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第7章 アカネとフルーテスとのお茶会編
【男の娘071】アカネとフルーテス家の人々6
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頂戴。」
「はい、奥様」
「あのちょっと待って下さい。」
当主の妻と、メイドさんの会話に待ったをかけてしまった。本来、相手のお屋敷のことに口を挟むのは貴族社会では御法度なんだよね。でも、カットしたフルーツをどうせ載せるならね。
「どうかされましたか、アカネ様」
「はい、さしでまがしいとは思いましたが口を挟ませて頂きました。カットしたフルーツを乗せるのであればあ、さらにデコレーションして、美味しくなるものがありますわ。」
「ぇっ、アカネ様、それは本当ですの?なに?何があったらこれ以上に美味しくなるんですの?」
「それは…………」
「それは?」
「生クリームですわ。」
「生クリーム?聞いたことはないですわね。一体どういうものですの?」
「材料は、牛乳、砂糖、卵白、バターを混ぜて泡だてだものですわ。白色のクリームがとってもスイーツに最適なんです。」
本来の生クリームは、牛乳の脂肪分が高めのもの使うんだけど。この世界にはないのだから仕方がない。バターを代用して、一定比率で混ぜ合わせて生クリームの代用にする。
「よく分かりませんわね。実際に作ってみてもらった方がよさそうですわね。アカネ様、メイドに教えてもらっても宜しくて?」
「ええ、ベリーナ様喜んで。」
私はメイドさんに生クリームの作り方をさらっと教えた。そして、バックの中から、こんなこともあろうかと準備しておいた泡立て器を渡した。
「生クリーム作りは、回転速度が命ですわ、腕が大変辛くなりますが、そこを堪えて作れば、とってもいいツノが立つほどの生クリームが出来ますわ。」
「ありがとうございます。」
メイドさんは、急いで調理場に行ってしまった。
「いやはや、ベジタル家の方々は、色んなことを知っていて博識ですな。それに先程の泡立て器?ですか。あれも珍妙な形を、しておりましたが何をするためのものなんですか?」
「お褒めにお預かり恐縮ですわ。パパーヤ様。泡立て器はその名の通り、泡をたてるものですわ。食材、主にこの場合は、液体系の食材を混ぜるときに、空気を含ませることによって、舌触りを良くして、味わいをまろやかにしますの。卵焼きに使うとまた一味違ったものになりますわ。」
「色々なところで使い勝手のある器具ですのね。うちの方もあった方があった方が良いかしら?」
「そうだな。おそらく、出てくる生クリームというものも、トッピングしたデザートとの組み合わせも、今まで出てきた、ロイヤルゼリーextra、ドーナツ、ホットケーキのように我々の想像以上のものになってくるのであろう。マッシュさん、こちらの泡だて器はどちらの行商人からお買い求めになったものかな?」
「パパーヤ様、こちらの泡立て器でございますが、販売されているものではありません。私どもが思考錯誤しながら、トライ&エラーを繰り返しようやく作り出した至高の逸品でございます。」
「ふむ、ではそちらのいい値で良いので、売ってはくれまいか。また、設計図を書いて、作り方の指導までして頂けたらありがたい。もちろん、作成した分に関するロイヤリティは支払おう。」
「パパーヤ様お買い上げありがとうございます。契約のお話しは、後ほどまとめてさせて頂きますね。」
「ふむ、そうだな。まだまだ突拍子もなく、驚かされるものが出てくるかもしれんからな。まとめてした方が良いだろう。はっはっはっはっ」
えっ、パパーヤ様、まだ驚くようなものが出てくると思ってるの?私たちに過分に期待し過ぎだよ。まだ、あったかな?あれとこれと、あっあれもあった。確かに驚くのはまだまだ出てきますね。
ともあれ、この言葉が出た以上、これはこのお茶会は大成功だね。あれっ、ちょっと待っておかしいわ。近況の話しあいする予定だったのに完全に商談の席にしてしまっているわ。メリーナと女子会してみたかったのに。あと、恋バナもしてみたかったのに……
ここまで来たら、パパーヤ様もベリーナ様も、キウイ様も席を外すことはないよね。うううううーー。失敗してしまったわ。調子に乗りすぎて、本来のメリーナともっとや仲良くなるっていう最大の目的が蔑ろになってしまっている。
軌道修正は、もうここまで来てしまったら、難しいし、幸いお泊まりだから、まだまだ、仲良くなるチャンスは残ってる。ここまでやってしまった以上は、フルーテス家まとめて相手をしてあげますわ。
「ははははっ、パパーヤ様はまだなにか出てくると思っているようですね。」
「ふふふっ、マッシュさん。私のこの長年の勘がねまだ、2、3出てくると囁いているんだよ」
と言って、パパーヤ様がこめかみをトントンと、人差し指で叩いている。
なになに、歴戦の貴族の人ってそんな勘が働くようになってるの?私も出来るかな?
「はい、奥様」
「あのちょっと待って下さい。」
当主の妻と、メイドさんの会話に待ったをかけてしまった。本来、相手のお屋敷のことに口を挟むのは貴族社会では御法度なんだよね。でも、カットしたフルーツをどうせ載せるならね。
「どうかされましたか、アカネ様」
「はい、さしでまがしいとは思いましたが口を挟ませて頂きました。カットしたフルーツを乗せるのであればあ、さらにデコレーションして、美味しくなるものがありますわ。」
「ぇっ、アカネ様、それは本当ですの?なに?何があったらこれ以上に美味しくなるんですの?」
「それは…………」
「それは?」
「生クリームですわ。」
「生クリーム?聞いたことはないですわね。一体どういうものですの?」
「材料は、牛乳、砂糖、卵白、バターを混ぜて泡だてだものですわ。白色のクリームがとってもスイーツに最適なんです。」
本来の生クリームは、牛乳の脂肪分が高めのもの使うんだけど。この世界にはないのだから仕方がない。バターを代用して、一定比率で混ぜ合わせて生クリームの代用にする。
「よく分かりませんわね。実際に作ってみてもらった方がよさそうですわね。アカネ様、メイドに教えてもらっても宜しくて?」
「ええ、ベリーナ様喜んで。」
私はメイドさんに生クリームの作り方をさらっと教えた。そして、バックの中から、こんなこともあろうかと準備しておいた泡立て器を渡した。
「生クリーム作りは、回転速度が命ですわ、腕が大変辛くなりますが、そこを堪えて作れば、とってもいいツノが立つほどの生クリームが出来ますわ。」
「ありがとうございます。」
メイドさんは、急いで調理場に行ってしまった。
「いやはや、ベジタル家の方々は、色んなことを知っていて博識ですな。それに先程の泡立て器?ですか。あれも珍妙な形を、しておりましたが何をするためのものなんですか?」
「お褒めにお預かり恐縮ですわ。パパーヤ様。泡立て器はその名の通り、泡をたてるものですわ。食材、主にこの場合は、液体系の食材を混ぜるときに、空気を含ませることによって、舌触りを良くして、味わいをまろやかにしますの。卵焼きに使うとまた一味違ったものになりますわ。」
「色々なところで使い勝手のある器具ですのね。うちの方もあった方があった方が良いかしら?」
「そうだな。おそらく、出てくる生クリームというものも、トッピングしたデザートとの組み合わせも、今まで出てきた、ロイヤルゼリーextra、ドーナツ、ホットケーキのように我々の想像以上のものになってくるのであろう。マッシュさん、こちらの泡だて器はどちらの行商人からお買い求めになったものかな?」
「パパーヤ様、こちらの泡立て器でございますが、販売されているものではありません。私どもが思考錯誤しながら、トライ&エラーを繰り返しようやく作り出した至高の逸品でございます。」
「ふむ、ではそちらのいい値で良いので、売ってはくれまいか。また、設計図を書いて、作り方の指導までして頂けたらありがたい。もちろん、作成した分に関するロイヤリティは支払おう。」
「パパーヤ様お買い上げありがとうございます。契約のお話しは、後ほどまとめてさせて頂きますね。」
「ふむ、そうだな。まだまだ突拍子もなく、驚かされるものが出てくるかもしれんからな。まとめてした方が良いだろう。はっはっはっはっ」
えっ、パパーヤ様、まだ驚くようなものが出てくると思ってるの?私たちに過分に期待し過ぎだよ。まだ、あったかな?あれとこれと、あっあれもあった。確かに驚くのはまだまだ出てきますね。
ともあれ、この言葉が出た以上、これはこのお茶会は大成功だね。あれっ、ちょっと待っておかしいわ。近況の話しあいする予定だったのに完全に商談の席にしてしまっているわ。メリーナと女子会してみたかったのに。あと、恋バナもしてみたかったのに……
ここまで来たら、パパーヤ様もベリーナ様も、キウイ様も席を外すことはないよね。うううううーー。失敗してしまったわ。調子に乗りすぎて、本来のメリーナともっとや仲良くなるっていう最大の目的が蔑ろになってしまっている。
軌道修正は、もうここまで来てしまったら、難しいし、幸いお泊まりだから、まだまだ、仲良くなるチャンスは残ってる。ここまでやってしまった以上は、フルーテス家まとめて相手をしてあげますわ。
「ははははっ、パパーヤ様はまだなにか出てくると思っているようですね。」
「ふふふっ、マッシュさん。私のこの長年の勘がねまだ、2、3出てくると囁いているんだよ」
と言って、パパーヤ様がこめかみをトントンと、人差し指で叩いている。
なになに、歴戦の貴族の人ってそんな勘が働くようになってるの?私も出来るかな?
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