【完結】TS転生で悪役令嬢に?~婚約破棄され辺境に嫁ぎ、ホットケーキで結納金返済です。~

近衛 愛

文字の大きさ
上 下
63 / 105
第7章 アカネとフルーテスとのお茶会編

【男の娘063】アカネとお茶会の準備

しおりを挟む
「お父様、フルーテスからフルーテスからお手紙が来て、お茶会に招待されましたの。行ってもいいですよね」

「アカネ。それはよかったね。前に話していた、お付きのメイドさんだった人かな。」

「ええ、彼女にはガーネットの時にお世話になったので、私のこの世界での初めての友達なんです。いいでしょう?」

「いいかどうかか。それは楽しみにしている所笑いが少し待ってくれ。なに悪いようにはしないよ。マッシュや母さん共少し話し合ってから決めておきたいからな。」

「前向き?前向きってことは、行ってもいいんですね。やったー、初の異世界都市観光だー」

「アカネよ。嬉しいのも分かるがもう少し声を抑えてくれ。ここには獣人たちも一緒に働いているからな。なっ、分かるだろう」

私は慌てて口を塞ぐ。やばいやばい。感情が高まり過ぎて、考えなしに叫んじゃった。異世界って、なんのことか分からないだろうけど、聞かれたらまずいことは不味いもんね。

声に出せない分、ティムの両手を持ってぐるぐると二人で回転した。

「ははっはっはっ」

途中から子供の姿をしているティムを地面から浮かせて回転してしまった。あまりの回転速度に牧草の上にティムと二人で転げてしまったよ。

「あーお腹痛い。」

「アカネよ。都会に行くのがそんなに嬉しいのか。それなら、我が空を飛んだら一っ飛びで、いけるぞ。」

「ティムこっちも色々と事情があるんだよ」

「そうです。ティム殿。アカネは色々と立場がややこしいので、あまり外に出すのは難しいのですよ。」

「そうか。だが、行きたくなったら遠慮なく言え。笑と其方は契約者であるからな。遠慮することはない。」

「ありがとね。ティーム」

と言って、ティムを抱きしめた。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆  ◆ ◆ ◆ ◆  ◆ ◆ ◆ ◆

お父様達が話し合った結果、私一人では、貴族としては、あり得ない旅になるし、それに色々とボロが出ないか不安らしい。

失礼な話だよね。私だって気をつければ、気をつけてれば、迂闊なことは話さない。話さない。はず。。。だよ。。ということで付き添い役として、マッシュ兄さんが来ることになった。フルーテステス家は、ベジタル家よりも上位の貴族となるため、本来出向くのであればお父様の方が良いのだが、重要な仕事があるらしく、この地をしばらく離れることが出来ないらしい。

 お母様でもと思ったけど、女性二人の旅も、この世界ではありえないようだったので、お兄様になったんだ。

「お兄様とお姉様、二人とも、都市に行かれるんですね。キャロットは少し寂しくなりますわ。」

「キャロットちゃん大丈夫だよ。ちょっと行ってちょっと帰ってくるだけだから。」

「でも、片道都市まで1日半かかるんでしょう。往復で3~4日お姉様達がいなくなるじゃないですか」

私はしょんぼりするキャロットちゃんを抱きしめる。

「大丈夫だってキャロットちゃん。、うちにはティムがいるから、ペガサスになってもらって、ピューってとんでもらうから、片道は半日もかからないよ。だから、きっと、1泊2日くらいで戻って来れるよ。」

「うむ。ペガサスなら。それからくらいのスピードで飛んで行けるぞ。ドラゴンやグリフィンなら、もっと早く移動出来るぞ。」

「いやいや、ティム殿、それは警備隊が現れて迎撃されるかも知れませんのでやめて下さい。」

「我はそれでも構わんのだぞ。邪魔をするなら蹴散らすだけであるからな。」

「ティム、それはやめておこうね。あまり無益なことはしたくないし、そんなに急いでないからペガサスで十分だよ」

「そうなんですの。でしたら一日我慢するだけですわね。大人しくお留守番してますわ。お姉様、お兄様、旅のお話色々聞かせて下さいね。」

「ねぇティム、3人て乗れるかな?」

「乗れなくもないが二人とは違って捕まるところがないぞ。」

「それだと危ないわよね。鞍と手綱も普通の馬のものを使うから、二人乗りは無理か。ごめんね。キャロットちゃん」

「いえ、大丈夫ですわお姉様そのお気遣いだけで私は嬉しいですわ。」

「なぁ、父さん。キャロットも連れて行っていいかな?」

「マッシュどうするつもりだ?今ティム殿が行ったように3人は無理なんだぞ。」

「あー、それなら、僕が門の近くまで馬で走ればこと足りるかな。」

「門に入る時に体裁だけ、男連れの形にする訳か。ふむ、悪くはないな。その代わりマッシュ。お前は、1日ほど馬で走る訳だが大丈夫か」

「父さん。キャロットの寂しそうな顔を見たら、少しぐらいの無茶は何とかするさ。姉妹一人だけ残して、都市で遊ぶのも気前が悪いじゃないですか。」

「ふむ、ならばよかろう。キャロット、アカネやマッシュと共にお茶会に参加してきなさい。」

「えっ、本当ですか。お父様。わー、私凄く嬉しいです。お父様、マッシュ兄様、お姉様、ティムちゃんありがとうございます。」

「さて、フルーテス卿の所かとなると手土産はなにがいいかな?」

「あそこはお酒好きが多いですからね。お酒やそのおつまみになるものが良いかしら。」

「あっ、お母様、私にも少し考えがありますわ。お菓子と試作品のホットケーキミックスとイースト菌入り小麦粉を持っていきますわ。」

「あらっ、それはいいわね。でも、旦那さんの方へ少し不足している感じかしら?あなた、秘蔵のお酒出して下さる?」

「うっ、アカネと一緒に試行錯誤から始めてようやく形になった日本酒をか。これから、寝かせて美味しくなるというのに。。。」

「まーまーお父様。また一緒に作りましょうよ。焼酎なんかも多分作れると思いますからね。それに今回はお茶会以外にも少し目的があるので、なるべく向こうの方には気持ちよく迎えてもらいたいんですよ。」

「なるほど、頓挫していた砂糖の件か。確かに、フルーテス卿なら、砂糖の取引は、私よりも多いし、取引先ともパイプが太いからな。相談に乗ってくれるだろう。あー、私の日本酒。」

「それ以外にもですよ。うふっ」

茶目っ気一杯にウインクする。さー、ようやく場が整ってきたわ。フルーテスに会えるのも勿論楽しみだけど、私の目標達成のためにもフルーテスには協力してもらわなきゃね。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!

みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した! 転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!! 前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。 とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。 森で調合師して暮らすこと! ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが… 無理そうです…… 更に隣で笑う幼なじみが気になります… 完結済みです。 なろう様にも掲載しています。 副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。 エピローグで完結です。 番外編になります。 ※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。

転生者はチートな悪役令嬢になりました〜私を死なせた貴方を許しません〜

みおな
恋愛
 私が転生したのは、乙女ゲームの世界でした。何ですか?このライトノベル的な展開は。  しかも、転生先の悪役令嬢は公爵家の婚約者に冤罪をかけられて、処刑されてるじゃないですか。  冗談は顔だけにして下さい。元々、好きでもなかった婚約者に、何で殺されなきゃならないんですか!  わかりました。私が転生したのは、この悪役令嬢を「救う」ためなんですね?  それなら、ついでに公爵家との婚約も回避しましょう。おまけで貴方にも仕返しさせていただきますね?

【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。

氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。 私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。 「でも、白い結婚だったのよね……」 奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。 全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。 一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。 断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

村娘になった悪役令嬢

枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。 ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。 村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。 ※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります) アルファポリスのみ後日談投稿しております。

十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!

翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。 「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。 そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。 死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。 どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。 その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない! そして死なない!! そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、 何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?! 「殿下!私、死にたくありません!」 ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼ ※他サイトより転載した作品です。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!

ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」 ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。 「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」 そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。 (やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。 ※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

処理中です...