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第7章 アカネとフルーテスとのお茶会編

【男の娘064】アカネとお茶会への旅立ち

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「じゃー、二人共フルーテスさん達に宜しくね。手土産はちゃんと持ったかしら?」

「お母様大丈夫ですわ。ちゃんと朝方ティムに『圧縮・収納』の魔法でこの袋の中に入れてもらいましたから。」

実は、ティムと契約によるパスが繋がったことで、私の魔法属性と、魔法がティムにも流れ込んだようなんだ。だから、私の使える魔法は、ティムが全部使えることになる。

とはいえ、私は、ティムの属性は入ってこないし、ティムの使う魔法も使えないんだよ。ぷーっ、ティムだけずるいかも。これで、魔法の容量の制約による魔法の制限が解除された形になる。ティムがいないと何も出来なくなってる気もしなくもないけど。

「ティム殿、アカネとキャロットを宜しく頼む。私の可愛い娘達だ。ティム殿がいれば問題ないと信じてるよ」

「うむ、大丈夫じゃ、我がいる限り、アカネとキャロットは指一本触れさせん」

マッシュ兄さんは、馬車に乗って先行して出かけている。ちなみに今回は、牛や豚を都市に出荷するのも兼ねており、マッシュ兄さんは牛と豚を取引業者に渡した後に合流することになっている。ペレストさんの部下の若手集団と共に牛と豚を引き連れての長旅らしい。

「では、二人とも行こうか。ティムお願いね」

「うむ」

魔法で変身して、ティムは男の子の姿から、ペガサスの姿になった。お父様は、それに鞍と手綱を取り付け、鎧(あぶみ)に足をかけて、私がまずのぼり、キャロットちゃんに手を差し伸べて、引っ張り上げた。

「お姉様ありがとうございますわ。」

「3人とも気をつけてね。向こうに着いたら、マッシュと合流するまで待ってるのよ」

「アカネ、くれぐれもティム殿の変身する姿や魔法使っているのを見られないように注意するんだぞ。」

「ええ、大丈夫ですわ。お父様、お母様では行ってきます」

私達は、雲一つない空へと飛び出した。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

「お姉様、ティム君は凄いですね。私達二人を乗せてこんなに高く早く食べるなんて。鳥人の友達に空へ抱っこしてもらって飛んだことはありますが、ゆっくりと上昇してましたよ」

「ティムはそもそもドラゴンだからね。馬力は十分にあるよ。それにしても、少し肌寒いわね。キャロットちゃんは大丈夫?」

「少し、寒いかも知れませんわ。地表とは比べて、空の方は少し気温が下がるんですのね」

「それもあるかも知れないね。それに風を切るスピードが早くて、体温が取られているのもあるかもね。キャロットちゃんもっと、ピッタリくっついた方がいいわ。」

「了解ですわ。お姉様。」

ゆったりと二人乗りしていたのだが、寒くなって来たため、後ろに座っているキャロットちゃんにピッタリと抱きついて隙間を埋めてもらう。

「.あーっ、キャロットちゃんがとってもあったかいわ」

「お姉様、私もですわ」

「帰りは星空の中を飛ぶのも素敵かなと思ったんだけど、この寒さずゃ、夜はもっと寒そうね。」

「お姉様、でしたら、帰りに都市でコートを買ってそれを来て帰ればいかがでしょうか?」

「それはいいかもね。お小遣いも沢山もらったし、後で一緒に服屋さんに、行ってみよう」

「はいっ」

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

朝にご飯を食べてから出発し、太陽が一番高い所に来たとこで、外壁近くに着いた。

「ティムそろそろ降りてね。」

ペガサスになっているティムは、そっと地面に降りた。ティムが、地面にしゃがんでくれたので、比較的簡単に私達二人は降りた。

さて、周りを見渡して、人がいないことを確認する。

「ティムいいわよ。男の子の姿になって」

『ぼふっ』という音と共に男の子の姿になる。服装も、お茶会に行っても不自然でないものに変えてもらった。

「ふぁー、二人だけで楽しくおしゃべりしてて、羨ましかったのじゃ」

「ティム、私達を運んでくれてありがとうね。」

とご褒美に、私とキャロットちゃんはティムの頭を撫でてあげる。ペガサスの間は、人語を話せないので、おしゃべり出来ないのが不満だったみたい。

「ティム君ありがとうね。後で私のお菓子分けてあげるよ」

「キャロットありがと。ちょっと小腹が空いたのだ。」

マッシュ兄さんには、フルーテス家に前もって今日のお昼の後に行くように伝達してもらっている。お昼はどこかで食べる必要があるんだよね。とはいえ、お外でお昼の準備をするにも道具も材料も持ってきていないのだ。

 マッシュ兄さんが迎えに来てくれないと私達は、都市の中に入ることが出来ない。必然的にお昼はお預けとなってしまうんだ。

「マッシュ兄さん来ませんね。集合場所はここで良かったですよね。」

「ええ、マッシュ兄さんが描いてくれた地図にこの付近て書いてあるからね。」
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