りです。運ぶには、種か、枝か、地下茎で増える植物なのか分かりませんが。植物ですから、何らかの手段で増えているのは間違いありません。その増える素を生産地で入手出来ればと思いますわ。」
「アカネ殿、私も果実を扱っている故、植物の増え方には一定の理解はある。ベジタル殿の所で生産するにしても、環境が問題となるでしよう。現地にて、温度や空気の湿り具合、土壌の質などを調べる必要がありますな。」
「ええ、その通りですわ。パパーヤ様、植物が生きられる環境がわかれば私共の方でなんとか再現します。直近の課題としては砂糖を、生産している地域の特定と、砂糖をうちの領で量産出来るまでの、砂糖の少量の入手、そして、市場への宣伝になります。」
「うむ、分かった。後はこちらの方で少し調べてみよう。ジーヤ、話を聞いていたであろう。得意先の商人に確認してきてくれ。」
「はっ、御領主様」
ジーヤと呼ばれた執事が、返事をしたかと思いきや、さっと音も発てずに、姿を消す。執事って凄い職業なんだね。忍者ばりに、親方様のお側に影として使え、用があればすっと姿を現し、御用を聴き、実行する。
本場の執事さんは、凄いな~隠密ばりの動き方だ。
「それでは、御用も終わったみたいですので、私とアカネ様は一旦失礼致しますね。」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「さっ、アカネ様、こちらが私のお部屋ですわ。どうぞお入り下さい。」
「うわ~っ、メリーナのお部屋すっごく可愛いわ」
ガーネットの時の私の部屋に勝るとも劣らない調度品が、整理されておかれている。流石メリーナお嬢様、天蓋付きのベッドまで置いてある。ふわふわなベッドがなんともいえず、いい感じです。
「アカネ様、久しぶりにお会い出来て嬉しいですわ。」
と、メリーナが抱きついて来た。辺境に限らずこの文化は、この国で流行っているのかしら?でも、レディアント家では、そんな風習は無かったわね。心の温かい貴族だけの風習なのかしら?
「私もよ、メリーナ会いたかったわ。凄く綺麗になったわね。素敵な殿方でもみたかったのかしら?それに、社交の場ではないのだから、メリーナ私のことはアカネと呼んでね。私メリーナとは、もっともっと仲良くなりたいの。」
「私もアカネ・・・・ともっと仲良くなりたいですわ。でも、中々使用人をしている頃からのものなので、早急には難しいですわ。」
「いいのよ。メリーナ。ゆっくりでもいいの。私たちは友達なんだから対等なの。だから、個人的な場では、敬語はいらないわ。」
「それにしても、アカネは、大丈夫でしたか?手紙でオオカミや熊の襲撃があったと聞いた時は驚きましたわ。」
「うん、この通り傷ひとつなくピンピンしてるわ。」
「よかったですわ。やっぱり、辺境の地はこの都市部より過酷なんですね。アカネはマッシュさんとは、手紙でも書いてあったけど、婚約破棄されたのよね?」
「ええ、今のところはね。でも、2年以内に条件が達成出来なかったら、マッシュ兄さんと結婚することになるわね。」
「条件付きの婚約破棄だったんですね。その婚約破棄の理由なんですが、なにか問題でもありましたか?やはり辺境の地というのが問題なんでしょうか?それもともマッシュさん、個人が?」
「うーん、マッシュ兄さんはとってもいい人だし、結婚するには問題ない人だわ。辺境の地も、確かにこことは違って不便だし、危険なことも多いけど、獣人や鳥人達は基本的には優しいし、一部理解できないこともあったりするけど、慣れれば別に環境としては問題ないわ。私は農作業自体はそんなに、苦じゃないし、どちらかと言えば社交界よりも、畑作業の方が性にあっているから。」
「なら、どうして?」
「うーんそれはね。自分の結婚相手は人に決められたものではなく、自分で恋愛して決めたいからかな。私のこれっきりの人生だもん。納得して結婚したいんだよ。」
「そうだったんですね。」
メリーナが両手でわたしの手を握ってくる
「わかります。分かりますわ。アカネ私も貴族の端くれですから、結婚相手の人は、お母様とお父様の認める人でなくてはなりません。格式や職柄など、色んな条件を、クリアしないとダメなんですの。私も色々な人を、連れて来たのだけれど、中々条件に当てはまるひとがいなくてダメでしたわ。お陰で最近はずっとお父様やお母様が持ってくる縁談ばかりですわ。」
「そうなんだ。メリーナも大変だったんだね。よしよし」
とメリーナの頭をちょっと背伸びして撫でてあげた。
「アカネ、ともだちとして、少し確認したいことがあるの。少し変な質問かも知れないけど怒らないで、聞いてくれるかしら?」
「なーにーメリーナ。メリーナからの質問で私が怒ることなんてないよ。答えられるものなら、なんでも答えるよ。」
「ふむ市場のシェアを握るには、大量な資金が必要になってくるな。そんなベジタル領にも、このフルーテス領にもない。そこで砂糖の栽培に繋がるわけだな。」
「ええ、その通りです。運ぶには、種か、枝か、地下茎で増える植物なのか分かりませんが。植物ですから、何らかの手段で増えているのは間違いありません。その増える素を生産地で入手出来ればと思いますわ。」
「アカネ殿、私も果実を扱っている故、植物の増え方には一定の理解はある。ベジタル殿の所で生産するにしても、環境が問題となるでしよう。現地にて、温度や空気の湿り具合、土壌の質などを調べる必要がありますな。」
「ええ、その通りですわ。パパーヤ様、植物が生きられる環境がわかれば私共の方でなんとか再現します。直近の課題としては砂糖を、生産している地域の特定と、砂糖をうちの領で量産出来るまでの、砂糖の少量の入手、そして、市場への宣伝になります。」
「うむ、分かった。後はこちらの方で少し調べてみよう。ジーヤ、話を聞いていたであろう。得意先の商人に確認してきてくれ。」
「はっ、御領主様」
ジーヤと呼ばれた執事が、返事をしたかと思いきや、さっと音も発てずに、姿を消す。執事って凄い職業なんだね。忍者ばりに、親方様のお側に影として使え、用があればすっと姿を現し、御用を聴き、実行する。
本場の執事さんは、凄いな~隠密ばりの動き方だ。
「それでは、御用も終わったみたいですので、私とアカネ様は一旦失礼致しますね。」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「さっ、アカネ様、こちらが私のお部屋ですわ。どうぞお入り下さい。」
「うわ~っ、メリーナのお部屋すっごく可愛いわ」
ガーネットの時の私の部屋に勝るとも劣らない調度品が、整理されておかれている。流石メリーナお嬢様、天蓋付きのベッドまで置いてある。ふわふわなベッドがなんともいえず、いい感じです。
「アカネ様、久しぶりにお会い出来て嬉しいですわ。」
と、メリーナが抱きついて来た。辺境に限らずこの文化は、この国で流行っているのかしら?でも、レディアント家では、そんな風習は無かったわね。心の温かい貴族だけの風習なのかしら?
「私もよ、メリーナ会いたかったわ。凄く綺麗になったわね。素敵な殿方でもみたかったのかしら?それに、社交の場ではないのだから、メリーナ私のことはアカネと呼んでね。私メリーナとは、もっともっと仲良くなりたいの。」
「私もアカネ・・・・ともっと仲良くなりたいですわ。でも、中々使用人をしている頃からのものなので、早急には難しいですわ。」
「いいのよ。メリーナ。ゆっくりでもいいの。私たちは友達なんだから対等なの。だから、個人的な場では、敬語はいらないわ。」
「それにしても、アカネは、大丈夫でしたか?手紙でオオカミや熊の襲撃があったと聞いた時は驚きましたわ。」
「うん、この通り傷ひとつなくピンピンしてるわ。」
「よかったですわ。やっぱり、辺境の地はこの都市部より過酷なんですね。アカネはマッシュさんとは、手紙でも書いてあったけど、婚約破棄されたのよね?」
「ええ、今のところはね。でも、2年以内に条件が達成出来なかったら、マッシュ兄さんと結婚することになるわね。」
「条件付きの婚約破棄だったんですね。その婚約破棄の理由なんですが、なにか問題でもありましたか?やはり辺境の地というのが問題なんでしょうか?それもともマッシュさん、個人が?」
「うーん、マッシュ兄さんはとってもいい人だし、結婚するには問題ない人だわ。辺境の地も、確かにこことは違って不便だし、危険なことも多いけど、獣人や鳥人達は基本的には優しいし、一部理解できないこともあったりするけど、慣れれば別に環境としては問題ないわ。私は農作業自体はそんなに、苦じゃないし、どちらかと言えば社交界よりも、畑作業の方が性にあっているから。」
「なら、どうして?」
「うーんそれはね。自分の結婚相手は人に決められたものではなく、自分で恋愛して決めたいからかな。私のこれっきりの人生だもん。納得して結婚したいんだよ。」
「そうだったんですね。」
メリーナが両手でわたしの手を握ってくる
「わかります。分かりますわ。アカネ私も貴族の端くれですから、結婚相手の人は、お母様とお父様の認める人でなくてはなりません。格式や職柄など、色んな条件を、クリアしないとダメなんですの。私も色々な人を、連れて来たのだけれど、中々条件に当てはまるひとがいなくてダメでしたわ。お陰で最近はずっとお父様やお母様が持ってくる縁談ばかりですわ。」
「そうなんだ。メリーナも大変だったんだね。よしよし」
とメリーナの頭をちょっと背伸びして撫でてあげた。
「アカネ、ともだちとして、少し確認したいことがあるの。少し変な質問かも知れないけど怒らないで、聞いてくれるかしら?」
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