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第7章 アカネとフルーテスとのお茶会編
【男の娘069】アカネとフルーテス家の人々4
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メリーナが目を私の方に向けてくる。意味する所は分かるんだよ。メリーナもロイヤルゼリーが欲しいんだよね。だって、女の子だもん。そりゃー欲しいに決まってるよね。
でも、私はメリーナに向けて横に首を振る。さっきも言ったけど、本当にあれで全部なんだよ。ベジタル家にある分を全て持って来てあの量なんだから。
メリーナが目に見える形でガッカリする。
「ベリーナ様、そちらは、フルーテス家の皆様でどうぞお使いになって下さいね。使用感のご感想も楽しみにお待ちしておりますわ。」
そう、私が言った瞬間、メリーナの表情が歓喜に満ちて、代わりにベリーナ様が少し残念そうな表情に変わった。そして、キウィー様も男性にもかかわらず、目が輝いて小瓶を見出した。
「お母様、私にも少し使わせて下さいね。」
「メリーナあなたはまだ若いじゃないの、こういう化粧品に頼らなくてまだ大丈夫よ。」
「いえ、お母様、素敵な殿方を早く見つけるためにも、より一層綺麗になる必要がありますわ。」
母と娘の美容品の争奪戦か勃発してしまった。そこへ。。。
「母上、私にも少量分けて下さい。」
「キウィー、あなたは男でしょう?このロイヤルゼリーは、女性のためのものよ。あなたが出る幕ではなくてよ。」
「母上、意中の女性にプレゼントをしたいのです。母上とメリーナの様子を、見ているととても喜んでもらえると分かりますから。」
3人の視線が小瓶に集まり、バチバチと火花が見えるようだ。家族の仲でも争いが勃発してしまった。しかも、予想外の男の人まで、乱入して。やはり、このロイヤルゼリーextraの存在は秘匿しておく必要があるわね。
私は隣に座っているキャロットちゃんを見た。キャロットちゃんも私の視線に気づき、私が伝えたいことが分かったのか、なにも聞かずに、頷いた。
そう、伝えたかったことは、争いを起こすものを世に出すよりかは、ベジタル家の私、お母様、キャロットちゃんの3人で仲良く平和利用しようということだ。
争いは醜い。綺麗になる品物を巡り、醜くなるのはとてもではないけど耐えられそうにないんだよ。
「ごほん、3人とも、お客様の前だぞ。いい加減にしないか。キウイー、キャロットさんも言っておっただろう。これは、ベジタル家とフルーテス家の秘密にする。他家には、一切話すことはならん。出所を聞いてくる人で溢れ返ってしまうぞ。ベリーナ、ちょっとだけ、メリーナに分けて上げなさい。メリーナも少量しかないのだから、大部分は母に譲ってあげなさい。」
「.はい、あなた」
「はい、お父様」
「了解です。父上」
当主の話で皆が皆納得したようだ。素晴らしいお手並ですわ。
「それで、話が逸れてしまったようだ。ベジタル家の皆様にはみっともない所を見せてしまった。いやはや申し訳ない。」
領主が頭を、下げてくる。私とマッシュ兄さんは慌ててそれを止めさせる。
「いえいえ、そんな謝らないで下さい。」
「それでは、お話を戻しましょう。こちらがベジタル家で今期開発した、魔法の小麦粉になります。」
マッシュ兄さんが袋に詰めてある。小麦粉をパパーヤ様にお渡しした。
「見ても宜しいですかな?」
「ええ、どうぞご覧になって下さい。」
袋の紐を解いて、パパーヤ様が袋の中を覗く、指で少しつまみ、手にとってみる。中々注意深く見ているようだ。一見はなんの変哲もないただの白い小麦粉に見えるはずなんだよ。
「ふむ、見た目も、触り具合もそれほど変わった所はないようだ。マッシュさん。詳しく説明して頂けるかな?」
「はい、まずは言葉でご説明するよりも実際にそれで作ったものを試食してもらった方が分かりやすいでしょう。アカネ、皆さんにお出しして下さい」
「はい、マッシュ兄さん」
私は、前もって作って来てあった日持ちするドーナッツを籠から取り出し、執事の方にお渡しして、皆さんに配って頂いた。
「こちらが、先ほどの魔法の粉で作成したドーナッツというものです。本来の味を損なわないために、小麦粉と必要なもの以外は、味付けをしておりません。」
みんな不思議な丸い穴の空いた物体に、キョトンとしている。それもそうだろうこの世界にはない、油で揚げた料理だし、形状も凝ってるんだから。
「さっ、どうぞ召し上がって下さい。」
フルーテス家の人たちは、お互いを見て、誰が先に食べるか思案しているようだ。時間がかかりそうだね。毒は入っていないというの。
「アカネ、食べて良いか?」
ティムがおもむろに私に聞いてくる。お行儀よく、先方が食べるのを待っていてくれたのだが、時間がかかったため、焦れてしまったようだ。
私は、パパーヤさんに視線を向けると、コックリとうなづいてくれた。
「ええ、いいわよ。私たちも頂きましょう。」
用意してもらっているナイフとフォークを使って切り分けて、一口サイズにしたものを口の中に入れていく。
ベジタル家では、そこまで上品には食べていない。タオルを置いて、手で掴んで食べることが多いんだよ。ここは、お茶会の席なので、テーブルマナーを優先してやってます。
「うむ、熱々も美味いが、冷めても美味いのだ。食べないのなら、我がもらっても良いかのう?」
腹ペコティムがいい仕事をしている。毒もないし、美味しいし、何より食べないなら、頂戴ときたものだ。そこまで美味しいものを食べずに渡すくらいならと、メリーナが一口食べる。
「あっ、サクサクして、ほんのり甘くて美味しいですわ。」
「では、私も」
パパーヤ様、ベリーナ様、キウィー様、アボート様が次々と食べ始める。
「ホントだ美味しい。」
「デザートにしてはあっさりしているが私としては、このくらいの方が食べやすい。出てくるデザートは甘ったるいものが多いからな。」
「ホントです。あっさりしているので、男性も無理なく食べられます。」
「紅茶にも合いますわ」
次々とドーナツを食べた感想が出てくる。どれも高評価なコメントだ。2戦目もベジタル家の勝利だね。
私は、マッシュ兄さん、キャロットちゃん、ティムを見て、やったとばかりに微笑んだ。みんなは、それに微笑み返してくれた。流石に、お茶会でハイタッチは出来ないもんね、
でも、私はメリーナに向けて横に首を振る。さっきも言ったけど、本当にあれで全部なんだよ。ベジタル家にある分を全て持って来てあの量なんだから。
メリーナが目に見える形でガッカリする。
「ベリーナ様、そちらは、フルーテス家の皆様でどうぞお使いになって下さいね。使用感のご感想も楽しみにお待ちしておりますわ。」
そう、私が言った瞬間、メリーナの表情が歓喜に満ちて、代わりにベリーナ様が少し残念そうな表情に変わった。そして、キウィー様も男性にもかかわらず、目が輝いて小瓶を見出した。
「お母様、私にも少し使わせて下さいね。」
「メリーナあなたはまだ若いじゃないの、こういう化粧品に頼らなくてまだ大丈夫よ。」
「いえ、お母様、素敵な殿方を早く見つけるためにも、より一層綺麗になる必要がありますわ。」
母と娘の美容品の争奪戦か勃発してしまった。そこへ。。。
「母上、私にも少量分けて下さい。」
「キウィー、あなたは男でしょう?このロイヤルゼリーは、女性のためのものよ。あなたが出る幕ではなくてよ。」
「母上、意中の女性にプレゼントをしたいのです。母上とメリーナの様子を、見ているととても喜んでもらえると分かりますから。」
3人の視線が小瓶に集まり、バチバチと火花が見えるようだ。家族の仲でも争いが勃発してしまった。しかも、予想外の男の人まで、乱入して。やはり、このロイヤルゼリーextraの存在は秘匿しておく必要があるわね。
私は隣に座っているキャロットちゃんを見た。キャロットちゃんも私の視線に気づき、私が伝えたいことが分かったのか、なにも聞かずに、頷いた。
そう、伝えたかったことは、争いを起こすものを世に出すよりかは、ベジタル家の私、お母様、キャロットちゃんの3人で仲良く平和利用しようということだ。
争いは醜い。綺麗になる品物を巡り、醜くなるのはとてもではないけど耐えられそうにないんだよ。
「ごほん、3人とも、お客様の前だぞ。いい加減にしないか。キウイー、キャロットさんも言っておっただろう。これは、ベジタル家とフルーテス家の秘密にする。他家には、一切話すことはならん。出所を聞いてくる人で溢れ返ってしまうぞ。ベリーナ、ちょっとだけ、メリーナに分けて上げなさい。メリーナも少量しかないのだから、大部分は母に譲ってあげなさい。」
「.はい、あなた」
「はい、お父様」
「了解です。父上」
当主の話で皆が皆納得したようだ。素晴らしいお手並ですわ。
「それで、話が逸れてしまったようだ。ベジタル家の皆様にはみっともない所を見せてしまった。いやはや申し訳ない。」
領主が頭を、下げてくる。私とマッシュ兄さんは慌ててそれを止めさせる。
「いえいえ、そんな謝らないで下さい。」
「それでは、お話を戻しましょう。こちらがベジタル家で今期開発した、魔法の小麦粉になります。」
マッシュ兄さんが袋に詰めてある。小麦粉をパパーヤ様にお渡しした。
「見ても宜しいですかな?」
「ええ、どうぞご覧になって下さい。」
袋の紐を解いて、パパーヤ様が袋の中を覗く、指で少しつまみ、手にとってみる。中々注意深く見ているようだ。一見はなんの変哲もないただの白い小麦粉に見えるはずなんだよ。
「ふむ、見た目も、触り具合もそれほど変わった所はないようだ。マッシュさん。詳しく説明して頂けるかな?」
「はい、まずは言葉でご説明するよりも実際にそれで作ったものを試食してもらった方が分かりやすいでしょう。アカネ、皆さんにお出しして下さい」
「はい、マッシュ兄さん」
私は、前もって作って来てあった日持ちするドーナッツを籠から取り出し、執事の方にお渡しして、皆さんに配って頂いた。
「こちらが、先ほどの魔法の粉で作成したドーナッツというものです。本来の味を損なわないために、小麦粉と必要なもの以外は、味付けをしておりません。」
みんな不思議な丸い穴の空いた物体に、キョトンとしている。それもそうだろうこの世界にはない、油で揚げた料理だし、形状も凝ってるんだから。
「さっ、どうぞ召し上がって下さい。」
フルーテス家の人たちは、お互いを見て、誰が先に食べるか思案しているようだ。時間がかかりそうだね。毒は入っていないというの。
「アカネ、食べて良いか?」
ティムがおもむろに私に聞いてくる。お行儀よく、先方が食べるのを待っていてくれたのだが、時間がかかったため、焦れてしまったようだ。
私は、パパーヤさんに視線を向けると、コックリとうなづいてくれた。
「ええ、いいわよ。私たちも頂きましょう。」
用意してもらっているナイフとフォークを使って切り分けて、一口サイズにしたものを口の中に入れていく。
ベジタル家では、そこまで上品には食べていない。タオルを置いて、手で掴んで食べることが多いんだよ。ここは、お茶会の席なので、テーブルマナーを優先してやってます。
「うむ、熱々も美味いが、冷めても美味いのだ。食べないのなら、我がもらっても良いかのう?」
腹ペコティムがいい仕事をしている。毒もないし、美味しいし、何より食べないなら、頂戴ときたものだ。そこまで美味しいものを食べずに渡すくらいならと、メリーナが一口食べる。
「あっ、サクサクして、ほんのり甘くて美味しいですわ。」
「では、私も」
パパーヤ様、ベリーナ様、キウィー様、アボート様が次々と食べ始める。
「ホントだ美味しい。」
「デザートにしてはあっさりしているが私としては、このくらいの方が食べやすい。出てくるデザートは甘ったるいものが多いからな。」
「ホントです。あっさりしているので、男性も無理なく食べられます。」
「紅茶にも合いますわ」
次々とドーナツを食べた感想が出てくる。どれも高評価なコメントだ。2戦目もベジタル家の勝利だね。
私は、マッシュ兄さん、キャロットちゃん、ティムを見て、やったとばかりに微笑んだ。みんなは、それに微笑み返してくれた。流石に、お茶会でハイタッチは出来ないもんね、
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