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第7章 アカネとフルーテスとのお茶会編
【男の娘068】アカネとフルーテス家の人々3
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「キャロットちゃん。例のものを、ベリーナ様にお渡ししてあげてくれるかしら」
「はい、アカネお姉様」
キャロットちゃんは、持ってきた袋の中から、透明な小瓶を一個取り出した。中には、乳白色のクリーム色の液体が入っている。
「ベリーナ様、こちらをどうぞ。私どもの農園でも僅かにしか入手出来ない代物となりますわ。」
ベリーナ様は、不思議そうに手渡された小瓶をクルクルと回しながら、色んな方向から眺める。そして、ある考えにたどり着いたベリーナ様は、驚いたと思いきやすごく嬉しそうな表情へと変わった。
「ベジタル家の皆様。もしや、この小瓶は蜂蜜由来のものではありませんか?」
ちにみにこの存在は、マッシュ兄さんはご存知ないです。私とティムとキャロットちゃんで、こっそり養蜂箱の中から、採取している極小数の人しか知らない貴重品なんだよ。
マッシュ兄さんは、事情が分からないので、口を挟まずに笑みを保ったまま佇んでいる。女性の美容関連担当として、お母様とお父様とお話しした上で、キャロットちゃんに任命した。その際に、私がガーネットとして、知っている美容の知識、お母様の貴族として、そして、辺境に住む女性としての知識を数日に渡って教育したんだよ。
キャロットちゃんはまだまだ若いし、亜人達と一緒の学舎で学ぶ分には、美容のことはほとんど話題として上がらない。そもそもそんな情報が流れて来ないので、話す人もいないだろうし。
若くて記憶力がよく、スポンジが水を吸い込むようにして、知識を吸収するキャロットちゃん。これらの知識を大体覚えて、プレゼンの練習まで徹底的にやってきたんだよ。
「はい、ベリーナ様の考える通りの品物になります。こちらは、私どもの領地で採れた、最高級品質のロイヤルゼリーextraとなります。なにぶん蜂蜜の量も満足に採取出来ない状態ですので、さらに量の少ないロイヤルゼリーは、これで全てでございます。」
「なんと、それをわらわに手土産として、渡してくれると言うの?一体それがどれほどの高級品か分かっておいでなの?上級貴族でも一部の階級の方しか手に入れられることのできないものなのよ。売れば、宝石一個と同じくらいの金額で取引されるものを?」
「ええ、おっしゃる通りですわ。ベリーナ様。女性であれば、手が喉から出るくらいに欲しい品物です。需要に対して、希少性故、かなりの高価なものになっているのも存じております。私どもとしても、自らのために使いたい程ですので、差し上げるのは苦渋の思いではあります。
ですが、せっかく私どもののために開いてくれたお茶会です。私どもの母もフルーテス家の方々が喜んでくれるので有れば、喜んで差し上げると申しておりました。」
これに関してはホントお母様にとっては、苦渋の決断に近かった。私たちは、比較的若く、肌の衰えも少ないので、必要ないと言えば必要ないが、使えるなら美を若さを保つために今からでも使っておきたい一品だ。お母様は、これを毎日少量、指で少し撫でるくらいの量を舐めて服用し、もう一撫でて、顔の比較的見られやすい部分に塗っている。
その効果は高く、翌日にはその部分がツヤが出て、肌もプルプルするくらいのものだ。異世界のロイヤルゼリーのためか、日本であったものよりも効果が数段高いのかもしれない。私も化粧品はいくつか買ったが、ロイヤルゼリーは、手が出せないでいた。
なんせ、肌に塗ってよし、食べてよし、エネルギーも栄養素も多量に含んでいる万能食である。ゲームの世界ならエリクサーと呼んだも良いほどの一品である。まさに、魔法の薬と呼ぶに相応しい一品である。しかも、養蜂の進んでいないこの世界なら、砂糖よりも希少になりうる。
正直、養蜂を始めた時は蜂蜜欲しさで始めたので、ロイヤルゼリーのことなど、頭の隅にもなかったんだよ。だから、これは完全に棚からぼた餅、瓢箪から駒見たいな完全なる思いがけない副産物である。
こらからも採取出来る量は限られているため、私達のために公開できる範囲を狭めてあく必要があるんだよ。
「ベリーナ様、分かっているとは思いますが、これは、ベジタル家とフルーテス家だけの秘密でございます。なにぶん量が少ないため、限られた人にしか渡ることはありません。この存在が世の女性達に知られてしまえば。。。」
「ええ、そうね。血を見ることになるでしょうね。そんな希少なものを頂いてしまって悪いわね。感謝するわ。」
とベリーナ様は完全に席に腰を下ろした、もはや出ていこうとする雰囲気は微塵もない。まずはベジタル家が先手の勝利を収めた。まだまだ、戦いはこれからである。目的を達成するためには、ここから、全勝していかなくてはならない。
それだけ、私達は、このお茶会を楽しみに準備してきたんでよ。
「はい、アカネお姉様」
キャロットちゃんは、持ってきた袋の中から、透明な小瓶を一個取り出した。中には、乳白色のクリーム色の液体が入っている。
「ベリーナ様、こちらをどうぞ。私どもの農園でも僅かにしか入手出来ない代物となりますわ。」
ベリーナ様は、不思議そうに手渡された小瓶をクルクルと回しながら、色んな方向から眺める。そして、ある考えにたどり着いたベリーナ様は、驚いたと思いきやすごく嬉しそうな表情へと変わった。
「ベジタル家の皆様。もしや、この小瓶は蜂蜜由来のものではありませんか?」
ちにみにこの存在は、マッシュ兄さんはご存知ないです。私とティムとキャロットちゃんで、こっそり養蜂箱の中から、採取している極小数の人しか知らない貴重品なんだよ。
マッシュ兄さんは、事情が分からないので、口を挟まずに笑みを保ったまま佇んでいる。女性の美容関連担当として、お母様とお父様とお話しした上で、キャロットちゃんに任命した。その際に、私がガーネットとして、知っている美容の知識、お母様の貴族として、そして、辺境に住む女性としての知識を数日に渡って教育したんだよ。
キャロットちゃんはまだまだ若いし、亜人達と一緒の学舎で学ぶ分には、美容のことはほとんど話題として上がらない。そもそもそんな情報が流れて来ないので、話す人もいないだろうし。
若くて記憶力がよく、スポンジが水を吸い込むようにして、知識を吸収するキャロットちゃん。これらの知識を大体覚えて、プレゼンの練習まで徹底的にやってきたんだよ。
「はい、ベリーナ様の考える通りの品物になります。こちらは、私どもの領地で採れた、最高級品質のロイヤルゼリーextraとなります。なにぶん蜂蜜の量も満足に採取出来ない状態ですので、さらに量の少ないロイヤルゼリーは、これで全てでございます。」
「なんと、それをわらわに手土産として、渡してくれると言うの?一体それがどれほどの高級品か分かっておいでなの?上級貴族でも一部の階級の方しか手に入れられることのできないものなのよ。売れば、宝石一個と同じくらいの金額で取引されるものを?」
「ええ、おっしゃる通りですわ。ベリーナ様。女性であれば、手が喉から出るくらいに欲しい品物です。需要に対して、希少性故、かなりの高価なものになっているのも存じております。私どもとしても、自らのために使いたい程ですので、差し上げるのは苦渋の思いではあります。
ですが、せっかく私どもののために開いてくれたお茶会です。私どもの母もフルーテス家の方々が喜んでくれるので有れば、喜んで差し上げると申しておりました。」
これに関してはホントお母様にとっては、苦渋の決断に近かった。私たちは、比較的若く、肌の衰えも少ないので、必要ないと言えば必要ないが、使えるなら美を若さを保つために今からでも使っておきたい一品だ。お母様は、これを毎日少量、指で少し撫でるくらいの量を舐めて服用し、もう一撫でて、顔の比較的見られやすい部分に塗っている。
その効果は高く、翌日にはその部分がツヤが出て、肌もプルプルするくらいのものだ。異世界のロイヤルゼリーのためか、日本であったものよりも効果が数段高いのかもしれない。私も化粧品はいくつか買ったが、ロイヤルゼリーは、手が出せないでいた。
なんせ、肌に塗ってよし、食べてよし、エネルギーも栄養素も多量に含んでいる万能食である。ゲームの世界ならエリクサーと呼んだも良いほどの一品である。まさに、魔法の薬と呼ぶに相応しい一品である。しかも、養蜂の進んでいないこの世界なら、砂糖よりも希少になりうる。
正直、養蜂を始めた時は蜂蜜欲しさで始めたので、ロイヤルゼリーのことなど、頭の隅にもなかったんだよ。だから、これは完全に棚からぼた餅、瓢箪から駒見たいな完全なる思いがけない副産物である。
こらからも採取出来る量は限られているため、私達のために公開できる範囲を狭めてあく必要があるんだよ。
「ベリーナ様、分かっているとは思いますが、これは、ベジタル家とフルーテス家だけの秘密でございます。なにぶん量が少ないため、限られた人にしか渡ることはありません。この存在が世の女性達に知られてしまえば。。。」
「ええ、そうね。血を見ることになるでしょうね。そんな希少なものを頂いてしまって悪いわね。感謝するわ。」
とベリーナ様は完全に席に腰を下ろした、もはや出ていこうとする雰囲気は微塵もない。まずはベジタル家が先手の勝利を収めた。まだまだ、戦いはこれからである。目的を達成するためには、ここから、全勝していかなくてはならない。
それだけ、私達は、このお茶会を楽しみに準備してきたんでよ。
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