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第6章 アカネと森の狼さんと熊さん クラッシュ編
【男の娘047】アカネと麦畑
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「アカネどうしたんだい、こんな所まで来て。マッシュはどうしたんだい?」
麦畑から身体が出ているお父様が私をみつけて声をかけてくれた。
「お父様、マッシュ兄さんなら、あそこで、養蜂箱を作ってますよ。蜂蜜がとれるとなったらがぜんやる気をだして作業してますよ。ふふっ。それに私が横を通り過ぎたのも気づかないほどに集中していますわ。マッシュ兄さんが作業している以上、マッシュ兄さんの目の届く所にいないとですから、ちょっと麦がどうして出来ているのか気になってここまで足を運びましたの。」
「マッシュがやる気をね。それなら、凄いいい養蜂箱を作るだろう。畑で作っている農具や機械のメンテナンスなんかはほとんどマッシュがやっているからな。気合いが入っている時は必ずといっていいほどいつもよりもグレードの高いものを作るんだ。
気合いが入っていなくても、普通のものよりは大分いいからな。」
「マッシュ兄さんって凄いんですね。そんなに出来るなら、農業してなくてもそれで生計建てられそうですけどね。木工職人とかで。」
「アカネや。そりゃちょっと勘弁してくれんか。マッシュがおらんとここら辺の道具のメンテナンスが出来なくなるからな。領地の経営がちとまずいことになるかもしれんわ。」
「そこまでのものですか。」
「そこまでのものなんだ。それに、獣人族や鳥人族で使う道具もたまに頼まれて作っているからな。マッシュがいないと影響はでかいよ。」
おお~~っ、マッシュ兄さんの影響力が半端ないよ。そんなに道具を作るのが上手いなら今度お願いして泡だて器作ってもらおうっと。
「それでアカネは麦畑の何がしりたいんだい。私で良ければ、説明しようじゃないか。」
「えっ、お父様が説明して下さるのですか?お仕事の邪魔にならなければお願いします。」
「邪魔になんてなるはずがないさ。それにきっとアカネに説明したら気付いたことを色々やって、今以上によくなるかもしれないだろ?」
と言って、お父様がにやっと笑った。
「なら、遠慮なく聞きたいことを聞かせてもらいますね。マッシュ兄さんも他の人もいないので、気にせずに質問しますね。この世界の麦ってどうやって種撒きから、育成、雑草を抜いて、刈り取り、そして、麦の穂を脱穀しているのでしょうか?」
「なるほど、基本的なことが気になるわけだね。宜しいアカネ君私が丁寧に説明しようじゃないか。」
「はい、お父様いえ、先生、ご教授お願いしますわ」
「うむ、まずは麦の種撒きだが、これは鳥人族の若手が麦の種を持って、空へ飛びあがり、空から順番に撒いていくんだよ。おっとその前にタネが土に根を生やしやすいように、獣人族の力自慢たちが鍬(くわ)を持って、全畑を耕していくんだよ。」
「おお~~すごい人力だ。機械がまったく入ってないよ。皆さん体力がおありになるんですね。」
「機械?とな。うむ、気にはなるがまずは一端全てを軽く説明しようか。タネをまいたら、通常は土を被せるよね?」
「そうですね。雨で流れたり、鳥に食べられたり、風で飛んでいったりしないように土をかけますね。」
「実はそれはまったくしておらんのじゃ。」
「えっ、してない?でも、それだと、雨が降ったら流れて、全く麦の生えない土地が出来るのではないですか?」
「ふむ、そう思うであろう。だがしかし、今の麦畑を見てわかる通り、全面に満遍なく生えているのがわかるであろう。実はな、さっき、種を撒くといってが、種だけではないんじゃよ。」
「えっ、種だけじゃない?土や肥料も一緒に撒くんでしょうか?」
「肥料とはなんぞや?ま~これも後で聞くことにしよう。そう、土も一緒に撒いているんだよ。」
「でもそれだと、種の上に土が撒けるかどうかわからないと思いますが。鳥人族の方が空を飛んで、空中から撒いているんですよね?」
「ああそうとも、実はな土のボールを作って、その中に麦の種を入れて、そのボールを撒いているんだよ。私らはその種の入ったボールをシードボールと呼んでおるんだよ。」
あ~確かに、そういう技術はたしかにあった気がする日本じゃ、機械があるから滅多に使われない技術だけど、アフリカや他の国ではそういう技術を使ってしているって聞いた事がある。
虫や鳥の嫌いな草のエキスや種を混ぜることによって、外敵に食べられることなく植物が発芽するようになるんだって。
「なるほど、そのシードボールに鳥が食べないように苦手な植物の汁を入れて、虫や鳥の対策をしているんですね。」
「うん?苦手な汁?そんな方法もあるのか?いや、鳥が食べないのは、鳥人族が鳥にお願いして、この地域の種を食べないようにしてもらっているからだよ。虫は食べ放題だと言ってある。それに雑草もお願いして食べてもらっているんだよ。」
おお~、なんとエコロジーな対応をしているんだろう。異世界ならではの農作業だね。確かに鳥にお願いして、種を食べないでもらえば、全て発芽するもんね。それに、人が畑の上を歩いて、種を撒いて土を被せることもないから、耕したままで土はふかふか。それなら、種は柔らかい土に簡単に根を生やせるよ。
麦畑から身体が出ているお父様が私をみつけて声をかけてくれた。
「お父様、マッシュ兄さんなら、あそこで、養蜂箱を作ってますよ。蜂蜜がとれるとなったらがぜんやる気をだして作業してますよ。ふふっ。それに私が横を通り過ぎたのも気づかないほどに集中していますわ。マッシュ兄さんが作業している以上、マッシュ兄さんの目の届く所にいないとですから、ちょっと麦がどうして出来ているのか気になってここまで足を運びましたの。」
「マッシュがやる気をね。それなら、凄いいい養蜂箱を作るだろう。畑で作っている農具や機械のメンテナンスなんかはほとんどマッシュがやっているからな。気合いが入っている時は必ずといっていいほどいつもよりもグレードの高いものを作るんだ。
気合いが入っていなくても、普通のものよりは大分いいからな。」
「マッシュ兄さんって凄いんですね。そんなに出来るなら、農業してなくてもそれで生計建てられそうですけどね。木工職人とかで。」
「アカネや。そりゃちょっと勘弁してくれんか。マッシュがおらんとここら辺の道具のメンテナンスが出来なくなるからな。領地の経営がちとまずいことになるかもしれんわ。」
「そこまでのものですか。」
「そこまでのものなんだ。それに、獣人族や鳥人族で使う道具もたまに頼まれて作っているからな。マッシュがいないと影響はでかいよ。」
おお~~っ、マッシュ兄さんの影響力が半端ないよ。そんなに道具を作るのが上手いなら今度お願いして泡だて器作ってもらおうっと。
「それでアカネは麦畑の何がしりたいんだい。私で良ければ、説明しようじゃないか。」
「えっ、お父様が説明して下さるのですか?お仕事の邪魔にならなければお願いします。」
「邪魔になんてなるはずがないさ。それにきっとアカネに説明したら気付いたことを色々やって、今以上によくなるかもしれないだろ?」
と言って、お父様がにやっと笑った。
「なら、遠慮なく聞きたいことを聞かせてもらいますね。マッシュ兄さんも他の人もいないので、気にせずに質問しますね。この世界の麦ってどうやって種撒きから、育成、雑草を抜いて、刈り取り、そして、麦の穂を脱穀しているのでしょうか?」
「なるほど、基本的なことが気になるわけだね。宜しいアカネ君私が丁寧に説明しようじゃないか。」
「はい、お父様いえ、先生、ご教授お願いしますわ」
「うむ、まずは麦の種撒きだが、これは鳥人族の若手が麦の種を持って、空へ飛びあがり、空から順番に撒いていくんだよ。おっとその前にタネが土に根を生やしやすいように、獣人族の力自慢たちが鍬(くわ)を持って、全畑を耕していくんだよ。」
「おお~~すごい人力だ。機械がまったく入ってないよ。皆さん体力がおありになるんですね。」
「機械?とな。うむ、気にはなるがまずは一端全てを軽く説明しようか。タネをまいたら、通常は土を被せるよね?」
「そうですね。雨で流れたり、鳥に食べられたり、風で飛んでいったりしないように土をかけますね。」
「実はそれはまったくしておらんのじゃ。」
「えっ、してない?でも、それだと、雨が降ったら流れて、全く麦の生えない土地が出来るのではないですか?」
「ふむ、そう思うであろう。だがしかし、今の麦畑を見てわかる通り、全面に満遍なく生えているのがわかるであろう。実はな、さっき、種を撒くといってが、種だけではないんじゃよ。」
「えっ、種だけじゃない?土や肥料も一緒に撒くんでしょうか?」
「肥料とはなんぞや?ま~これも後で聞くことにしよう。そう、土も一緒に撒いているんだよ。」
「でもそれだと、種の上に土が撒けるかどうかわからないと思いますが。鳥人族の方が空を飛んで、空中から撒いているんですよね?」
「ああそうとも、実はな土のボールを作って、その中に麦の種を入れて、そのボールを撒いているんだよ。私らはその種の入ったボールをシードボールと呼んでおるんだよ。」
あ~確かに、そういう技術はたしかにあった気がする日本じゃ、機械があるから滅多に使われない技術だけど、アフリカや他の国ではそういう技術を使ってしているって聞いた事がある。
虫や鳥の嫌いな草のエキスや種を混ぜることによって、外敵に食べられることなく植物が発芽するようになるんだって。
「なるほど、そのシードボールに鳥が食べないように苦手な植物の汁を入れて、虫や鳥の対策をしているんですね。」
「うん?苦手な汁?そんな方法もあるのか?いや、鳥が食べないのは、鳥人族が鳥にお願いして、この地域の種を食べないようにしてもらっているからだよ。虫は食べ放題だと言ってある。それに雑草もお願いして食べてもらっているんだよ。」
おお~、なんとエコロジーな対応をしているんだろう。異世界ならではの農作業だね。確かに鳥にお願いして、種を食べないでもらえば、全て発芽するもんね。それに、人が畑の上を歩いて、種を撒いて土を被せることもないから、耕したままで土はふかふか。それなら、種は柔らかい土に簡単に根を生やせるよ。
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